2024年5月11日から12日にかけて、南砂町駅で線路切替工事が行われています。
これに伴い東京メトロ東西線は、東陽町駅〜西葛西駅で終日運休に。
それぞれ東陽町駅までと西葛西駅までで、折り返し運転が行われています。
普段と異なる行き先や運行方法が取られており、注目が集まるポイントです。
特に西葛西駅〜葛西駅の一区間では、西船橋方面の線路だけを走ります。
代用閉塞方式や手信号を用いたりと、都心の地下鉄とは思えない光景もあちこちに。
まずは大手町駅の東西線改札に来ました。
東西線運休についての案内が示されており、快速運転中止や東葉高速線との相互直通運転中止についても付記してありました。
迂回ルートも設定されており、東京メトロのきっぷでJRや都営新宿線を利用できる、振替輸送が行われます。
今回は行ったり来たりするので、東京メトロ24時間券を使用します。
まずは運休区間を境に、西側の様子を見てみましょう。
こちらでは、茅場町行きと東陽町行きが交互に運転されています。
茅場町駅は運休区間が始まる東陽町駅の、3駅手前です。
まず乗車するのは、茅場町ゆき。東陽町ゆきに関しては普段から走っている行き先です。
その一方、茅場町ゆきは普段存在していません。
それでも車内表示器など含め対応していました。
自動放送に関してもしっかり流れており、この点は少々驚き。
茅場町駅で当駅止まりの表示が出るのも、珍しいことです。
この列車は茅場町駅で折り返さず、しばらくすると回送列車として発車していきました。
続いてやってきました、東陽町行きです。
こちらの行き先に関しては、平日午前中に15本程度設定があります。
途中駅の発車標を見てみると、回送の表示があります。
これが茅場町駅で営業運行を終え、回送されてくる列車のことです。
終点の東陽町駅に到着しました。
この先は運休区間になっているので、進むことができません。
今日から2日間、東陽町駅1番のりばの発車標は、「当駅止まり」か「回送」しか表示されないことになります。
東陽町駅に到着した電車は、駅構内の引き込み線へ引き上げられます。
こちらは特に回送になっておらず、「各駅停車|東陽町」のまま。
あちらで進行方向を変え、折り返し中野・三鷹行きになるみたいです。
今度は茅場町止まりの、回送列車がやってきました。
引き込み線にいた列車が折り返し、2番のりばへ入線。
これで引き込み線が空いたので、先ほどと同じように引き上げられていきました。
ちょうど行先表示が変わりまして、「各駅停車|三鷹」になっています。
今度は2番のりばへ来ました。
特に行き先は通常通りですが、「当駅始発」が連続しているのは珍しいです。
引き込み線には、当駅止まりとして到着後に引き上げられた、15000系電車が停車中。
ここで1番のりばに、回送列車がやってきました。
「各駅停車|中野」に変えた電車は、すぐに入線してきます。
これで引き込み線が空いたので、回送列車は引き上げられる形です。
2番のりば停車中の列車内から見てみると、西船橋方面と中野方面の線路の間に、引き込み線が設けられているのが分かります。
東陽町駅〜西葛西駅では代行バスが運行されており、東西線に沿った移動手段が確保されています。
1番のりばの柱には、「降車専用ホーム」との貼り紙が。
また、「南砂町駅経由 西葛西行き 代行バス」とも案内されていました。
こちらは3番出口から出ているようです。
今度はJR東日本からの乗り入れ車両、E231系電車がやってきました。
せっかくなら茅場町行きで見たかった気もしますが、3色LEDの表示です。
かなり多くの方が3番出口へ向かっておられる様子で、ホーム上はそれなりに混雑します。
代行バスを利用する方については、右側2つの改札に立っておられるスタッフの方から、紙を受け取る方式です。
今出てきた1番のりば正面の改札は、出場専用。
入場専用改札は2番のりば階段の正面で、入場と出場を分けた上で動線を整理しています。
続いて代行バスのりばへ行ってみましょう。
代行バスの乗車場所と降車場所は、地図の通りです。
「南砂町をご利用のお客様向けに」と書かれており、バスの台数が限られているので、徒歩移動も推奨されています。
3番出口のエスカレーターを登って、くるっとUターン。
こちらがバス乗り場で、かなりの列が出来上がっています。
5〜10分間隔で運行しており、1台あたりの乗車定員は約60人です。
首都圏の様々な路線バスが来ており、こちらは東武バスです。
「東京メトロ東西線代行バス」と書いてあり、東京メトロのロゴマークまで。
側面には「西葛西」「南砂町」「東陽町」の途中停車駅も書いてありました。
続いては西武バスも。水色のコーポレートカラーが、東京メトロっぽいです。
続いて東京・埼玉が本拠地の、国際興業バスも。
バスは割と頻繁に来ていますが、20分くらいは待ちそうな様子。
こちらはバスの降車場所です。東陽町駅方面についても、案内されていました。
東陽町駅から20分ほど歩き、南砂町駅に来ました。
列車が1本も来ない、工事中の南砂町駅はどんな様子なのでしょう。
こちらは1番出口、5月10日をもって廃止され、5月13日の運行再開から使用できません。
ボロボロの駅名板は、反対向きに変わっていました。
南砂町駅は出入口1が廃止されるほか、2a、2b、3は使用休止。新たに出入口1、4、5が開かれます。
この地下では線路切り替え工事が行われている最中。当然中へ入ることはできません。
代行バスのりば、臨時乗車券うりばへ向かってみましょう。
使用休止になる2b出入口の右奥に、バスのりばが設けられています。
手前が西葛西駅行き、奥が東陽町駅行きです。
どちらかと言うと、東陽町駅方面の方が混んでいる印象。距離的には西葛西駅の方が遠いです。
こちらも使用休止となる、3番出入口。リニューアルされて綺麗になっています。
こちらには、臨時きっぷうりばが設けられていました。
試しに買ってみると、通常の磁気乗車券。
早朝にたくさん発券し、あらかじめ改札を通してあるみたいです。
再び歩きまして、東京メトロ東西線の橋梁と共に、川を渡ります。
何度かバスに追い抜かれるのですが、京王バスも来ていました。
40分ほど歩き、西葛西駅に到着しました。
今度は運休区間を挟んで西側を詳しく見るため、まずは西船橋駅へ。
今日から2日間、西葛西駅で列車が発着するのは1番線ホームのみ。また、西葛西駅〜葛西駅については一区間だけの折り返し運転です。
そのため葛西行きしか発着しておらず、西船橋駅へ行くためには葛西駅で乗り換えが必要です。
この後で注目しますが、運転士さんが持っておられる、輪っかがある列車しか走らせられない、代用閉塞方式を用いています。
それでは西葛西駅より、葛西ゆきに乗車。
こちらも車内表示器や行き先表示器は対応していますが、途中停車駅については対応していない様子でした。
葛西駅に到着、この駅には真ん中に2本通過線があります。
そのうちの1本に15000系が置かれており、留置線のように使われているようでした。
西船橋行きは反対側のホームから発車。
1番のりばが葛西〜西葛西の列車、2番のりばが葛西〜西船橋の列車となっています。
葛西駅を発車してしばらくは、右側通行をするので少々逆走。
程なくしてポイントを越え、通常通りの左側通行へ戻ります。
西船橋駅ホーム上では、JRによる振替輸送の案内がなされていました。
JR総武線、JR京葉線での迂回乗車が可能です。
それでは西船橋駅より、運休区間を挟んで東側の様子を詳しく見てみましょう。
ご覧いただいた通り、西葛西〜葛西で折り返し運転、葛西〜西船橋で折り返し運転が行われており、葛西駅で分断されている状態です。
普段は存在しない、葛西ゆきの行き先表示器。
流石に西葛西〜葛西のひと区間では途中停車駅が出ていませんでしたが、西船橋駅から葛西駅では表示されています。
運転台の行き先部分にも、葛西と書かれていました。
まもなく葛西駅に到着。
こうして見ると、確かに通過線が留置線のようにして使われているのが、お分かりいただけるでしょう。
葛西駅2番のりばに到着。折り返し西船橋行きとなります。
西船橋行きが発車すると、しばらくは右側通行で逆走。
車体がクネっと曲がっていますが、あのあたりで左側通行へ戻っています。
普段は1番のりばが西船橋・津田沼方面、2番のりばが日本橋・大手町・中野方面です。
しかし、今日に関しては1番のりばが西葛西ゆき、2番のり馬が西船橋ゆきで、普段と逆方面になっています。
お客さんが間違えないよう、コンコースの案内表示では上から「西葛西ゆき」と貼られていたり、乗り継ぎ時には多くのスタッフさんが案内していらっしゃいました。
1番のりばから発着する、西葛西ゆきの列車。発車標には列車案内が無く、駅員さんによる放送のみです。
葛西駅に列車が到着し、折り返し西葛西ゆきになる準備がなされます。
通常の閉塞(信号保安システム)では、葛西〜西葛西の折り返し運転を行うことができません。そこで今回はスタフ閉そく方式が用いられているようです。
こちらの輪っかを持った列車のみが線路へ入れるルールを定め、列車の衝突を防ぎます。この輪っかは長良川鉄道越美南線やJR名松線など、ローカル線でたまに見ます。
写真は、今回の工事に関連してXで話題になっていたものです。 https://t.co/gLNNlwBwlk pic.twitter.com/3ahPrWFOXM
— 東京メトロ【公式】 (@tokyometro_info) May 14, 2024
東京メトロによると、今回の工事のためにスタフを製作したとのことです。
また、西葛西方面へ出発時には駅員さんによる、手信号が用いられていました。
青いライトを持っていらっしゃいますが、前方に相乗していらっしゃる車掌さん(と思われる方)へ合図。
これによりドアが閉められます。
続いて運転士さんに同じく合図が出され、出発となります。
葛西〜西葛西では西船橋方面の線路だけを使っており、単線状態の線路を西葛西ゆきは逆走しています。
西船橋ゆきはしばらくすると左側通行へ戻りましたが、こちらは左側通行へ戻ることなく、西葛西駅までずっと右側通行です。
それでは西葛西ゆきの列車に乗ってみましょう。
葛西ゆきは行き先表示器に対応していましたが、西葛西行きでは表示されなくなります。
車内表示器に関しては、西葛西ゆきと書かれていました。
ここまで来ると行き先だけは、全駅に対応していそうな気がします。
運転士さんが折り返しのため、先頭へ戻って来られました。
運転台の反対側、右側に置いて出発準備が行われます。
車内からだと見えませんでしたが、手信号の合図を見てドアを閉めます。
非常ブレーキに手を掛けられており、すぐに止まることができるようにしながらの出発。
おそらく逆走のため、通常より速度を落として走ります。
西葛西駅の1番のりばへ入線、普段こちら側から入ることはありません。
西葛西駅に到着、折り返し葛西ゆきとなります。
ホーム上の案内に関しては、1番のりばも西船橋方面のまま。
コンコースから階段へ上がる階段上は「葛西ゆき」と上から貼られているので、この段階で案内は完了しているものとしているのでしょう。
西葛西駅から東陽町駅では先ほどご紹介した、代行バスが運行されています。
こちらも同様に、代行バスへ乗車する方へ向けた改札が、奥に設けられていました。
今日から2日間に関しては、2番のりばが使われることはありません。
しかし特に立ち入り禁止にはなっておらず、こちらまで入ることができました。
エスカレーターは稼働しておらず、日本橋方へ上がることはできません。
しかし、西船橋方面に関しては立ち入ることができ、スタッフの方も立っていらっしゃいました。
完全に撮影して良いですよ的なエリアと化しています。
右側通行で入線してきました、西葛西ゆきの電車。行き先表示器は確かに出ていません。
割とゆっくりした入線で、そろりそろりと入ります。
10両編成がピッタリと収まり、行き先表示を葛西へ。
前照灯が灯りまして、葛西駅に向けて出発です。
今度は普段と同じ線路の向きなので、通常通りの加速で走り始めました。
最後に葛西行きの列車に乗車して、終わりにしようと思います。
運転士さんが持ってこられた通票と共に、令和の地下鉄が走っていくミスマッチ。
特別な一区間の旅をあっという間に終えまして、葛西駅に到着です。
西船橋方面へ向かわれる方も多くいらっしゃるので、反対方面のホームへスタッフの方が案内なさっていました。
こちらもホーム上では日本橋・中野・三鷹方面と案内していますが、出発する電車は西船橋行きばかりです。
改札上の発車標は完全に紙で隠されており、全く見えない状態になっていました。
改札中央にはディスプレイがあったかと思うのですが、その上から東西線終日運休の紙が大きく貼ってあります。
葛西駅からは、東西線の振替輸送を行なっている各路線の駅へ向かって、路線バスが数多く出ています。
こちらに関しても、迂回ルートとして併せて確認してみてください。
南砂町駅工事に際し、東西線の特別な運行をお届けしました。
多くの事業者さんが代行輸送を支え、影響を最小限に抑えていただいている状況が現れています。
ぜひ安全に気をつけつつ、その様子を目にしてみてください。
今回もご覧いただき、ありがとうございました。
【50年差の新ホーム】南砂町駅の構造どうなった?東西線運休後の姿とは
東京メトロ東西線の南砂町駅では、駅改良工事が行われています。 これに伴う線路切替工事のため、2024年5月11日から12日にかけて終日運休に。 運休中の東西線や南砂町駅の様子については、 ...
続きを見る