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【定期運行終了】小田急のフラッグシップVSE 一般席・展望席・サルーン全部乗る[年越し2022(8)]

2022年3月7日

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小田急のフラッグシップとも言えるVSEロマンスカーは2022年春に定期運行を終了します。

 

ロマンスカーには4種類ありますが、その中で最も地位高いと思われるのが、VSEです。

 

ヨーロッパの鉄道を思わせる、流線型でカッコ良いデザイン。これが無くなってしまうなんて、今でも信じられません。

今回はVSEの設備を、存分に堪能していきたいと思います。

年末年始で定期運行終了が発表されていたこともあり、車内はかなり混雑していました。

 

ボーダー模様が目立つインテリアで、北欧家具的な印象を持ちます。

また、窓ガラスが長く取られた上、カーテンガイドはワイヤ張りで、視界を遮りません。

 

背面テーブルはお弁当を置けるくらいの大きさ。

木目調で角張ったテーブルは、鉄道としては珍しく感じます。

 

更に、前面展望を楽しめるというのが、ロマンスカーの特徴です。

 

VSEはVault Super Expressの略ですが、Vaultとはアーチ型の天井という意味。

車内の天井はそのとおり、開放的なアーチ型です。

 

運転席は2階部分にありまして、かなり狭そうな見た目です。

 

展望席の境目あたり、天井から降りてくる階段で運転席に登ります。

VSEが引退する一番大きな理由、それはここにあります。

それは、VSEが採用している連接台車です。

 

これは車両と車両の間に車輪の台車を設置するというものです。

これは台車が連結部にあることで、乗り心地が良くなります。

 

かつて小田急ロマンスカーは連接車が当たり前でした。しかし、現在ではVSEの2編成のみとなり、それのために保守管理をするのは、効率性が下がってしまうのです。



VSEの車内には、小田急のフラッグシップらしい設備が揃っています。

8号車にあるのが、カウンターブースです。

かつてシートサービスやワゴン販売があったVSEですが、現在では完全に停止。

 

シャッターも閉じられてしまい、空っぽのショーウィンドウが寂しげです。

 

ワゴンが置かれていたスペースも残されていました。車内販売の縮小は非常に残念なものですね。

 

また、今は調整中となっているモニターには、前面展望や観光案内が流れていたそうです。

 

8号車はこのようなスペースが作られているため、座席は3列だけ。ちょっとした個室みたいになっています。

 

先頭車両に戻ってきました。こうしてみると、やはり雰囲気が良いですね。

 

終点の新宿駅に到着しました。

 

窓側には折り畳み式のテーブルを設置。対面にした時でもテーブルを使うことができます。

 

また、座席は自然に景色を見やすいよう、5°外側に傾いています。

 

写真では分かりづらいんですが、実際に車内へ入ると結構目立つんですよね。

 

新宿駅ホームには、小さいVSEくんがお休みしていました。 これもリストラされてしまうのでしょうか…?



改札の外へ出ていくと、オリジナルのホワイトボードアートが飾られていました。

突然決まった、VSE定期運行最後のお正月。これまで以上にロマンスカーの主役として、全面に押し出されます。

 

続きまして折り返し、小田原方面へ戻りましょう。

 

今度はホームウェイ3号として運行されます。新宿から各方面へお帰りの方を運び、特に平日には帰宅のお客さんが乗られます。

 

乗車するのは、サルーン席。

4人のコンパートメント座席でして、半個室のような空間です。

 

チケットにはサルーンと書かれています。

サルーン特急料金は1区画4人分の特急料金。4人で乗れば、普通の特急座席を利用しているのと同じことになります。

 

出入り口からはロビーのようなスペースになっています。

 

ここには2007年に廃止された、喫煙室の跡が残されていました。

 

テーブルは出入りしやすいよう、折りたたみ式。

 

これを開いて使います。

 

棚もちゃんと作られていて、多少の荷物は置いておけます。

でも、実用的というよりインテリアの側面が強いように感じました。

 

座席と通路は、ちょっとだけ模様のついたアクリル板で仕切られています。

これによってプライベート空間もある程度作られるのです。

 

新宿駅改札内にあるカフェで、カットラスクを買ってきました。

ロマンスカーで車内販売されていた「カットラスク(エクレアラスク シュガーバター)」、まだ食べることはできます。



最後に、後面展望席へ向かいます。

この座席は1,10号車それぞれの車両端に4×4席配置されています。

VSEに限らず、ロマンスカーと言ったらこの展望席でしょう。

 

VSEはブルーリボン賞を獲得している車両です。

ロマンスカーは基本的にこれを受賞しているので、もはや当然という強さを誇ります。

 

最前列のテーブルは引き出して、ロックする形式です。よくある折りたたみ式ではないんですね。

 

展望席で座席を回転する人はほぼいないと思いますが、回転できないのは最後部のここだけです。



夜でも後面の景色は十分に楽しめます。

複々線で列車を追い抜いて行くのも非常に楽しいです。

地元の名鉄では、このような体験がほとんど出来ないので新鮮でした。

 

オシャレで暖かな照明の似合う駅を通過していきます。

 

夜景だけでなくトンネルでも、車内が反射しないのが非常に良かったです。

 

昼間の青空も良いのでしょうが、これはこれで面白いです。

 

お客さんはほとんど居なくなってしまい、ガラガラのVSE。今じゃこんな光景、絶対ありえないですよね。

 

東海道新幹線の高架下をくぐり、JRと並走。

 

小田原駅に到着しました。



今回乗ったのは2回目なのですが、初めて乗ったときの感動から全く薄れていませんでした。

車内デザインやその過ごし方など、充実した移動ができて、これは本当に良い列車です。

 

定期列車から居なくなってしまうのは非常に残念ですが、またその姿を見られたらと思います。

 

今回もご覧いただき、ありがとうございました。

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