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【最北端の最終列車】北東パスで行く宗谷本線夜汽車の旅(稚内駅→旭川駅)[天北宗谷岬線(2)]

2022年10月9日

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ここ旭川駅に止まっている普通列車は、稚内駅まで宗谷本線を走破します。   (地理院地図を改変) 宗谷本線といえば日本最北の鉄道路線。しかし、もともと宗谷本線は音威子府からオホーツク海側を迂回 ...

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こちらは日本最北端の駅、稚内駅です。

 

現在停車中の列車は、特急宗谷札幌行き。

稚内駅を17:44に出発しまして、札幌駅には22:37に到着します。

 

今日中に札幌に着く最後の手段、この出発を見送りました。

 

特急宗谷が出発すると、みどりの窓口も締め切り。稚内駅は無人駅になります。

 

今回ご紹介するのは、稚内から旭川に行ける最終列車。

南稚内駅から送り込まれてきたキハ54系気動車に乗車しまして、普通列車で行く旭川までの旅です。



全て転換クロスシートとなっていて、長時間の乗車でも快適。

青春18きっぷ期間中ということもあって、旅行のお客さんでほとんどの区画が埋まる感じでした。

 

稚内駅を出発しまして、行き止まりになった最北の線路から出発します。

 

稚内市の中心街にも近い、南稚内駅まで利用される方もちらほら。

 

稚内市こまどりスキー場を過ぎると、山の中へと入っていきます。

 

更に、日本海を見下ろすことができる区間も。

遠くにはぼんやりしていますが、利尻富士のシルエットが現れます。夕焼けと共に見られるこの時季は、特に素晴らしいです!

 

冬には雪が吹き付ける北海道。線路に氷雪が付きにくいよう、ずっと防雪林が並び続けます。そのため利尻富士をずっと見続けるのは難しいです。



南稚内駅の次の駅は、12kmも先の抜海駅です。

夕日に照らされる情緒あふれる木造駅舎、一時期2023年春の廃止が報道されていましたが、もう1年間維持されることが決まっています。

 

そういった廃止報道もあって、かなり多くの旅行者が下車。

抜海の集落には「利尻の見える小さなお宿 ばっかす」さんがありまして、抜海駅から送迎もしてくれるのです。ぜひここも訪れて、紹介したいですね。

 

沿線の牧場には牧草ロールがあって、北海道というイメージを体現してくれています。



宗谷本線には、車掌車を転用した待合室が多く見られます。

勇知駅からは、お父さん1人とお子さん2人の親子が乗ってこられました。

1区間だけの乗車ですが、僅かであっても地元で利用されているのは嬉しく感じますね。

 

海から離れて防雪林地帯を抜けると、利尻富士を見ることができます。

結構長い間眺めることができまして、より近い稚内周辺よりも良い場所です。

 

オレンジの太陽によって、二本のレールが引かれています。

 

特急が停車する豊富駅。日本最北の温泉郷とされる豊富温泉があって、石油成分を含んだ独特の温泉はかなり有名です。

 

名寄発稚内行きの普通列車と行き違い。この便は稚内駅に行く、最終の普通列車です。

 

利尻富士は、ここからでも僅かに見えているんですが、分かりますか?真ん中よりちょっと左側、雲と同じような紫色をしています。



列車は宗谷本線内で、有数の秘境駅地帯を走ります。

下沼駅は秘境駅を観光材料にした象徴的な駅。

2017年にお化粧直しをされて、駅にすみつく妖怪「ぬまひきょん」が描かれています。

 

現在では簡素な駅舎が多くなっている宗谷本線。その中で国鉄型木造駅舎が残っているのが雄信内駅です。

交換設備を有しており冬には除雪員さんもいらっしゃるこの駅、これだけの大きな駅舎が現在でも活用されています。

 

宗谷本線で唯一のトンネル、下平トンネルを抜けた先では、天塩川沿いの問平陸橋を走っていきます。大分暗くなってきましたが、まだ穏やかな川に映る黒い木の影など、様子を見ることが出来ました。

 

宗谷本線で一番有名と思われる秘境駅が、糠南駅です。

ヨド物置を転用した小さな待合所、1両分も無い板張りのホームも多くの鉄道ファンを引き付けています。

 

幌延町を抜けまして、天塩中川駅に到着。映画のセットにもなりそうな、温かな雰囲気ある駅舎です。



稚内駅にはセイコーマートが入居しているので、夜ご飯を買ってきていました。

景色は見えなくても、ディーゼル音を聞きながら行く夜汽車の旅。そこにお酒とおつまみが加われば最高です。

 

宗谷本線の中間地点に当たる、音威子府駅にてしばらく停車。

音威子府村は人口670人(2022年9月末現在)という小さな村ですが、特急も停まる重要な駅です。

 

向かいからは、名寄からの音威子府行き普通列車が到着しました。音威子府へ来る最終列車です。

 

この辺りは完全に真っ暗。街も無く頼りになるのは、鉄道の灯だけです。

 

美深駅にて稚内行き最終列車の、特急宗谷と行き違います。

 

21:49、稚内駅から3時間半以上かけて、列車は終点の名寄駅に到着しました。



名寄市は稚内市以来の、市になります。これより北の市は稚内市だけです。

市立大学もある大きな街ですが、さすがにこの時間では非常に静かです。

 

旭川からの快速なよろ7号が到着。折り返し旭川行き普通列車が、名寄駅からの最終列車です。

 

使用されているのはH100形気動車。

ディーゼルエンジンで発電機を回し、その電気で走らせる電気式気動車です。そのため山道や加速時でなければ、電車と同じように静かな走行になります。

 

2022年春に移転開業した、名寄高校駅。この時間では当然いらっしゃいませんが、生徒さんも沢山利用されているのでしょうか?



士別駅にて普通名寄行きと行き違い。

名寄行きの最終列車は旭川駅22:32発、あと1本残すのみです。それでも名寄駅に23:54着ですから、結構遅くまで走っていますね。

 

比布駅には作業員さんがいらっしゃって、保線作業等されているのでしょうか。

鉄道はこういった保線作業も必要でコストがかかるもの。だからこそ一本の列車に多くの人が乗ってくれないと、成り立たないのです。

 

永山~旭川駅は1時間に1本はあって、それなりに利用者さんも多い区間です。

 

旭川運転所にはお仕事を終えた特急列車が停車中。

 

新旭川駅からは網走方面へ、石北本線が分岐しています。

 

旭川市街地の高架区間を走り、その中にあるのが旭川四条駅。錆び付いた柵やホーム上屋など、時の止まったような雰囲気が漂います。



23:40、終点の旭川駅に到着です。

駅には特急カムイの車両が停車中。

旭川から札幌へ向かう最終の特急ライラック48号は、22:00に出発済み。今日は旭川でその足が途切れます。

 

稚内駅からは5時間37分かかりましたが、18時に出ても普通列車で旭川まで来られるのは、結構嬉しいこと。

北海道の広さとJRの現状を理解している方なら、この小さな感動を分かっていただけるのではないかと思います。

 

今回もご覧いただき、ありがとうございました。

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