こちらは早朝の松本駅。今日は新宿駅からの夜行列車が来る日です。
その列車とは、特急アルプス。
首都圏から松本・白馬を結ぶ夜行列車として、急行アルプス・快速ムーンライト信州が復活したと、話題になっている列車です。
この特急アルプス運行日に合わせて、松本駅から分岐するアルピコ交通上高地線でも臨時快速を設定。
特急アルプスから上高地方面へのアクセス手段を確保してくれています。
かつて快速ムーンライト信州の運行日にも、松本駅から同様の臨時快速が設定されていました。
夜行列車と共に復活した、上高地方面への臨時快速。その様子を実際に見てみます。
アルピコ交通上高地線は、JR松本駅の一角から発着します。
交通系ICカードは使用できないため、事前にきっぷの購入が必要です。
時刻表を見てみますと、通常なら新島々行きの始発列車は6:31発。
今回の臨時快速はそれより1時間以上早く出発です。
改札内に入りまして、上高地線が発着する7番のりばへ。
まだ特急アルプスは到着していない段階ですが、既にホームは人でいっぱいでした。
単純に早朝から上高地へ行こうという需要自体、かなり大きなものであることが分かります。
5:03、新島々駅からの松本行き臨時快速が到着しました。
おそらく、松本駅から臨時快速を運行するための送り込み。こちらもノンストップで新島々駅4:40発なので、鉄道ファンっぽい方3人程度しか乗っていません。
頭についている行先表示が「快速 新島々」に変わります。
そして同時刻の5:03、特急アルプスが到着しました。
ここでは7分ほど停車時間があるので、多くの方が外に出て写真撮影をなさっています。
普段は松本駅に来ない、特急踊り子号で使用されるE257系2000番台。
特急あずさ号のE353系と並ぶのも、非常に珍しいです。
特急アルプスからも、20人くらいはアルピコ交通へ乗り換えて来られました。
「ワンマン快速 上高地線」と「快速 新島々」が交互に表示されます。
また、快速のヘッドマークもついていました。
上高地の山に、アルピコ交通のイメージカラーが描かれています。
側面の行き先表示器についても、しっかり対応していました。
車内には液晶ディスプレイが設置されているのですが、こちらでも停車駅に注意するよう案内。
発車前の自動放送も、快速対応で流れました。
5:10 松本駅 発
特急アルプスと同時刻の発車、お互いに反対方面へ出発していきます。
JR東日本の車庫を間に挟んで、上高地線は西へ。
早速お隣の駅、西松本駅を通過しました。
線路横にホームが付けられた、シンプルな構造です。
一方で最初の交換可能駅である信濃荒井駅は、一旦停止。
基本的に各駅停車しか走らない路線なので、おそらく信号の関係で止まらないといけないのかなと思います。
背後には、北アルプスの山々が壁のようになっています。
北信・松本大学前駅を通過、2002年に開校してからこの駅名となりました。
再び交換可能駅になっている、新村駅で運転停車。
やはり信号上や踏切安全のためなのか、一旦停止しています。
この駅にはアルピコ交通の新村車両所が隣接します。特に行き違いは行わず発車。
三溝駅を通過。平成の大合併前は、この駅周辺が旧松本市と旧波田町の境界でした。
上高地線は国道158号と並行し、車と一緒になって走ります。
雲の隙間からは朝日が顔を覗かせていました。
最後の交換可能駅となる、波田駅でも運転停車。
ここで、まもなく新島々駅の自動放送が流れました。
また、運転士さんによって乗り換えの案内も行われます。
目で見て分かる急勾配を越え、いよいよ終着駅へ。
松本駅から所要時間は24分ほど、終点の新島々駅に到着です。
5:34 新島々駅 着
途中駅を全て飛ばして、そのまま大きな荷物を持った方々をここまで連れてきました。
この列車は折り返し、普通松本行きになる様子です。
改札周辺には精算機が設置されており、多くの方が並んでいらっしゃいました。
この新島々駅は新島々バスターミナルと一体化しており、上高地方面へのバスが発着します。
バスターミナルはこの行列、上高地への観光客が大勢いらっしゃいます。
しばらくすると新島々バスターミナル5:50発→上高地6:55着の臨時バスが到着。臨時快速から接続しており、2台体制での運行となっていました。
乗っていた列車ですが、やはり折返し松本行き普通列車に。
定期列車の5:44発松本行きです。
臨時快速目的で乗られたであろう、鉄道ファンの方数人を乗せて発車していきました。
上高地行きのバスも、5:50に出発。かなりの行列でしたが、時間までに全員乗り切ることができていました。
途中バス停から乗ることはできませんが、中の湯・大正池・帝国ホテル前で途中下車可能。上高地には6:55着です。
続いて、こちらは6:05発の乗鞍高原方面のバスです。
松本バスターミナル5:30発のナショナルパークライナーから乗り換える形で、乗鞍高原へアクセス可能です。
ナショナルパークライナーは、松本バスターミナルから上高地を直接結ぶバス。予約が必要ですが、鉄道からの乗り換えをせずに上高地へ行けます。
夜行列車とともに復活した、アルピコ交通の臨時列車と臨時バス。しっかり上高地への足を確保してくださっているのが、非常に便利で良かったです。
特急アルプスの設定理由にもなっている、長野県の観光振興にぜひ繋がればと思います。
今回もご覧いただき、ありがとうございました。
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