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現在JRでは定期急行列車が走っておらず、優等列車は全て特別急行(特急)列車へ集約されています。
最後の定期急行列車は、2016年3月21日に運行終了した急行はまなす。青森〜札幌を結ぶ夜行急行でした。
一方、昼行において最後まで残った急行は、岡山〜津山を走った急行つやまです。
かつて岡山から鳥取の鉄道輸送は、津山線(岡山〜津山)と因美線(津山〜鳥取)を経由する急行砂丘が担っていました。
しかし、智頭急行線の開通によりルートが変更され、同区間では特急スーパーいなば号が活躍中です。特急ルートから外れた津山でしたが、優等列車の存続を要望。岡山〜津山の1往復だけ残ったのが急行つやま号でした。
1997年当初は急行砂丘と同様、キハ58系を使用していました。この急行にはグリーン車も併結されています。
ところが、2003年に使用車両が快速ことぶきと同じキハ40系へ変更。所要時間も1時間01分で、快速ことぶきより3〜10分しか早くならないため、急行料金が必要なのにも関わらず大差ないとして批判を浴びました。
急行つやまは2009年3月14日に廃止されました。
岡山県第三の都市である津山は優等列車を残したかったのでしょうが、その頃には急行列車自体の価値も低くなっていたと思われます。
また、岡山〜津山の出張時、急行つやまの急行料金を買って経費に含めるという、グレーな使い方もされていたようです。
急行つやま号は岡山駅を9:27に出発していました。近いダイヤで置き換えられた快速ことぶきに乗ってみることにします。
現在でもキハ40・47系気動車が主力車両として活躍中。急行砂丘がいなくなった後、津山線ではどのような変化があったのでしょうか。
9:47 岡山駅 発
吉備線と津山線が発着する9,10番線ホーム、同じ国鉄型気動車を横目に出発です。
これから特急やくも7号になる列車が、ちょうど引き込み線へ回送されるところでした。
最初の停車駅、法界院駅は急行つやまが停まらない駅でした。急行つやまと快速ことぶき(速達型)の違いはここだけだったのです。
岡山大学の最寄り駅で利用者が多いことから、岡山からひと区間だけはICOCAエリアとなっています。
山の上に突如現れる建物群は、岡山理科大学。いかにも研究所感があります。
列車は70km/hを超えるぐらい、ガーガーと音を立てながら走り続けます。
玉柏駅では反対方向の列車と行き違い。この駅は一線スルー化されており、快速ことぶきは右側通行で駆け抜けていきました。
津山線は1995年に高速化工事を行っていて、国鉄末期に棒線化された玉柏駅・野々口駅・建部駅は、1線スルー化されて交換可能駅として復帰しています。
津山線は蛇行する旭川沿いを通りますが、4kmに渡って軌道改良や補強が行われています。最高速度も85km/hから95km/hへ引き上げられました。
野々口駅にはキハ120も来ていて、キハ47よりもローカル感を感じさせられる状況に。キハ120は高性能車両として、高速化事業の一環で津山線に投入されています。
旧・御津町の中心駅である、金川駅に到着。
急行つやまは当時の自治体中心駅ひとつずつに停まっており、それぞれ利用も多いことから最大限停車駅を絞っていました。快速と差別化できなかったのは、仕方ないように思います。
表面がゴツゴツとした、明らかに古さを感じるトンネルを抜けていきます。
温泉旅館も立つ旭川沿いを鉄橋で渡ると、その大きな振動が車内にまで伝わってきました。
川を渡った先が、旧・建部町の中心に位置する福渡駅です。
ここでは反対方面との行き違いも行われました。
この先、岡山駅から続いていた岡山市北区をようやく脱出します。
久米南町の中心駅となっているのが弓削駅。昔ながらの木造駅舎が大切に残されています。
既存の行違い可能駅だった牧山駅・弓削駅・亀甲駅でも1線スルー化、信号改良が行われました。
これにより行き違いにかかる時間が短縮され、速度を保ったまま駅を通過できます。
美咲町の中心駅となった亀甲駅。六角形の甲羅状をした駅舎には、目が時計になった亀さんがいます。
卵かけご飯を広めた町で、特に『食堂かめっち。』さんには全国からその味を求める人が集まります。
津山市に入りまして、段々と市街地へ入っていく様子が分かります。
津山盆地が広がってきて、岡山県第三の街に近づいていきます。
左手からは新見駅より伸びる、姫新線が並走してきました。
津山駅入線直前、右手には旧・津山扇形機関庫が見られます。現存二番目の規模を誇り、津山まなびの鉄道館としてレトロな車両が展示中です。
10:59 津山駅 着
4方向からの列車が合流し、かつては陰陽連絡急行の拠点だった津山駅。智頭急行線の開通で特急が走り便利になりましたが、ここからは優等列車がいなくなり大分寂しくなってしまいました。
急行砂丘が来ていた痕跡として、津山駅1番線ホームには「グリーン車乗車口」と書かれていたのですが、ホーム改良工事とともに削られてしまっています。
津山駅ではバリアフリー化工事が行われており、かつて使用された跨線橋にもエレベーターが設置されました。
津山駅に刻まれていた歴史も、段々と薄れているのは少し残念ですが、お客さんの利便性のためには仕方のないことです。
陰陽連絡鉄道からは外れましたが、岡山〜津山を結ぶ鉄道として高速化を行い、今後も長きに渡って活躍するはず。津山線の歴史はもっと色濃いものになりそうです。
今回もご覧いただき、ありがとうございました。
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