仙台から東京方面の東北新幹線に乗車中。
いくつかトンネルを抜けたのち、県境に面した白石市に出てきました。
今回ご紹介するのは仙台~福島にある新幹線単独駅、白石蔵王駅です。この駅間は79kmに及び、津軽海峡以外で最長駅間距離の京都~米原68.1kmを超えます。
近くで東北本線が交差して、徒歩20分程度のところに白石駅が位置しますが、路線開業の1982年に当時唯一の東北新幹線単独駅として開業しました。
駅構造は2面3線で、加えて真ん中に2本通過線が存在します。
一部やまびこ号でも白石蔵王駅を通過する便があり、多くの新幹線がこの通過線をトップスピードで滑走します。
3番線ホームについては定期旅客列車は入線せず、臨時ホーム扱いです。夜間停泊に使われているみたい。
足元の乗車位置案内も石が埋め込まれたタイプ、開業当時のものが残っています。
1,2番線ホームについては、よく見るシールタイプが貼ってありました。
柱の駅名標もちょっと横長、入線中でもどの駅か分かりやすくしています。
徒歩20分程度のところに東北本線の白石駅があり、仙台への通勤利用として新幹線が使われることはあまり考えられていませんでした。
遠方からの観光客に重きを置いており、バスを中心とした道路交通を充実させています。
仙台方面のホーム壁には丸く穴が開いていまして、ここから白石城を見ることができます。
ちょっと覗くのが大変ですが、中央のお城麓に市街地が広がっていて白石駅が位置します。
ホームを降りて中二階のコンコースには、こけしさんがいらっしゃいました。白石和紙を使った「蔵富人」というようです。
他に、移動に優れた白石城も。
観光地として宮城蔵王キツネ村が有名、白石蔵王駅では2019年から狐駅長が就任していたのですが、2022年3月に死去しています。
外国人観光客に人気で、2015年の入園者は10%がインバウンドだったそう。エキノコックス対策をした上で、ふわふわキツネと触れ合えます。
現在は有人改札にみどりの窓口がある白石蔵王駅。2022年12月にアシストマルスが設置されまして、2023年1月9日をもって窓口営業を終えるそうです。
北陸・上越新幹線でも進んでいましたが、遂に東北新幹線にもその波が襲います。
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乗車人数は891人/日(2019年度)とのことで想像より少ないですが、改札外にNewDaysがあって優遇されているように思いました。
残念ながら工事中でしたが、国鉄時代からのコンクリート造りの高架駅です。
こちらがメインの出口となっていて、駅前広場が整備されています。
東横インなどホテルチェーンはありませんが、ベネシアンホテル白石蔵王が立っていました。
駅前にはファミリーマートも出店してます。
乗り換えできる在来線がない代わりに、充実させた路線バス。
割と立派なバス乗り場が整備されていて、ここから路線バスや大型バスなどが発着します。
白石駅など白石市中心部に留まらず、宮城蔵王キツネ村や駅名にもある蔵王方面へ、長距離に及ぶバスも案内されていました。
高架下には観光案内を兼ねた、しろいし情報館が入っています。
博物館的な展示がされていて、白石市の伝統こけし「弥治郎系」を基にした1.8メートルのこけし灯篭が出迎えてくれます。
ストリートピアノも置かれていて、演奏される方も次々といらっしゃいました。
今度は反対の裏側へ回って来ました。
こちらは観光客が来る場所ではないようで、生活感があります。
規模は大きくないものの駐車場があり、単独駅では当然ながらパークアンドライドを見込んでいるようです。
東北新幹線開業当時から存在するため、駅にはレトロな雰囲気を感じられる場所が数多く存在します。
ホームを案内するフォントがスタイリッシュではなく極太です。
さらに、黒地看板に丸文字が並ぶ国鉄感あふれる看板。懐かしの日常風景みたいな映像作品に出てきそう。
県庁所在地に挟まれた単独駅ですが、多くの見どころがありました。観光の玄関口として整えられた駅ですから、ぜひ一度いらしてみてください。
今回もご覧いただき、ありがとうございました。
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