こちらは夜の京都駅、ビル一同が頭を揃えている中、ひとつ夜空に突き抜ける灯台が都を照らします。
本日京都駅から乗車するのは、「サンライズ号」です。
サンライズ号と言ったら、真っ先に寝台特急サンライズ号を思い浮かべてしまいますが、それは京都駅に停まりません。
2018年の山陰DCでは京都→出雲市の臨時寝台特急サンライズ出雲93号が走りましたが、それ以来寝台特急サンライズ号は京都駅を発着していません。
それでは京都駅から出るサンライズ号とは何なのか、その答えは東海道新幹線側の八条口にあります。
ここに停車中の夜行バス、これこそサンライズ号なのです。
行き先は九州の熊本、高松や出雲ではありません。
今日は夜行バスサンライズ号にて12時間の行程、京都〜熊本を移動します。
こちらは近鉄バスと九州産交バスの共同運行便です。
今回は近鉄バスの車両でした。当然寝台個室なんぞ無く、3列独立座席です。中央部にお手洗いが備わっています。
リクライニングも深く倒れ、レッグレストにより長時間の乗車も楽にしてくれます。
フットレストも降ろせて隙間も確保されていますが、個人的にはこれを降ろさず、座席下に足を伸ばしたほうが楽です。
寝台特急みたいにフルフラットじゃないですが、十分ノビノビ座席!
また、USB電源も備えられているので、スマホ等の充電も可能です。この点は寝台特急のノビノビ座席と比べてかなり大きなメリットになります。
カーテンによる仕切りで、プライバシーも確保されてます。前の方と協力しあって、パチンと留める方式です。
20:25 京都駅八条口 発
平日ということもあり、京都の時点で3人ほどの乗車。やはり大阪の各停留所からのお客さんが多いです。
この日(平日:木〜金)の料金は8000円。金〜日にかけては10000円ちょっととなります。
京都南ICより高速道路に入ります。関西から九州方面へ高速バス乗るとき、いつもこのルートですね。
天王寺駅周辺は眩しい都会、周りがキラキラ輝いています。
すぐ横には日本一高いビル、あべのハルカスも見えてきました。近鉄グループのバスに乗りながら、私鉄最長路線網を有する力を見せつけられます。
21:40 あべの橋(JR天王寺駅) 発
大阪最初の停留所がこちらです。あびこ筋の道路沿いに寄る形となっています。
22:00 近鉄なんば駅西口(OCATビル) 発
ミナミにおけるバスターミナル、大阪シティエアターミナルに入りました。JR・私鉄各社様々な路線が集まる難波ですが、比較的地味なJR難波駅が一番近いです。
いつもは建物内にいるため、この目線から大阪駅を見るのは結構新鮮。夜行バスに乗っている時の小さな楽しみになります。
寝台特急サンライズ号東京行きが、大阪駅を発車するのは0:34です。逆の岡山方面行きは通過してしまうので注意が必要。
-
新幹線より安くて快適!サンライズノビノビ座席の利用価値が高すぎた(1)
ここは人が全くいなくなってしまった夜の大阪駅。これから東京駅へ向かいます。 しかし既に日付は変わっており、当然もう新幹線は出ていません。 それどころか大阪駅か ...
続きを見る
22:20 大阪駅前(地下鉄 東梅田駅) 発
大阪駅1階にはJR高速バスターミナルがありますが、こちらは少し離れた東梅田駅前で乗降することになります。
大阪から1時間ほど走りまして、JR三ノ宮駅が見えてきました。
23:10 三宮バスターミナル(ミント神戸) 発
そこで隣接しているのが、三宮バスターミナルです。関西圏から出発するバス、最後の停留所となりました。
最終的に窓側は全て、一部は真ん中も埋まるぐらいの乗車率でした。
左手には神戸の夜景、九州行き夜行バスに乗る時は、いつも彼らに見送られています。
山陽自動車道を走行中、バスは最初の休憩まで消灯しません。0時を超えても明るいままで、ここまで暗くならないのは珍しいように思います。
0:37 福石PAで休憩
岡山県最初のパーキングエリア、福石PAにて休憩です。サンライズ号では唯一の途中休憩で、乗客は1回しか外に出られません。
本来なら買い物したいところですが、売店は閉まっており、自動販売機は飲み物だけでカロリーメイト等もありません。朝ごはんや軽食を買っておきたいなら、乗車前の用意が必須です。
0:50福石PAを出発し、0:57に完全消灯となりました。
途中停車するのは、乗務員さんの休憩によるものです。
5:24、既に本州から九州に渡っていまして、吉志PA(北九州市)で運転士さんが休憩中でした。
7:33 植木IC 着
最初は九州縦貫自動車道と国道3号が重なる植木ICに停車します。熊本市の北端に位置しており、直線距離だけで言えば新玉名駅の方が近いです。
7:44 武蔵ヶ丘 着
豊肥本線の武蔵塚駅近くで、菊陽町のすぐ西側。ニュータウンである光の森方面からはサンもライズしてきました。
7:48 松の本 着
熊本インターを降りた直後にあるのが、このバス停です。九州を中心に展開するビジネスホテル、AZホテルが目の前。
熊本市電も走るような、県庁所在地・熊本の中心部へ入りました。
7:58 熊本県庁前 着
水前寺と呼ばれる行政の中心地であり、熊本駅から3km以上離れています。
チラッと熊本城の石垣が見えると、その先が熊本市役所です。緑で埋め尽くされた熊本市電の軌道も伸びていました。
8:12 熊本桜町バスターミナル 着
熊本の中心市街地にあたり、バスターミナルは熊本地震を乗り越え2019年にオープンした、複合商業施設SAKURA MACHI Kumamoto内にあります。九州産交HDによる開発が行われているので、バスターミナルと一体化した施設という訳です。
こうして見ると熊本駅周辺はかなり中心部から離れており、このバスが熊本駅だけでなく本当の中心市街地にも停まってくれるありがたみを感じます。
熊本市は城下町で栄えた都市で、都市間輸送を目的とする鹿児島本線が来た時には、中心市街地に線路を敷設できませんでした。主要駅と中心部は熊本市電が結んでおり、鉄道に関連した都市形成過程のモデルケースとも言えます。
8:27 熊本駅前 着
京都駅から12時間半ほど、JR熊本駅前に到着しました。
関西から九州だと、夜行列車で寝てたら着く丁度良い距離感。本当なら走っていてほしいものですが、今ある交通手段では十分便利に思います。
ちょっと長くて辛いかもしれませんが、安く移動するにはもってこいです。
暖かいバスの中に居座っていたのに、突然気温4℃の街に放り出されたので、背中から肺を締め付けられるような寒さ…。すぐドーナツさんに駆け込みました。
今回もご覧いただき、ありがとうございました。
-
【寝台特急タダ乗り!?】サンライズ瀬戸A寝台シングルDX 無賃送還で高松にUターン
今夜は高松駅から寝台特急サンライズ瀬戸で、東京へ向かいます。 サンライズ瀬戸号は20:55頃に高松駅へ入線してくれるので、結構車内に早くからいられるのが良いですね。 今回は ...
続きを見る
-
【建設決定へ】熊本空港アクセス鉄道 肥後大津駅ルートの現在[2212南阿蘇(2)]
福岡市、北九州市に次いだ九州の政令指定都市、熊本市に来ています。 2015年から進められた高架化、メインの駅舎は熊本城の武者返しをイメージしたデザインに整えられています。 JR熊本駅は熊本市の中心部か ...
続きを見る