JR北海道 北海道

【1往復だけ】函館に転属したキハ150形 道南いさりび鉄道のキハ40置き換え?

函館地区では、国鉄時代からのキハ40が普通列車で活躍しています。

数年前まで北海道の至るところで見られた国鉄気動車。しかし、JR北海道は2025年春のダイヤ改正で、キハ40の定期運行を終了すると発表しています。

 

2020年春からH100形気動車を次々投入しており、今回のダイヤ改正でも石北本線や釧網本線で運行開始しました。

 

そんな中、函館地区で新たに仲間入りしたのは、キハ150形気動車。旭川運転所・苗穂運転所にいた編成が、函館運転所へ転属しました。

 

キハ150形気動車が運用に就くのは函館駅〜森駅。2024年4月14日現在で1往復のみとなっています。

・5885D 函館18:55−森21:08

・5882D 森06:05-函館07:47



函館駅5:49発の普通列車で、大沼駅へ来ました。

ちなみにこの便は新函館北斗駅を経由しない、藤代線を走る珍しい列車です。

 

キハ40は国鉄時代から全国で走りましたが、北海道の車両は寒冷地仕様。

乗降扉と客室の間に扉が設けられているのが特徴です。扇風機や冷房が設置されておらず、窓を開けて風を取り入れます。

 

大沼駅では、函館駅6:02発の特急北斗1号が追い抜いていきます。それと同時に、反対方向の普通列車とも行き違いました。

 

函館本線は大沼駅から4方向へ分岐しており、のりかえ案内がここに示されていました。

 

函館本線の線路は8の字を描いています。

特急北斗含め基本的に赤いルートですが、普通列車に関しては他のルートを通る場合も。これに関しては別の記事でご紹介しているので、そちらをご覧ください。

 

函館駅から大沼駅まで乗ってきた汽車は14分停車、鹿部経由の砂原線へ入っていきました。

 

しばらくすると、森駅6:03発大沼行きの普通列車が到着しました。

おそらく折り返し、大沼駅7:37発の森行き普通列車になるものと思われます。



7:04、お目当てのキハ150形が入線です。

森駅から鹿部駅を経由する砂原支線を通ってきました。

北海道の真ん中で見慣れた車両。これが函館地区にいるとは、かなり新鮮味があります。

1番線ホームには列車到着時の放送が無いため、入線を撮りたい方はお気をつけて。

 

しばらくキハ40が停まってくれるので、キハ150と並ぶ様子を見られました。

 

キハ40と富良野色のキハ150が並ぶ姿は違和感しか無く、背景に駒ヶ岳の姿があって頭をバグらせます。

 

今回乗車したのは旭川運転所から転属した、キハ150-1とキハ150-7でした。富良野線で走っていたため、塗装はラベンダー色です。

 

苗穂運転所のキハ150形は萌黄色だったのですが、函館運転所転属時に塗装を変更。ラベンダー色で統一されました。

 

旭川運転所から来た車両も外観は変わっていませんが、所属が函館になったので、「旭アサ」から「函ハコ」へ書き換えられています。



7:06 森駅 発

1+2配列のボックスシート。座席の弾力的には、キハ40より少々薄めとなっています。

 

運転台後ろの上部には、ディスプレイ式の運賃表。

キハ40だとナンバー式のはずなので、函館地区の駅名がディスプレイに表示されるのはかなり新鮮です。

 

大きな窓より大沼と駒ヶ岳を眺めます。大沼駅から分岐する、新函館北斗駅を通らない藤代線が分かれました。

 

2両編成での運行となっており、車両間の行き来も自由にできます。



ワンマン列車なので、比較的空いている2両目へ移動。

この日は土休日だったので少なめでしたが、平日なら函館へ通学する生徒さんが多いと思われ、そのための2両編成なのでしょう。

 

キハ40と比較して嬉しいのが、前面・後面展望が非常に見やすくなったこと。

 

運転室が片方に寄っているので、特にワンマン運転の後面展望なら、存分に景色を堪能できます。

 

詳しいことは分かりませんが、特に運転台は変わっていないかと思われます。

 

キハ150の列車名に関しては、運転室内上部分に貼ってありました。



それでは車内の様子を見てみます。

乗降扉と客室との間にデッキは無く、ここがキハ40と大きく異なる点です。

 

富良野と比べて函館は海が近く風が強いので、冬季に風が吹き込んでこないかだけ、少々気になるところ。

H100形と同じような、ゴミ箱が設置されています。

 

基本的にボックスシートですが、車端部にはロングシート。

優先座席のモケット色は薄青色だったと思うのですが、オレンジ色で分かりやすくなっていました。

 

その向かいには車椅子スペースと、一席だけ座席が置いてあります。

 

キハ150形気動車は1993年製で、車内空調も備わっています。

デッキと客室の間に仕切り扉が無いのは、空調で車内温度を保持できると判断されたためでしょう。

 

窓を開けることもできなくなっており、二重窓でもありません。

大きな窓で景色は十分見やすいかと思います。

 

日除けはブラインドではなく、カーテンになっていました。

 

札幌寄り車端部にはお手洗いが備わっています。

 

特にリニューアルされておらず、和式のままでした。

 

まもなく七飯駅というところで、藤城線が合流してきます。

いつか藤城線経由の普通列車にもキハ150形が就いたら、展望の景色をしっかり目に焼き付けたいです。

北海道新幹線の乗換駅、新函館北斗駅に到着。

 

新幹線札幌延伸に伴い、新函館北斗〜函館は第三セクター鉄道で旅客鉄道が存続予定。

その時もキハ150形はここを走っているのでしょうか?

 

新幹線乗換改札のガラス面には、ラベンダーラインのキハ150が映っています。

 

ちょうど1番線ホームには、はこだてライナーが停まっていました。

 

程なくして函館新幹線総合車両所の横を通過、H5系新幹線が検査しているところです。

 

さらにキハ40形とすれ違い。この2列車が共存するのは1年、もしかしたらそれより短いかもしれません。



JR貨物の五稜郭機関区には、DF200形ディーゼル機関車がたくさん。

富良野駅にもDF200形による貨物列車は来ていましたが、ここまで大規模な機関区を通過することはありません。

また、反対方向なら青函トンネルを通過するEH800形機関車も見られます。

 

道南いさりび鉄道線と分岐する、五稜郭駅に到着。

 

有人駅のため全ての扉が開くのですが、扉付近のボタンが撤去されて、半自動ドア扱いにできなくなっていました。

ほとんど運転席近くの扉のみ開く無人駅のため、機構を無くしても良いと判断したのでしょうか。

 

おそらくラベンダー色のキハ150形と同じところは走っていなかった、261系気動車とすれ違い。



まもなく函館駅というところで、函館運輸所近くを通過します。

道南いさりび鉄道の急行色キハ40と、JR北海道のキハ150形2両が連結しているという状態。

車庫内とはいえ、異形式かつ異社間の連結が行われている、なんとも珍しい光景です。

 

道南いさりび鉄道のキハ40も古くなっている訳でして、これも近い将来置き換えなければなりません

今回函館へ転属させたのは、道南いさりび鉄道へキハ150形の譲渡を見越してとの予想もされています。

 

自動放送は、おそらくH100形と同じ放送になります。

 

かつて寝台特急が停まっていた長くカーブしたプラットホーム、終点の函館駅に到着です。

 

運賃表には、長万部駅からのものが記載されていました。

今のところキハ150形は森駅〜長万部駅で走っていませんが、そのうちこの区間を走るかもしれません。



7:47 函館駅 着

横から見ると真四角の窓が並んでおり、角が丸くないのもちょっとした時代を感じさせるデザインです。

 

行き先方向幕には「函館ー森」など入っているらしいですが、特にその様子は見られませんでした。

 

サボの差込口は残っていましたが、入ってません。

 

近くで見ると塗装は結構綺麗で、デザインは同じでも塗り直されたのでしょうか。

先頭部の断面だけ、キハ183系のスラントノーズを思い出します。

 

函館駅到着後は3分も経たない内に、函館運輸所へ回送されていきました。

 

今のところ1往復のみ運用のキハ150形ですが、函館でも当たり前の光景になるのでしょう。

こちらの真新しさと共に、キハ40の乗り納めもお忘れなく。

 

今回もご覧いただき、ありがとうございました。

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