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183系気動車での運行が続けられていた、札幌・旭川〜網走を結ぶ特急オホーツク・大雪。
この車両は2023年春のダイヤ改正で引退を迎えました。国鉄復刻塗装を行ったり、前面展望を楽しめた自由席2席を指定席「かぶりつきシート」に変更したりと、非常に華々しい最期だったと思います。
後継として選ばれたのは、2022年春のダイヤ改正で石勝線特急から引退した283系気動車。
かつては特急スーパーおおぞらとして130km/h運転を行い、札幌〜釧路を3時間40分で結びました。
3両編成に組み替えられ、石北本線に相応しい塗装を施して再出発。今日は283系による運行初日の特急オホーツクに乗車します。
やってきたのは北の大ターミナル、札幌駅です。
ここから1日2往復、網走とを結ぶ特急オホーツクが発着します。
指定席は1,2号車、自由席は3号車の3両編成です。
以前は4両編成でハイデッカーグリーン車がついていたのですが、1両減った上にグリーン車が廃止されました。
283系による特急オホーツク4号が入線。
運転席部分が出っ張った特徴的な顔、短編成になるとそれが目立つ印象です。
遂にこの車両が古巣に戻る時が来た、派手に送別会をしたのに戻ってきちゃいました的なノリ。
一番最初に気になるのは、LEDによるヘッドマークです。183系の標準ではOKマークでしたが、流氷の浮かぶデザインでオホーツクらしさが推されています。
日本で唯一ロシア語の列車名「オホーツク」。英語表記だとなかなか読みづらくなります。
ちなみに旭川発着の特急大雪では、大雪山のデザインでした。
車両側面には、沿線の観光名所にちなんだイラストが描かれています。
こちらは終着駅、網走の能取岬と流氷。
反対側は女満別空港がある大空町の芝桜でした。
この283系で「おおぞら」は共通点があって、なんとも嬉しい(笑)
こちらは後日撮影した、美幌町の美幌峠です。
このイラストは全8種類あって、他には旭川の旭橋、上川町の大雪山国立公園、遠軽町の瞰望岩、北見市のカーリングです。最後の一つとして、7種のデザインを合わせた特別デザインもあります。
行き先LEDは乗降口に表示されています。
これまで見られなかった表示が出ているのは、まだ見慣れません。
5時間以上のロングランで、グリーン車が無いのはどうしても残念。それでも利用する方は少ないのでしょうが…。
ここの号車札も、2号車が指定席に変更されていました。
今回は1号車の指定席を利用します。運行初日で土曜だったので、自由席はほぼ満席、指定席は8割位の区画が埋まっていたでしょうか。
JR北海道の指定席でよく見る、紫色の肉厚座席。しっかり枕がついて、長時間の乗車でも疲れにくいです。
パソコン作業にも向いた広々テーブル。しかし、そのために重要なアレがありません。
それは、コンセントです。特急どころか高速バスでも当たり前になってきた電源ですが、残念ながらついていません。
183系時代は一部の普通席とグリーン席にあったのですが、コンセントのためにグリーン車というのもできなくなりました。この点はかなり残念ですね…。
ちなみにこちらが自由席の座席。指定席に比べたらグレードは落ちますが、特急としては十分です。
特急おおぞら時代の自由席は「たんちょうシート」と呼ばれる座席だったのですが、こちらは取り替えられたようです。
17:30 札幌駅 発
汽笛を鳴らしまして多くの撮影者に注目を浴びながら、札幌駅を出発です。
苗穂を通過する時には、283系が停まっていました。
少し前までいたいた!と思っていた車両ですが、これが日常になるんですね。
車内LEDでも特急オホーツクの案内が流されます。
札幌〜白石は道内唯一の複々線区間。この列車では同時発車がありませんが、タイミングによっては並走バトルも見られます。
札幌貨物ターミナル横を通過。本州から青函トンネルを抜けてやってきた貨物は、ここへ集まってきます。
JR貨物にとって札幌〜本州の貨物列車は生命線です。
千歳線の平和駅横を通過すると、千歳線は高架に上がって離れていきました。
特急おおぞら時代はあちらを走っていたのが、今日からは千歳線を見届ける側に。そのまま函館本線を走ります。
函館本線が高架になるのは、札幌のベッドタウンとして発展を続ける江別市内。2011年に高架化された野幌駅を通過します。
しばらくすると、車内の電光掲示板には283系ならではの表示。
「岩見沢駅まで、あと20km」と流れてきました。
札幌都市圏の東端、岩見沢駅に到着。
札幌〜苫小牧や札幌〜岩見沢など、日常的に特急を利用される方もそれなりにいらっしゃいます。
だいぶ日の入りが遅くなったとはいえ、時刻は18時。国内東の端へ向かう特急の車窓は、日が落ちてきました。
次の停車駅は美唄駅。美しい唄という素敵な地名です。
石川啄木の『一握の砂』に『石狩の 美國といへる 停車場の 柵に乾してありし 赤き布片かな』とあり、美唄駅にはそれが展示されていました。
列車は120km/hに迫る速度で、函館本線を走り抜けます。札幌〜旭川については変わっていないのですが、この便で言えば網走到着が22:56で4分短縮しました。
砂川駅に到着したところ。このあたり函館本線に並行する国道12号には、29.2kmに及ぶ日本一長い直線道路の区間があり、函館本線も一番速度を出せる区間ということに。
停車のためにスピードを落としてはもったいないため、特急オホーツク2号はここ砂川駅と美唄駅を通過します。
滝川駅に到着しました。
お隣のホームにはキハ40が停車中。国鉄時代からの「いい日旅立ち」の看板も、年季が入っていて素敵です。
後ろより車両にはキハ40「山紫水明」シリーズ、「山明号」が繋がっていました。
滝川駅を出ると、特急ライラックとすれ違います。
続いて深川駅に到着。
お隣ホーム発着の留萌本線は、すでに運行を終えている時刻。ここでは多くの利用者さんがいらっしゃいました。
「旭川駅まで、あと20km」と案内されつつ、神居トンネルを含むトンネル群へ。
トンネル内の灯りで照らされる様子は、まさに石勝線時代を連想させます。
その先には北の都が広がっており、まもなく旭川駅です。
旭川駅お隣ホームにはDECMOが停まっています。
根室本線(帯広〜釧路)にH100が投入されたのは2022年春のダイヤ改正で、キハ283系の特急おおぞら引退とちょうど入れ替わり。営業列車としての共演はこれが初めてかと思われます。
旭川駅では乗務員交代のため、3分の停車。
この明るい高架駅に283系が停まっている、なんとも信じがたい状況です。
左側に立派な都市の姿を眺めつつ、旭川駅を出発。
ここまで書く途中停車駅発車後に放送が流れていなかったのですが、旭川駅ですら停車駅案内など流れないのには驚きました。
しばらく走ってきた高架線を降りまして、古そうな木造駅舎が残る新旭川駅を通過。
その先で宗谷本線から別れまして、石北本線に入りました。
さきほど旭川駅発車後に停車駅案内が流れなかったと言いましたが、この辺りでようやく放送。283系の放送設備に慣れていなかったのか、標準がこれなのか分かりませんが、かなり遅めだったのが印象的でした。
函館本線内は割と頻繁な停車だったようで、石北本線に入ると「上川駅まで、あと40km」。
当麻駅で反対方向の普通列車と行き違いました。おそらく石北線ラッピングのH100形みたいです。
駅舎に面した1番線ホームが両方向の停車列車、2番線ホームが通過列車と分けられているようです。
とにかく真っ暗な沿線の景色。
先程の旭川駅周辺がいかに都会だったか分かります。街の都市規模を知るには夜のほうが良いかも。
旭川駅を出て30分ほど、上川駅で下車しました。
駅構内のライトにスポットを当てられ、錆びていない車体の輝く様子は夜汽車として素敵です。
これから網走駅まで超ロングラン。正直老体にムチを打っていた183系よりも、無事たどり着いてくれる安心感はありますね。
283系投入に合わせ、石北線内の特急停車駅ではホームかさ上げ工事が行われました。
写真だと分かりづらいですが、この段差部分を歩くとかなり違いがあります。
ホーム中腹部では、一度下がってまた上がる状態です。実際に降り立つと絶対に分かります。
キハ183系ラストランから一夜明けたばかり、駅には写真が残されていました。
本当に長い間活躍していましたし、石北特急の印象が非常に強かったです。それだけに車両の引退は寂しいものですが、あれだけ酷使されていたら仕方ないと十分納得できます。
石北特急の新たな幕開け、283系新天地での活躍を期待しています。
今回もご覧いただき、ありがとうございました。
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