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【なぜ廃線危機に?】名鉄蒲郡線の現状は…。利用者が消えた理由
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おはようございます。こちらは早朝6時の新可児駅です。
名鉄の路線網の中で北端に位置する、広見線の途中駅です。
そんな広見線にもわずかながら特急列車がやってきます。
しかし、2023年春のダイヤ改正でこれも削減。平日朝に2本、中部国際空港行きのミュースカイが残るだけです。
今回ご紹介するのは土休日だけ走っていた、新可児駅発豊橋行き特急。展望が特徴的なパノラマスーパーでありながら、途中で進行方向を変えるという特徴ある列車でした。
特急が入線する3番線ホームには、普通列車犬山行きが停車中です。
新可児駅は広見線の途中駅ですが、ここは行き止まり式のホーム構造。スイッチバック駅ですが、犬山方面と御嵩方面で完全に系統分離されており、直通列車はありません。
犬山方面の普通列車は左側の線路へ分かれていき、パノラマスーパーは広見線新可児方面の本線上で待っています。
信号が変わると、6両のパノラマスーパーが入線です。この時は前照灯を付けていますが、犬山方面へ向かうため展望席が後ろになります。
列車が到着すると、赤い尾灯が点けられます。これによって後面展望から始まることに。
展望席の座席は固定されており、しばらくは後面展望になります。
これは今回に限らず、パノラマスーパーのメインルートである岐阜・新鵜沼方面などでも同じです。
新可児駅に来なくなるパノラマスーパー、広見線内の案内がされるのもこれが最後です。
6:39 新可児駅 発
後面展望で新可児駅を出発。JR太多線可児駅との乗換駅で、右側にはホームが隣接しているのを見られます。
また、左側には広見線御嵩方面が離れていきました。広見線の新可児~御嵩は慢性的な赤字で、廃止も検討されている路線。
かつて八百津線が分岐していた途中の明智駅は、今回のダイヤ改正で単式ホームになります。
JR太多線との交差地点では、ちょうど下をキハ25形が通っていきました。
カーブして坂道を下るところで正面に朝日が照り付け、逆に夕陽のような幻想感があります。
最初の停車駅は日本ライン今渡駅。休止中の日本ライン下りのアクセス駅だったことから、独特な駅名が付けられています。
徒歩圏内にはかつて名鉄資料館がありましたが、2020年冬に閉館しました。
単線非電化のJR太多線に対し、複線電化されているため列車同士すれ違いも見られます。
線路すぐ横では大王製紙の煙がモクモクと立っていました。
可児川駅からは、かつて大王製紙可児工場(当時の名古屋パルプ)へ貨物の引込線が伸びていました。1982年に貨物営業が廃止され、この線路も無くなっています。
可児川駅は1925年にライン遊園駅として開業。
ライン遊園地と呼ばれた乗船場付近の料理旅館・北陽館まで、1928年に直営バス路線が開設され、言うならば名鉄バス発祥の地です。
西可児駅は利用者が多く新可児駅と同じレベル、1日4000人(2019年度)近くが利用しています。
線路は山の中を走っているため分かりづらいのですが、この上には帷子ニュータウンが広がっています。これら住宅密集地からの通勤通学客が多いためです。
愛岐トンネルを抜けまして、岐阜県から愛知県に入りました。
ここまで各駅に停車していましたが、善師野駅、富岡前駅は通過します。
犬山検車区にはミュースカイや、名鉄小牧線300系電車などが停まっていました。
7時ちょうど、犬山駅端っこの6番線ホームに到着です。
犬山駅では6分間の停車。
ここまで6両編成で運転されていましたが、後ろに2両繋いで8両編成になります。
犬山駅では乗務員さんが交代されまして、前照灯の確認が行われます。
犬山駅で進行方向を変えまして、こちらが先頭になった証です。
新可児駅から広見線を通って、普通中部国際空港行きが到着。
新可児駅から来た、特急豊橋行きの後続列車ですが、停車時間の間にギリギリ追いつかれたようです。
進行方向を変えて前面展望になり、犬山駅を発車。
左手には広見線が分かれ、犬山線に入ります。
一番左の複線が広見線、少しまっすぐ進む単線が小牧線で、この列車が走る犬山線は一番右。
さらに左手へは小牧線も分岐。ここは4方向の分岐点になっている大きなターミナル駅です。
柏森駅は扶桑町内にありながら、鉄道駅の無い大口町の玄関としても。多くの通勤客が利用し、快速特急も停まります。
江南駅は駅勢圏の広さと高校の通学利用により、犬山線内で最も利用者が多く、27000人/日(2018年度)が乗降しています。
2020年に高架化完了した布袋駅を通過。
犬山線には地下鉄鶴舞線が直通しており、水色で銀ピカピカの車両がやって来ます。
いよいよ通勤通学ラッシュの時間帯が始まる頃、岩倉駅のホーム上には多くのお客さんが待っています。
特別車を利用する方もいらっしゃいますが、日常利用的にはテーブルがあり、背もたれが大きくゆったりできる、平屋座席が人気のようです。
上小田井駅を通過しまして、地下鉄鶴舞線が地下へと帰っていきます。
正面で交差しているのは東海交通事業城北線。名古屋市内の高架線を、1両のディーゼルカーが走り抜ける珍しい路線です。
犬山線から名古屋本線に入る、枇杷島分岐点まで来ました。
まず右側に分かれたのは、犬山線から名鉄岐阜方面を直接つなぐ線路。ここに定期列車は走っていません。
この先の名鉄名古屋本線も加えて、デルタ線を形成しています。
ちょうど名鉄岐阜方面へ向かう、パノラマスーパーが走っていきました。ここから名古屋本線豊橋方面の線路に合流します。
栄生駅手前には留置線があって、多くの特急列車が準備中です。
名古屋のビル群の地下へ下っていき、名鉄名古屋駅の地下ホームへ向かいます。
7:32 名鉄名古屋駅 着
3面2線にギュッと詰まった、コンパクトなターミナル駅で下車します。
眺望の良い展望席を備えた名鉄パノラマスーパー。その中でも特徴的な運行の列車でした。
ダイヤ改正で無くなってしまうのは残念ですが、最後に乗れてよかったです。
今回もご覧いただき、ありがとうございました。
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