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【前面展望】廃止される白い特急かもめグリーン車 全区間(博多→長崎)乗車記[西九州新幹線開業(6)]

2022年9月20日

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こちらは朝早くの博多駅。アミュプラザに阪急百貨店も入った立派な駅ビル、駅前はまだ静かです。

 

西九州新幹線開業まであと3日、新幹線開通によって無くなる在来線特急かもめで長崎へ向かいます。

 

特急かもめと言えば「白いかもめ」の方がしっくり来るのですがどうでしょう、885系電車が入線です。

今回は最後の乗車として、グリーン席の前面展望を楽しみます。



入線は5分前ぐらいで、結構ギリギリでした。

1号車のグリーン車に乗り込みます。

 

グリーン車の自動扉は、透明ではなく木の扉で特別感があります。荘厳さを持ちながら、色合いはナチュラルです。

 

一つ扉を抜けた先にももう一つ。ザラザラした和紙っぽいデザインになっています。

 

座席は革張りで、普通車に比べて大きめ。

普通車だと振り子によってツルツル滑りましたが、グリーンなら体を安定させられて、その点では良かったです。



06:33 博多駅 発

台風の影響でキャンセルが多発したためか、前日でも確保できたグリーン車の旅。長崎まで楽しんでいきましょう。

 

2列目からの目線ではこんな感じ。前面展望を売りにした列車ではないので、あまり綺麗に景色を見れる訳ではありません。

それでも885系特有の先頭の流線型がよく分かり、それに沿うようにして流れる景色は素敵です。

 

ぴったり張り付いてもご覧のとおりです。運転席と1列目の距離がかなり開いているため、こういうことになっているのでしょう。

 

列車は少々遅れていまして、福岡都市圏の鹿児島本線をゆっくりめに走ります。

 

ホームで列車を待つビジネスマンを横目に、大野城駅からスピード上げてきました。

 

特急が普通列車を追い抜いたりする、太宰府信号場を通過していきます。



最初の停車駅は二日市駅。

太宰府天満宮のJR最寄り駅で、ホーム上屋も寺社風の朱色に塗られています。

 

列車が停車したり急ブレーキをかけたりすると、全面はご覧の通り白く曇ります。

乗務員さんのやり取りで目が合ったり、事故の瞬間を見ずに済んで、その点は良いですね。

 

左からは筑豊本線が合流してきました。

原田駅から桂川駅は原田線として運行系統が分離されており、1日8往復だけの完全なローカル線となっています。

 

一方で基山駅から分岐する甘木鉄道。

特定地方交通線に指定されて第三セクターとして営業を続けていますが、黒字を達成するなど積極経営の成果が実っています。

 

鉄道と同じように東西南北の要衝、鳥栖ICの下を潜りました。



そして鹿児島本線と長崎本線の分岐駅、鳥栖駅に到着。

とにかく古いホーム上屋や駅舎が残っており、それらが非常に大切にされています。

 

昔から鉄道の要衝として栄えてきた鳥栖駅。蒸気機関車が引退して、機関区や操車場の跡地にはサガン鳥栖の本拠地、駅前不動産スタジアムが立っています。

 

真っ直ぐ走る鹿児島本線、長崎本線は右手へカーブしていきます。

 

隣の駅ですが、九州新幹線と交差する新鳥栖駅にも停車。

 

新幹線ホームと在来線ホームは完全に直交しており、ホームにはかしわうどんの中央軒さんもあります。

 

列車は佐賀平野の真ん中を走り続けています。

 

吉野ヶ里公園を通過後、右手には弥生時代の吉野ヶ里遺跡が見られました。

高架線を登ってきまして佐賀県の中心地、佐賀駅に到着です。

平日朝の時間帯ということで、ホームには沢山の人。さらに、どちらかといえば需要の小さい博多→佐賀方面でも、グリーン車から2人ほど降りていかれました。

やはりこの区間の特急需要は大きいみたいです。

 

駅名標には県鳥カササギが描かれており、西九州新幹線開通後、博多〜肥前鹿島に設定される特急にも『かささぎ』が名付けられました。

 

長崎本線に来る貨物列車は、鍋島駅まで。ここから西はオフレールステーションという、JR貨物によるトラック輸送の拠点が設けられるに留まります。

 

毎年秋に行われる佐賀バルーンフェスタ。長崎本線には会場近くに臨時駅のバルーンさが駅が設置され、ホーム自体は通年残っています。

 

近くの橋梁にて特急かもめ2号とすれ違いました。

この列車は長崎駅を5:58に出発した一番最初の便です。

 

久保田駅は唐津線の分岐駅、非電化のローカル線となっています。唐津市は佐賀県第二の街ですが、博多との結びつきが非常に強いです。



肥前山口駅に停車。

一部のかもめ号は通過しますが、特急が長崎を目指すが佐世保を目指すかで分かれる、非常に重要な鉄道の拠点です。

 

この駅は新幹線開通に合わせて、町の名前と同じ江北駅に駅名変更。この表示や放送も基調なものになってしまいます。

 

沢山の電車が集まっていまして、普通列車についても多くの本数が設定されています。

 

ここは長崎本線と佐世保線の分岐点。特急みどり・ハウステンボスが走る佐世保線が分かれていきました。

西九州新幹線の始点である武雄温泉駅は佐世保線の途中駅で、接続する特急リレーかもめ号は佐世保線に入ります。

 

線路はちょっとした丘を避けるようにしてカーブ。

この先ではもっとカーブが連続して、車体を傾ける区間がありますが、その性能をちょっと先走って見せてくれているようです。



特急かささぎの終点になる、肥前鹿島駅に到着。

ホーム上屋は鹿島神宮を模して朱色に塗られ、二日市駅に似ています。

聞いていた通り、高校生の通学利用が多いことがよく分かりました。

 

ここでは特急かもめ4号と行き違います。

 

お隣の駅は36ぷらす3がおもてなし停車し、宿場町を歩いたりお酒を楽しんだり出来る肥前浜駅。

佐世保ルートに変わっても、午前便は引き続き肥前浜駅に寄ります。

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現在長崎本線の特急かもめが走る区間は電化されていますが、特急が廃止されると肥前浜駅から先の電化設備が撤去。物理的に電車は走れなくなります。



肥前七浦駅周辺より、有明海が見える区間に。

佐賀県から長崎県への県境付近については、カーブも連続して白いかもめの振子走行が楽しめます。

 

これこそ長崎本線の素晴らしい光景です。



里信号場では普通列車肥前山口行きと行き違いました。

肥前山口駅からは単線となっており、特急列車であっても信号場で停車することがあります。

この里信号場は有明海をじっくり楽しめるポイントかも。

 

ここから始まるカーブでは、後ろに連なる特急車両も見ることができます。

 

運転席横の窓からも、すぐ下に有明海が見られます。

ちょうどカーブしているところで、車体を傾けています。車内では色々物が落ちる音がするのも日常茶飯事です。

 

うっすらですが、島原半島のシンボル雲仙普賢岳が見えています。



有明海は潮の満ち引きが激しいのが特徴的。

一般的な綺麗な海というより、干潮時にはドロドロと濁った海の景色が面白いです。この朝の時間帯ではまだ通常の海とそこまで変わりません。

 

諌早市内にはフルーツバス停がありまして、小長井〜長里駅ではそのひとつ、メロンのバス停 平原が見られます。こういった遊び心があるのは楽しいですね。

 

長里駅にて、特急かもめ6号と行き違い。

普通列車しか停まらない駅では、ホームからはみ出しています。こちらは黒いかもめと愛称付けられた、787系による運行です。DXグリーンやグリーン個室も備えています。

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奥には諫早湾干拓排水門があります。

この地域は干拓に水田を広げ、稲作を発展させようとしていました。しかしその結果、生態系が崩れてしまったため漁業と農業で対立が起き、水門を開けるか占めるか争われてきています。

 

小江駅では電車と行き違い、これも電化設備が撤去されれば見えなくなってしまう光景です。



正面には新大村駅から南下してきた、西九州新幹線の高架が見えてきました。

特急かもめの役割の受け渡し先が、ようやく姿を現します。

 

新幹線ホームは地上にあるため、高架から降りてきました。

 

諫早駅に到着。島原方面への分岐点で、九州で14位の人口を有します。自由席特急料金が安く設定されており、長崎への通勤に特急を利用する方も多いようです。

 

このようなお客さんが新幹線の日常的な利用に流れるかは…どうでしょうか?

 

新幹線は左手に離れまして、トンネルでもって長崎駅に直行します。

 

特急かもめのライバル、長崎自動車道諫早ICの下をくぐりました。近くには西諫早駅が位置します。



喜々津駅を通過しまして、長崎本線は二手に分かれます。

特急かもめが走るのは、1972年に開通した新線。諫早から長崎までの山をトンネルで貫きます。

 

ほとんど直線なので、これこそ新幹線みたいです。

元々西九州新幹線は、武雄温泉〜諫早だけ在来線規格の新線を建設するスーパー特急方式で計画されていました。諫早〜長崎は既にこのような新線が作られていたので、十分だったのです。

 

山の合間に途中駅が設置されており、住宅街も集まっています。

 

そして全長6,173mに及ぶ長崎トンネルへ。

 

トンネル内には音が軽くなるところがあって、それが肥前三川信号場です。長大トンネルの中で行き違いできるようになっています。

西九州新幹線の新長崎トンネルは、更に長い7,460m。やっぱり新幹線は格が違いますが、在来線のトンネルもかなり速達効果をもたらしたのではと感じます。



トンネルを抜けまして、市街地へ。

左下には長崎電気軌道の線路が見えてきました。

 

浦上駅には特急かもめ8号が停車中です。

 

西九州新幹線開業に伴って、浦上駅に特急かもめのような長編成の列車は停まらなくなります。

2020年の高架化時にはそれを見越して、ホーム端は架設で撤去しやすいような造りです。

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ここからはひと区間で長崎駅に到着。

路面電車の軌道と車が走る広い道路がハッキリと見えています。

 

留置線には415系電車が停車中。これも長崎には来なくなるはずです。非電化された長崎本線には、キハ47系リニューアル車両が入ります。

リニューアルとはいっても古い車両、一般のお客さんからしたらちょっと乗り心地が悪くなりそうです。

 

左手からは西九州新幹線の高架が近づいてきています。ゆっくりと在来線ホームに侵入していきまして、長崎駅に到着です。



08:35 長崎駅 着

正面には大きな車止め。高架はここで途切れており、西の果てという感じがします。

 

グリーン車で行く白いかもめの旅。

有明海沿いの連続するカーブを高速で駆け抜ける姿は、やっぱり面白いものです。また、普通車では振子で体が滑って乗り心地が悪くなりますが、やっぱりグリーン車座席だとそれが軽減されていました。

 

個人的に西九州新幹線の開業は歓迎していますが、どんなものでも無くなるのは寂しいです。最後に乗って来られたのは、やっぱり良かったと思います。

 

今回もご覧いただき、ありがとうございました。

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