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今日は2022年春のダイヤ改正前日です。
これから乗車する宗谷本線は、日本最北の路線として知られています。
2021年春、この路線では13もの駅が廃止になりました。そんな中、今回のダイヤ改正で新たに誕生する駅があるのです。
現在営業している東風連駅ですが、こちらが少し北へお引越ししまして、名寄高校駅として開業します。
正確に言えば駅の移転開業で新駅の開業ではありません。
まずは今日で営業を終える東風連駅を訪れた後、名寄高校駅の様子を見てみることにしました。
こちらは昨年廃止された南比布駅跡。
元々板張りホームで雪が積もっていることもあり、跡形も無くなっていました。
一方で自治体による費用負担で残った駅もあります。塩狩駅は和寒町の負担で存続を決めた駅です。
その他、2年分の維持費にあたる670万円の寄付が全国から集まっています。
次は目的地の東風連駅。明日からこの表示も見られなくなります。
列車は警笛を鳴らして入線。
ホームにはJRの方がいらっしゃって、さすが最終日で多少人がいるのかなと思ったら…。
駅には大勢の方がひしめき合っていました!
ホーム上は本当にぎゅうぎゅう状態、降りた後身動きを取るのも難しいくらいです。
ちょうどこの時セレモニーが行われていたようで、アメイジング・グレイスが流れる中、運転士さんには花束が贈呈されます。
電子音の混ざった大きな警笛を鳴らし、駅を出発していきました。
最後の記念としてか、地元の方も10人ほどお隣の名寄駅まで乗っていかれます。
新聞記者さんが車で撤退し、地元の方が次々片付けをしたので、駅は本来の静けさを取り戻しました。
東風連駅は1面1線の板張りホームです。
非常に簡素な作りとなっていますが、この駅の利用客は比較的いる方です。
その理由は名寄高校の最寄り駅で、ここから歩いて通学される高校の生徒さんがいらっしゃるため。
しかしその距離は1.6km、徒歩20分掛かるので特に雪道の通学は大変でした。
そんな中待合室に目をやると、『名寄高校前に移転します』と書かれています。
名寄市はJRに対して駅の移転を提案。
利用者増加の潜在性があったため、今回それが実現したのです。
それでは東風連駅に別れを告げまして、名寄高校まで歩いてみましょう。
夏にも東風連駅から歩いて名寄高校駅を訪れたのですが、その時は特に目立った構造物はありませんでした。
明日に開業を控えているため、営業前の姿をハッキリ見られるでしょう。
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名寄高校の校舎が見えてきて、運動場の横を歩いています。
東風連駅側から歩いてきて、最初の出入り口がこちらです。
写真では分かりづらいですが、広い道から東側へ名寄高校駅への道が伸びています。
この道は元々あったのですが、駅開業のために道が広げられ、アスファルト舗装がされました。
車の近くに構造物を見られるかと思いますが、あちらが名寄高校駅です。
一つ気になったのが、高校から駅へ大きな道を渡るにあたって、横断歩道が整備されていないこと。
車もまあまあ通るのでちょっと危なそうにも思えます。
名寄高校駅に到着しました。
駅前に建てられた看板『Nステ』は名寄高校と名寄産業高校の生徒さんから公募し、その中から選ばれた愛称です。
名寄高校駅前交流施設のことを言い、ホーム前の待合所がそれに当たります。
ホーム構造は1面1線。コンクリート造りで結構立派なものです。
ロイズタウン駅みたいに鉄骨だと思ったのですが…、最大3両分とはいえ結構丈夫そうです。
一方で、ホーム屋根はありませんでした。
ホーム上ではJRや関係者さんによる、最終の作業がされているところです。
駅名標はまだベールで包まれておりまして、まだ剥がされていません。
名寄高校のホームを列車が通過していきます。
ダイヤ改正後、名寄高校駅には快速なよろ含め全ての普通・快速列車が停車します。
そのためこのような光景も珍しいものになりそうです。
この時、駅にいらっしゃったJRや名寄市の方から色々お話を伺えました。
広い道路から駅に続く道路ですが、ここにも歩道が整備されるとのこと。
これと同時に問題だと思っていた横断歩道も作られるのではとお話されていました。
さすがに危ないということは認識されているようです。
また、踏切は道路拡張とともに新しくされています。
その他、待合室にベンチはつかないとのこと。
東風連駅時代にはあったので、これは結構意外でした。4席のベンチを置くだけでも違うと思うのですが…。
それではまた明日、名寄高校の開業を楽しみにしましょう。
名寄駅の駅名標は、東風連の部分を剥がすだけの状態です。
だいぶ薄暗くなったt名寄高校駅を通過していきます。
東風連駅の待合室には装飾が増えていて、ありがとう東風連駅の幕が掲げられていました。
翌日、旭川駅から普通列車に乗車します。
乗車するのは快速なよろ。これまで東風連駅を通過していましたが、名寄高校駅になって今日から停車駅に追加されます。
運賃表には名寄高校が表示されました。
ついにこれを見れたと、心のなかで感激します。
昨日と同様に快速は東風連駅跡を通過。
しかし役割を終えたため駅名標も外され、枠だけになっていました。
そして名寄高校駅に到着です。
まもなく開業セレモニーが行われるため、テントが張られてその準備が進められていました。
車内には多くの鉄道ファンがいましたが、ここで下車したのは2,3人ほどです。
その他、多くの方が終点の名寄駅まで来ました。
それは名寄高校駅開業の記念乗車券を購入するため。
名寄高校駅において切っても切り離せない関係の、高校と駅の写真が載せられていました。
名寄駅からは歩いて名寄高校駅に向かいます。
13:20から開業セレモニーが行われるため、NHKなど報道機関や地域住民の方が集まっていました。
一般の人にも式次第が配られます。
こうしてみるとNステの色と字体が、めちゃEテレっぽい(笑)
そうそうたる来賓の方にお越しいただいているようでした。
名寄市長さんやJR北海道旭川支社長さんらによる挨拶が行われ、駅前では開業記念のテープカットです。
続きまして、ホーム上のサインボードが除幕。
なよろ市立天文台きたすばるをモデルにしているとのことで、市の花オオバナノエンレイソウとアカゲラが描かれていると思われます。
名寄高校と、それに統合される名寄産業高校の生徒さんが作られました。
名寄駅から上り普通列車が到着。
この列車はJR北海道が調整して、風連町ご出身の運転士さんとのこと。
警笛を鳴らし、旭川へ発車していきました。
続きまして、Nステの愛称に選ばれた生徒さん2人の表彰です。
「面白みがあって短く言いやすいように」「名寄のステーションから」とコメント。
インパクトが強く某番組と似ているため耳に残りやすくて、正解だったかもしれません(笑)
待合室内には東風連駅の思い出を残すメモリアルボードが設置されました。
左側は昔駅舎があった頃、そして右側は昨日までの姿です。
東風連駅からバトンタッチした名寄高校駅でも、その記憶が残されていくことでしょう。
表彰などでファンファーレを演奏してくださっていた、名寄高校吹奏楽部の方によって、記念演奏が行われます。
ちょうど列車もやって来て、名寄高校駅の明るい未来を思わせるようでした。
名寄高校には、名寄高校駅に掲示されているものと同じJR時刻表が掛けられます。
駅と高校の密接な関係を感じさせられるものです。
最後は名寄高校校長による挨拶で、セレモニーは幕を閉じました。
名寄高校の設置には、住民の思いが詰まっています。
第一に、高校生という若い世代を大切にする考えです。
東風連駅近くに住んでいた方々の協力もあって実現したことを忘れてはいけません。
そして、名寄市は宗谷本線の活性化施策に本腰を入れました。
北海道のローカル線を支えるのは高校生の通学です。
高校生にとって便利な公共交通を整備して利用を促進する、名寄市はJR任せにするのではなく、具体的な取り組みをしたことになります。
車での移動が当たり前になった地方の方にとって、列車に乗るという選択肢は考えにすら上がりづらいです。
高校生の頃に列車に乗る機会があれば、それにとっつきやすくもなるでしょう。
また、今回明るいニュースとして周知されれば、列車を使うきっかけにもなると思います。
将来的にも公共交通を残すための方法として、様々な地方にヒントを与えたのではと思いました。
【YouTube版はこちら】
今回もご覧いただき、ありがとうございました。
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