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ここは新幹線の終着駅、鹿児島中央駅です。
JR九州はデザイン性に優れた鉄道会社として有名。中でもD&S列車とされる観光列車の先駆者とも言われます。
鹿児島中央駅を発着するD&S列車、特急はやとの風は、九州新幹線の新八代〜鹿児島中央が2004年に開業したのに合わせ、九州新幹線と肥薩線の利用促進のためデビューしました。
しかし、肥薩線は2020年の豪雨によって、吉松〜八代が不通になってしまいます。はやとの風の運行区間は鹿児島中央〜吉松なので、通常の列車は現在も走っています。
しかし、その先吉松〜八代へ続く観光列車ルートを作り上げられず、はやとの風だけを走らせても利用促進の効果が薄いことから、しばらくの間運休になっていました。
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なぜ佐賀・長崎にD&S列車が無かった?ふたつ星4047がデビューする理由を考察
JR九州は2022年秋の西九州新幹線(武雄温泉~長崎)の開業に合わせ、新たなD&S列車、特急『ふたつ星4047』の運行開始を発表しました。 多くのD&S(デザイン&ストーリー) ...
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そんな中、2022年秋の西九州新幹線開業に合わせて、佐賀・長崎を走る新たなD&S列車『ふたつ星4047』のデビューが発表されました。
しかし、この列車は『はやとの風』を改造して製作するため、はやとの風の運行終了を意味しています。
2022年3月21日のラストランに向けまして、はやとの風は土日を中心に復活運行を果たすこととなりました。
鹿児島中央〜吉松の特急券は1050円、乗車券は1500円です。
発車標には肥薩線吉松行きの特急列車が表示。
現在は全車指定席となりました、特急はやとの風2号です。
9:16、6番線には真っ黒のシックな列車が入線してきました。
中央部には広く景色を見渡せる、展望スペースもあります。
薩摩隼人をイメージした漆黒の車体、SLのような歴史を感じさせる重厚な雰囲気が感じられます。
それに対して車内はこちら。
車内は飾りすぎておらず、丸いライトと合わせて大正ロマン的な雰囲気を感じられます。
英字の帯が巻かれたこの丸いライトは、喫茶店のような暖かな光です。
JR九州でよく見られる、板張りの椅子。
&S列車をデザインする水戸岡鋭治先生による、車内を回ってほしいという願いも込められているようで、座席自体にそこまでこだわっていません。
9:26 鹿児島中央駅を出発。
ホーム上ではお客さんらしい方まで、手を振って見送ってくださいました。
次の停車駅は鹿児島駅。県名がそのまま駅名となっており、日豊本線と鹿児島本線の境であるのにも関わらず、かなり小さめな駅です。
左手には島津氏の別邸として建てられた、仙巌園が見えています。
近くにはリージョナル ランドマーク ストアのスタバがあって、庭園に合わせた雰囲気の店舗デザインです。
そして、一番注目されるのが、右側の錦江湾に浮かぶ桜島です。
雲がかかっていましたが、鹿児島のシンボルが広がります。
重富駅では普通列車と行き違いのため、少しの間運転停車しました。
車内ではワゴンによる車内販売が行われます。
こちらは食べ物関連、途中から販売される数量限定のものもあります。
オリジナルグッズも含め、はやとの風関連の商品が豊富に取り揃えられていました。
ワゴンはご覧の通り、中々大量に買い揃えている方もいらっしゃいました。
また、2000円以上購入すると、トートバッグを貰えるそうです。
今回はホットコーヒー、紅はるかプリン、マスキングテープを購入しました。
とろけるような滑らかなプリン、コーヒーのほろ苦さとマッチして美味しかったです。
隼人駅に到着。
昔ながらクリーム色に紺色帯の汽車たちが停まります。
10:08 隼人駅発
日豊本線を離れまして、かつて鹿児島本線だった肥薩線に入りました。
隼人駅からは、かれい川弁当が積み込まれまして、予約していた人は受け取ることができます。
お弁当は乗車2日前までに窓口での予約が必要。月曜日は定休日なので、販売されません。
10:21 一番メインである、嘉例川駅に到着。
嘉例川駅は1903年に開業し、木造駅舎は開業当初から残っています。
長い歴史を持つ駅舎に、真っ黒な列車が停まっているのです。
嘉例川駅が開業して100年となる2003年、周辺の住民の方々によるお祝いが行われ、1300人もの方々が集まる盛大なセレモニーとなりました。
これを受けてJR九州も注目し始め、はやとの風も嘉例川駅に停車しています。
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嘉例川駅は鹿児島空港の最寄り駅で、一応歩いていくこともできます。
上空からはエンジン音が響いていました。
連結部近くのカウンターには、スタンプと記念乗車証が置かれています。
10:30 嘉例川駅発
トンネルを走ると窓が暗くなって、より漆黒の雰囲気になります。
10:36 霧島温泉駅着
ホーム上ではテーブルに色々広げられ、地元の方々によるおもてなしがされています。
ここでは霧島茶の試飲ができました。豊富な香りと爽やかな味わいがあるお茶です。
他にも、さつま揚げを配り歩いてくださいます。
列車が停車している間、お着さんで賑わうプラットホーム。
これだけ地元の方と温かな交流ができるのに、それが無くなってしまうなんて、とても残念ですね。
10:41 霧島温泉駅発
上の方まで広がっている展望スペース、山の中を走っていると開放感がありました。
10:48 大隅横川駅着
大隅横川駅の駅舎は嘉例川駅と同じく、1903年の開業時のままで残されていて、国の登録有形文化財に指定されています。
嘉例川駅と異なるのは、ホーム屋根の柱に残された戦争の爪痕、機銃掃射の跡です。
第二次大戦中の1945年7月、米軍は大隅横川駅で鉄道関係の修理をしているという情報を聞きつけ、駅に留置中の貨物車両を奇襲攻撃しました。
雨のようなミサイルで、周辺は焼け野原になったそうです。
ここではただの観光停車だけではなく、普通列車と行き違いもしました。
霧島温泉駅からは、『PANYA.くらぶ』によるパンが積み込まれています。
いもあんぱん、メロンパン、くるチーあんの3種類です。
一番特徴的だった、くるチーあんを購入。
チーズの酸味と甘い餡が合わさって、とても美味しかったです。
栗野駅は湧水町の中心部。
ちょうど帰省シーズンということもあって、鹿児島中央から移動手段としてこの列車を利用し、キャリーバッグを引いていかれる方もいらっしゃいました。
ここからあとひと区間だけ。歴史を感じさせる駅舎におもてなしのある、本当に素晴らしい列車だと感じました。
はやとの風は外観が落ち着いており、ちょっと地味な印象でしたが、その行程は他に引けを取らない面白さでした。
11:11 吉松駅着
こんなに賑わっている吉松駅を見るのは久しぶりです。
吉都線の接続は2時間後の13:12発ということもあり、折り返して乗車される方が多くいらっしゃる様子でした。
鉄道の町として栄えた吉松駅、SLだった頃を思わせる黒い列車が、長い長い唸り声を上げながら停まっています。
ここから先肥薩線が繋がっていたら、はやとの風はこの運命を辿っていなかったのではないか、正直分かりません。
そして、被害に合っていないこの区間からも観光列車が無くなり、吉都線と同等の厳しさに直面することとなるでしょう。
いさぶろう・しんぺい、かわせみやませみ、SL人吉など、たくさんの観光列車が走っていた肥薩線。
全国的にもトップクラスで面白い路線です。
いつか肥薩線が全線復旧し、観光列車の路線として戻ってくれることを願いたいと思います。
今回もご覧いただき、ありがとうございました。
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