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JRも案内しない路線!?枝線と化した大船渡BRT支線がありました(陸前矢作駅・上鹿折駅)[2021東北ローカル(6)]

2021年10月14日

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大船渡線は東日本大震災の影響で被災し、BRTとして復旧した路線です。

(JTBパブリッシング出版 JTB小さな時刻表 p.13索引地図より転載)

JTBの時刻表に描かれた路線図を見ると鉄道運行当時と混ぜて停留所が書かれていますが、実際の運行系統は異なります。

 

現地の運賃路線図を見てみると、陸前高田駅からは陸前矢作駅まで、鹿折唐桑ししおりからくわ駅からは上鹿折駅まで支線が伸びていることがわかります。

鉄道時代は陸前矢作駅と上鹿折駅は結ばれて一本の路線となっていましたが、BRTでは広い道路の方を通るようになったのです。

まずやってきたのは陸前高田駅から伸びている路線の終点、陸前矢作駅です。

待合室はBRTでよくある赤色を基調としたものです。

 

ここで終点となっているため、駅前にはバスを転回できる大きなロータリーがあります。

 

現在のバス待合室の背後には駅の跡地が残されていました。

 

被災によるBRT化以前にあった駅舎はそこまで大きなものではありませんでしたが、駅前は広くなっています。

 

ホームの跡や線路があったところは分かりやすく残っていました。

 

この先は上鹿折駅へ繋がっていたはずです。

それでは本線との接続地点となる、陸前高田駅へ向かいます。

ここへ来たときは乗客が僕一人だけでしたが、この便では他にお一人いらっしゃいました。

 

陸前矢作駅のロータリーから専用道へ入って走りはじめました。

 

大船渡線は単線の幅しかないため、途中にはバスの行き違う設備があります。

 

両側には木々がピシっと生い茂っていて、鉄道らしさを感じられました。

 

第4種踏切ぐらいでだっただろう、横断できる区間もあります。

 

バスを停止させる方向に向かって遮断棒が設置されており、ここから一般道へ出ていきます。

 

ただしこの先も線路跡が残っていました。

 

かつての鉄道橋梁は鉄道用から専用道用に作り変えられているのでしょうか、工事をしている所でした。

 

少し走ったところで、再び専用道に入ります。

 

竹駒駅では反対方向のバスと行き違いました。

 

駅の部分だけ専用道となっているという非効率な状況のため、竹駒駅から終点の陸前矢作駅までは専用道で一本化されると予想できます。



一般道上にあるのが栃ヶ沢公園駅。

ここは屋根もない普通のバス停です。

 

近くには陸前高田市役所の仮庁舎があります。

 

山から下りてきて、市街地へ入りました。



市街地の中にあるのが陸前高田駅です。

バス待合室は鉄道時代の駅舎をモデルに作られています。

 

広い待合室にはみどりの窓口もあります。

鉄道が来ないBRT単独駅で設置されているのは陸前高田駅が唯一です。

 

BRTに関わらず様々なバスが発着し、ターミナルのようになっています。

 

目の前には商業施設がありました。

これは4年前に来たときに出来ていましたが、その周辺の施設は明らかに増えていたのが印象的でした。



続いて乗車するのは現在本線となっている気仙沼行きのバスです。

これからもう一つの支線、上鹿折支線へ向かいます。

 

もちろんかつての鉄路とは全く違うルートを走っています。

 

震災前にあるはずかない、奇跡の一本松駅に停車。

 

ここには高田松原津波復興記念公園が整備されていました。

 

その先の橋からは奇跡の一本松、そして陸前高田ユースホステルを見ることができます。

 

バスは自動車専用道路の唐桑高田道路へ。

 

高規格なトンネルを路線バスが走ります。

 

気仙沼側のICから一般道へ、ツルハドラッグなどチェーン店が並ぶ街になりました。

 

その辺りにあるのが、これから向かう上鹿折への分岐点、鹿折唐桑です。

 

通常は気仙沼駅から鹿折唐桑までは専用道なので、BRTの入り口があります。

しかしこの時は自動運転の実証実験を行っていたようで、一般道の走行でした。

 

気仙沼線との乗り換え駅である、気仙沼駅に到着です。



さて、これから上鹿折駅に行くにあたって運賃表を見てみましょう。

途中で病院や高校などを経由するものもありますが、基本的には一本化されています。

その中で上鹿折駅と陸前矢作への支線があるとお分かりいただけるでしょう。

 

ところで上鹿折駅支線へのBRTについて、発車標には何も表示されていません。

 

また、時刻表にも上鹿折行きの案内が一切無いのです。

 

これに関しては駅前の大通りにあるバス停に行かなければなりません。



それはJRがこの運行をミヤコーバスに運行を委託しているためです。

ちなみに気仙沼駅で見た限り「上鹿折駅へ行く人はここへ来てください」のような案内は一切無く、地元の方は暗黙の了解で知ってるよね、みたいな扱いでした。

僕も運行について全く分からず、ミヤコーバスとの共同運行と知ったのはTwitterからようやくという感じになります。

 

乗車するのは鹿折金山行き。平日で1日5往復の運行です。

 

気仙沼駅周辺は夕方ということもあって混雑、8分ほど遅れてやってきました。ミヤコーバスはいつでも専用道を走りません。



BRTの方は気仙沼駅周辺でも専用道が整備されたことで、この問題は解決しています。

先程も来ました鹿折唐桑駅の前を通ります。BRTについてはロータリーまで入りますが、こちらに関してはバス停が道路沿いにあります。

 

鹿折川に架かる赤い橋を渡って対岸へ。

 

住宅街の細い道の中、様々な施設に寄り道しながら進んでいきます。

 

鉄道はまだ川の向こうを走っていましたが、橋梁の橋桁が見えてきて、こちらへやってきました。

 

そして鉄道用地は右側へ移ります。



上鹿折駅前のバス停にて下車。

このあたりは自由乗降区間で、好きなところで降車ボタンを押せばおろしてもらえます。

 

このバス停から伸びる新しい道の先に駅跡があります。

 

上鹿折駅は2020年に鉄道路線として正式に廃止された後、駅舎が解体されました。

 

陸前矢作駅と同様に、プラットホームを思わせる跡が残されています。

 

駅舎は割と大きかったそうで、砂利の色も変わっていました。

 

駅前の道も整備されたことが分かり、舗装も新しいです。

 

この先には陸前矢作駅への鉄路が繋がっていたはずなのにと少し残念に思います。

しかし上鹿折駅〜陸前矢作駅は県境であり、それぞれの支線の駅を行き来したとは考えづらいです。

街に近い広い道路を本線として貰えたことは、利便性の面では良かったのでしょう。

 

上鹿折支線の案内が無さすぎるというのは少々難点かなと思いましたが、ぜひあらかじめお調べの上、いらっしゃってみてください。

(PDF)気仙沼駅前〜上鹿折駅前運行時刻表(2020/10/01改正)

 

今回もご覧いただき、ありがとうございました。

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