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『新』特急北越ルートをたどれ!金沢〜新潟を新幹線+特急しらゆきで行く。

2021年2月28日

 

真夏の金沢駅にやって来ました。

新型ウイルスが発生する前、世界一美しい駅の象徴である鼓門の前では多くの観光客が記念撮影をしています。

 

これから向かうのは日本海随一の都市、新潟です。

 

かつて金沢から新潟は北陸本線、信越本線を経由した特急北越で結ばれていました。

 

(Toshinori baba-Own work/CC BY-SA 4.0
https://commons.m.wikimedia.org/wiki/File:Limited_express_hokuetsu_485-3000bandai.JPG#mw-jump-to-license より)

運行本数は1日5往復、独特なカラーをした485系での運行です。

しかし2015年に北陸新幹線が開業すると、特急北越は廃止されました。

今回は北陸新幹線開業後、金沢から新潟まで鉄道で移動するのにどのようなルートになったのか、たどってみたいと思います。

 

まずは金沢駅の北陸新幹線ホームへやって来ました。

現在では北陸新幹線の終着駅です。

 

最初に乗車するのは金沢駅〜富山駅を結ぶ北陸新幹線、つるぎ号になります。

 

新幹線が開業する前、在来線特急のサンダーバード、しらさぎは富山まで、一部の列車は和倉温泉や魚津まで走っていました。

 

しかし2015年に北陸新幹線が開業したことで、在来線特急の運行区間が短縮されて金沢止まり、一部は和倉温泉止まりとなります。

その代わりに富山まで行くお客さんに向けて運行されているのが、北陸新幹線のつるぎ号です。

金沢駅を出発しました。

運行時間は23分ほどと短いためグランクラス車両は販売されておらず、グリーン車が最高クラスです。

 

金沢駅周辺では大きな都市圏が形成されており、学校やビルなどが立ち並びます。

 

しばらくすると石川県と富山県の県境、倶利伽羅峠を越えるためにトンネルへ入りました。

 

トンネルを出ても最近の新幹線では防音壁がかなり増えてきたので、景色もあまり見られません。

 

しばらくして現れた目立つ建物、あちらはクロスランドおやべのランドマークタワーです。

118mの高さを誇り、展望台からは砺波平野の景色を楽しめます。

 

砺波平野といえば散居村が有名ですが、家々が遠くて新幹線からはあまり分かりませんでした。



新高岡駅に到着しました。

駅前には大きなイオンモールが出来ています。

新高岡駅は城端線と交差する地点に新駅として開業しました。

高岡市の新たな街として開発されていることがよく分かります。

 

富山県内ではトンネルが少ないため、建物が立ち並ぶ街の様子を見られます。

 

神通川を渡るとすぐ、富山駅周辺の都市圏に入りました。

 

終点の富山駅で列車を降ります。

 

短時間なので指定席は全体的に空いていましたが、団体ツアーの方々はここに集まっているようでした。

 

つるぎは金沢駅と富山駅を行ったり来たりするため、このまま金沢駅へ折り返します。

 

富山駅では富山港線と富山地方鉄道の直通工事が行われている真っ最中。当時この軌道がプラレールみたいだと話題になっていました。

 

また、かつての富山ライトレールの始点、富山駅北停留場が移転したばかりで、移転前のものが残っています。



さて、富山駅から乗車するのは、はくたかです。

はくたかは元々越後湯沢駅から金沢駅(福井駅)までを結ぶ特急列車でした。

 

東京から北陸へ行く人々は上越新幹線の越後湯沢駅で乗り換え、160km/hも出して走る特急はくたかに乗っていたのです。

この列車名は新幹線へと受け継がれることとなりました。

 

富山駅を出発してしばらくすると、金沢総合車両所富山支所や、富山貨物駅が見えてきます。

年季の入った機関車やローカル線の気動車が集まっていて、思わず釘付けになるものです。

 

次に停車するのは黒部宇奈月温泉駅。新幹線駅では最も長い駅名になっています。



富山県と新潟県の県境では新親不知トンネルを走りました。

トンネルを抜けてしばらくすると姫川を渡ります。

 

奥に見えるのは日本海。新幹線からこちら側の海を見られるのは糸魚川駅周辺だけです。

 

糸魚川駅を出発してしばらくの間、防音壁が無いので海まで広く見渡せます。

次の停車駅、上越妙高駅で下車しました。

上越妙高駅はJR西日本とJR東日本の境界駅、これより先は東日本の領域に入ります。



北陸新幹線が開業してから、金沢〜新潟の移動のために在来線特急が新設されました。

それが上越妙高から新潟まで走る特急しらゆきです。一部の列車は2駅先、新井駅まで走っています。

 

 

ここからは在来線特急しらゆきに乗り換えます。

 

フレッシュひたち時代から貼り替えられた座席モケット、何だかこたつの模様のようで、暖かな感じがします。



列車は上越妙高駅を出発しました。

しばらく旧信越本線・えちごトキめき鉄道の妙高はねうまラインを走ります。もう一つの路線は日本海ひすいライン。

この路線名は何とかならなかったのでしょうか…(笑)

 

上越妙高駅は元々信越本線の小駅、脇野田駅でした。

現在駅前では様々工事が行われていて、ますます賑わっていくことでしょう。

 

しばらく走っていると、北陸新幹線の高架が金沢方面へと離れていきます。

 

一方でこちらは新潟へ向かって、田んぼの中を走っているところです。

 

高田駅に到着。まだえちごトキめき鉄道の駅ですが、ホーム上には越乃Shu*Kuraの駅名標が立ってました。

 

上越市の中心駅はあくまで高田駅で、上越妙高駅は新幹線が停まるとは言え、まだ市街地からは離れています。



次に停車したのは直江津駅です。

JR東日本の信越本線に入り、まさにかつての特急北越と同じ線路を走ることになるのです。

 

直江津駅のお隣、黒井駅は線路がたくさん並ぶ大きな駅です。

 

ここには貨物駅があって、機関車やコンテナなどが集まっています。

 

北陸の在来線において長距離の旅客輸送は新幹線へと受け継がれましたが、貨物列車はまだまだ活躍していることが分かる光景です。



次の停車駅である柿崎駅を発車すると、列車は日本海のすぐ近くを走っていきます。

車窓の9割が青という爽やかな雰囲気、これこそ夏だと感じられる景色が広がります。

 

途中いくつか見られる海水浴場では沢山のカラフルなテントが並んでいました。

 

波はあまり立っていない穏やかな日本海の景色、冬の荒々しさとは違った姿が現れています。

 

日本一海に近い駅とされることもある青海川駅を通過。ホームには何人かいらっしゃって、写真撮影などしているようでした。

 

駅の近くに突き出ているのは恋人岬。上にはホテルが建っています。

 

日本海の真横をこれだけ長い間特急で走れるのはあまり無く、特に電車特急で静かに駆け抜けていくのはここくらいです。

 

柏崎駅にもコンテナがいくつか積まれ、大きな鉄道用地には草が多い茂っていました。

 

駅舎は国鉄時代からのもので、コンクリート造りの質素な様子。しかし1階部分には青くペンキがされています。

 

向こうのホームには信越本線のキハ47系が停車中。

同じキハ47の中でもでも時代を感じる塗装デザインです。

 

今度は海から離れて内陸へ、いわゆる日本の原風景の中を走っていきます。

 

河口に近くなってかなり川幅が広くなってきた信濃川を渡ります。



上越新幹線の高架が段々近づいて並走、長岡駅に到着しました。

この日は長岡花火大会の日で、この駅でほとんどのお客さんが降りていかれます。

 

向かいに見えている1番線ホームが現在使われておらず、影濃く時が止まったままです。

 

長岡駅を出発すると上越新幹線は離れていきます。

 

車窓は信じられないくらい遠くまで田んぼが広がっていて、これぞ新潟だと感じられました。

 

東三条駅に到着。弥彦線の乗換駅で、三条市の中心駅にもなっています。



しばらくすると新津駅に到着します。

この駅には車両基地もあるため、非常に広い鉄道用地となっています。

 

新津駅と言えば4方向へ向かうこの駅名標。新潟地区の鉄道の拠点を感じさせる看板です。

 

新潟市街へ入ってくると線路は高架へ登っていきます。

 

しばらくすると上越新幹線とも並走するようになりました。

 

E4系新幹線が停車するすぐお隣のホームに入線します。

こちらの新潟駅5番線ホームは2018年4月に高架化され、新幹線との対面乗り換えが可能です。

 

特急北越と、北陸新幹線・特急しらゆきを乗り継いだ場合を比べてみると、

所要時間…約3時間40分→約3時間15分に短縮、
料金…7990円→9690円(自由席)

になりました。

 

北陸新幹線開業でやや面倒になった金沢〜新潟、しかし今でも在来線特急がそれぞれの街を結びます。

 

現在上越妙高駅から長岡駅を新幹線でつなぐ計画も存在している所です。

もしよろしければこちらの記事も参考にご覧ください。

参考
次期新幹線の候補 羽越新幹線は本当に必要なのか?【羽越新幹線 前編】

羽越新幹線は富山から新潟を経由し、新青森に至る日本海を通る新幹線です。 開通すれば寝台特急、日本海やトワイライトエクスプレスのような大阪〜札幌のルートが出来上がります。東京を通らずに西日本と北日本が結 ...

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今回もご覧いただき、ありがとうございました。

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