今日は南海電鉄の羽衣駅にやって来ました。
羽衣駅があるのは大阪府高石市、大阪の中部辺りになります。
現在羽衣駅は高架化工事中で、和歌山方面の線路は既に高架化済みです。
そんな羽衣駅から伸びており、2021年から2024年に渡って運休となる路線があると言います。
高架化のために3年間も運休だなんて、一体どんな路線なのでしょう。
今回はまもなく列車が長期間走らなくなる路線をご紹介します。
3年間運休になる路線は、高師浜線。
羽衣駅から2駅だけ出ている、わずか1.5kmの短い路線です。
本数は日中でも1時間に3本あり、それなりの本数がある印象でした。
1番線は既に高架化されているため、かなりの遠回り。
一方でなんば方面や高師浜方面のホームはコンコースから階段を下りるだけで行けます。
ただし高師浜線は2番線をずっと歩いた先、切欠ホームになっています。
ちょうど高師浜駅から列車がやって来ました。
ここから折り返しの列車に乗車することにします。
これから高架化されるにあたって、地上ホームに高師浜線の列車が止まる光景も見られなくなります。
それでは羽衣駅を出発。
駅を出るとすぐに踏切が現れます。高架化されるのは踏切の撤去が一番の理由であり、これもまもなく撤去されるところです。
しばらく走っていると線路用地の右側にはすでにスペースが空けられています。これからの高架化工事にあたって、それに利用されるのでしょう。
南海本線上り線と別れ、右側へカーブしていきます。
地上区間を走っていたと思ったら、この先には驚きの光景。
なんと線路が段々と上がっているのです。もう既に高架区間へと向かいます。
これから高架化工事を行うのは羽衣駅から1.0kmの区間にすぎません。
そのために3年間も運休しなければならないなんて、鉄道の高架化がいかに大変なのか感じさせられます。
唯一の途中駅、伽羅橋駅に到着。ホームへ続く階段にはトタン屋根のつけられているのが目立ちます。
伽羅橋~高師浜が高架化されたのは1970年。それから50年後の今、全線高架化に向けて工事が始まることになります。
足元にはかつて地上を通っていたころのものであろう、路線の跡が残されていました。
終点の高師浜駅に到着。
南海では本線から出ていく短い路線について、駅のナンバリングを枝番で表記するみたいです。
こちらは羽衣駅の番号、16番から枝番を付されています。
駅舎内にはこじんまりとした窓口も。
更に窓の格子の組み合わせも普通と違っていて、味があります。
こちらの駅舎は何ともおしゃれで屋根は木造、壁にはステンドグラスがはめられています。
地上時代から使われており、西洋風の雰囲気が漂う建物です。
この高師浜周辺には浜寺捕虜収容所があり、ロシア兵が送還されていました。
当時ここに住んでいたのは3500人、それに対して28000人もの捕虜がいたそうです。
現在では住宅街に変貌しており、高師浜線はその住民のための路線として列車を走らせています。
3年間の運休の間、南海は代行バスを運行させます。
かなり大回りのルートを通るようで、バス停は駅からも遠いみたいです。
しばらくは駅としての機能もお休みになります。
高師浜線が地上の羽衣駅から発車するのは5月21日まで。ぜひ運休になる前に乗ってみてください。
今回もご覧いただき、ありがとうございました。