今日は富山駅前に来ています。
2015年に北陸新幹線が開業、高架化や駅の再開発が行われ、非常に発展しているところです。
2020年3月にはついに路面電車の停留所が高架下に開業。
富山駅北から岩瀬浜まで富山ライトレールとして運行していた所も、富山地方鉄道の路面電車と直通するようになりました。
今回はかつて富山ライトレールとして運行していた富山駅より北側に着目、LRT開業によって発展した沿線の観光産業について紹介します。
富山〜岩瀬浜はかつてのJR西日本富山港線です。
新幹線開業に伴う富山駅の高架化の際、利用客が減少していたこの路線を高架化するのは費用対効果が悪いとされていました。
しかし廃止してバスに転換した場合、周囲が市街地のため遅延など生まれやすくなります。
そこでJR西日本が提案したのはLRTでした。
低床型の車両のため多くの人々が利用しやすく、途中からは専用軌道に入ることで他の交通ともお互いに支障がない、LRTの成功例として注目を浴びています。
LRTは地元民が利用しやすいだけでなく観光客を呼び込むことにも寄与しました。
まずやって来たのは富岩運河環水公園。
最寄り駅はインテック前駅ですが、富山駅からも10分ほど歩いて行けます。
個々にあるのがスターバックスコーヒー。世界一美しいスタバとして有名で、多くの人々が訪れます。
夏の青空にクリアなガラスが映え、周りの景色にも馴染むデザインです。
かなり混雑する印象のこの店舗ですが、なるべく落ち着いた時に行きたいですね。
さて、続いてやって来たのは越中中島駅。
なんてこと無い停留場ですが、駅周辺には中島閘門と呼ばれる国指定の文化財が残っています。
そこへ向かう道中には分かりやすい案内がされていました。
かつて利用されていた運河の途中にある、こちらが中島閘門です。
ご覧のように水面の高さが異なり、船が通るときにはこれを同じ高さに調節して通れるようにしています。
富山港の歴史を知ることが出来るスポットで、ツアーで訪れたらしき観光客の方々も見られました。
LRTの開業後には並行する運河で富岩水上ラインと呼ばれる運河クルーズの運行が始まりました。
LRTはそれ自体が輸送を担うだけでなく、新たな交通まで生み出し、観光ルートが出来上がったということです。
さて、今度は終着駅の岩瀬浜駅。
路面電車の終点は線路が途切れていたりポールが置かれているだけの印象がありますが、普通鉄道と何ら変わらない車止めです。
プラットホームとロータリーは完全にフラットになっていて、ここからの移動にも便利な造りとなっています。
LRTの終点である岩瀬浜駅周辺は江戸時代から西廻り航路の港として栄えていました。
LRTの開業まで観光の日の目を見なかったここ、岩瀬地区。
交通機関の整備に伴った観光開発が進んだことによって今では多くの観光客が訪れています。
この古い町並みでは国指定重要文化財となった森家を中心に、廻船問屋の通りを見ることができます。さらに観光ボランティアガイドの方々も活発に活動しており、歴史の学習面における観光の質も上がりました。
最後は東岩瀬駅をご紹介します。
元々JRの西日本の路線だった富山港線。いくつかの駅にはかつての駅舎があります。
中でも東岩瀬駅は非常に綺麗に残っていて、案内板も立てられています。
木造駅舎やプラットホーム、上屋が完全に残されており、当時の様子が色濃く残されているところです。
こちらの駅名板もまたレトロな感じで、『瀨』の字も今の『瀬』とは異なっています。
奥にあるのが現在のプラットホーム。
普通車両の時代から相当ホームの高さが変わっているのが、よく分かりますね。
ホームにはJR西日本の簡易駅名標が未だに残っていて、当時の面影を感じられました。
駅舎内はソフトカラーで塗られて、優しい雰囲気になっています。
テーブルなどが並んでいて本来はサロンとして利用されているそうですが、新型ウイルスの影響で休館の様子。
それでも地元の方々に利用されて、昔ながらの建物が残っているのは嬉しいですね。
より多くの富山市民が利用し、生活も変えたLRT。
沿線の観光にもよく使われる交通だということをひしひしと感じることが出来ました。
今回もご覧いただき、ありがとうございました。