愛知 私鉄

豊橋鉄道 渥美線の終点、三河田原駅 〜安藤忠雄氏によって設計された駅舎〜

2020年7月8日

東三河のターミナル駅、豊橋駅からは中小私鉄である豊橋鉄道 渥美線が走っています。

あまりピンとこない鉄道ですが、愛知県の農業庫である渥美半島の田原市まで18キロを結ぶ路線です。

 

基本的には単線なのですが、終点の三河田原駅では線路が5本にまで分岐するというなんとも面白い駅です。

今回はそんな立派な駅である三河田原駅をご紹介します。

ホームには青と黄緑のグラデーションがかかった駅名標がかけられています。

全駅でこのデザインなのですが、沿線の自然らしさを表現したのでしょうか、明るい印象です。

 

三河田原駅は終着駅特有の頭端式ホーム。基本的には1、2番線から列車が発車します。

 

2面4線となっていて、1本留置線もあります。

3、4番ホームは早朝等に使われるだけで、こちらには屋根がありません。

 

お手洗いは改札内にあり、清潔にされています。写っていませんが、駅長室の入り口もこの横です。

 

改札口には簡易manaca改札機が置かれています。

どの駅にも自動改札はないので、磁気券ではない紙のきっぷは駅員さんに渡すことになります。

 

窓口横には自動券売機、manacaチャージ機が置かれています。

 

その反対側、駅舎内には田原市交流ひろばがあります。田原市で有名な様々なお花の鉢が並べられていました。

 

中にはこのようにカウンター席や丸いベンチが並べられ、自動販売機があったり、観光案内のテレビが流れていました。

 

階段を上った2階部分はミーティングルームとされていますが、実質的にフリースペースとして使えそうです。

上からは大きな採光用の天窓が付けられ、明るい印象ですが、熱くなりそうなのが少し気がかり。

 

上から線路を見下ろすことができ、子どもが列車を見られるように台も仕舞ってありました。

それでは駅舎の外へ。

扇形のようにカーブした駅舎、中央にホームへ人々が行き交うつくりになっています。

壁の正面から見ると駅舎の中の様子が見え、中にも光を入れることが出来るのですが、横から見るとルーバー(縦に付けられている板のようなもの)によって一枚の壁のようです。

 

この駅舎を設計なさったのは安藤忠雄さん。表参道ヒルズなどの建築を手掛けた方です。

『新しい田原の出発点』をテーマとして設計なさったそう。

終着駅だからこそ描けたプラットホームから一直線に歩いて始まる田原の旅を、うまく作られているように感じます。

 

もともと三河田原駅の駅舎は今の場所ではなく、右側の車が停まっている駐車場の辺りにありました。

 

蔵のようなデザインの駅舎で、1994年に建て替えられたもの。第1回中部の駅百選にも選ばれていました。

 

2013年に現在の駅舎に建て替えられ、このデザインの美しさに初めて訪れた人々を驚かせています。

 

最後に、三河田原駅の近くには線路のモニュメントが置かれています。

 

実は豊橋鉄道渥美線は渥美半島の更に先、伊良湖岬方面を目指して走り続ける予定でした。

また、実際に三河田原から2キロ程度の黒川原駅まで走っていたこともあります。今後、その廃線跡をご紹介します。

 

今回もご覧いただき、ありがとうございました。

【伊良湖岬を目指した鉄道】豊橋鉄道 渥美線(三河田原〜黒川原)廃線跡を歩く

豊橋鉄道の終着駅、三河田原駅にやってきました。 この駅舎が有名な建築士である、安藤忠雄氏によってデザインされたことについては、以前ご紹介した通りです。   三河田原駅前のロータリーには線路の ...

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