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【新幹線を走る地下鉄】170km/hの通勤列車が凄すぎた!ソウル地下鉄GTX-A

韓国で走る高速鉄道には、KTXとSRTの2種類があります。

こちらはSRTの終着駅、水西(スソ)駅です。

SRTはKTXより料金が低く抑えられていますが、その代わり列車が来るのはソウル郊外の水西駅までとなっています。

 

そんなSRTが走る高速線を使った新たな地下鉄が、2024年3月に開業しました。首都圏広域急行鉄道A路線、通称「GTX-A」です。

現在走っているのは、水西〜東灘の区間。これからソウル駅を通る線路が伸ばされます。

 

高速鉄道の線路を使っており、最高速度は170km/h。高速地下鉄とも言うべき未知の鉄道ですが、一体どんな路線になっているのでしょうか。



水西駅はソウル地下鉄3号線、KORAIL盆唐(プンダン)線、SRT、GTX-A線の4路線が集まるターミナル駅。

しかし、これら全てが地下にあるので、ちょっとした地下鉄駅みたいです。

一方で最初にご覧にいれたような立派な駅舎もあり、非常に大きな規模となっています。

 

入り口には各路線のマークが書かれていますが、GTX-A線の文字はまだありません。

 

エスカレーターを降りた正面の案内には、しっかりGTX-Aの表示。

SRTか地下鉄かで分けられているようでした。

 

少々地下通路を歩きまして、こちらがGTX-A線の改札です。

「首都圏出勤30分時代」と書かれており、郊外からソウル中心部までの速達性がアピールされている様子。

 

外国人が利用することは考えられていないため、発車標は日本語どころか英語すら出てきません。

 

改札横にタッチパネル式の自動券売機があります。

 

こちらに関しては日本語に対応していたので、非常に分かりやすかったです。

 

このような紫色のカードが出てきました。

終点の東灘(ドンタン)駅まで、カードの保証金500ウォン含め5,050ウォン(約555円)。全区間11.2kmの割には、少々高め。

 

Suicaのようにタッチすることで、改札内へ入ることができます。

このほか韓国の交通系ICカード、Tマネーカードも利用可能です。

 

1時間に2,3本が基本になっており、首都圏の鉄道にしては本数が少々少なめ。

 

改札からは地下深くへ潜っていきます。まるでシェルターのような深さ…



2分くらい掛かりまして、ようやくプラットホームに到達。

開業から4ヶ月とあって、非常にピカピカ。床も一面光り輝いています。

 

ところで気になるのが、お客さんの少なさ。それなりにお客さんが増えそうな夕方になりましたが、ソウル市内とは思えないほどまばらです。

 

それもそのはずで、この路線はまだ部分開業の段階。中心部を発着しておらず、郊外同士しか結んでいません。

2024年3月の開業時は全部で3駅でしたが、6月29日に駒城(クソン)駅が開業して4駅になりました。

 

フルスクリーン型のホームドアで囲われており、非常に安全。

先頭だけ出っ張っていて、ホームドアと列車の距離が広く取られていました。

 

どうしてもホームドアがあるため、列車の顔を見ることは非常に難しいです。

 

広告にあった画像を見たら、こんな感じみたい。

都市鉄道らしいデザインでありながら、いかにも早く走りそうな流線型をしています。

 

機械で掘削が進められた、綺麗な丸型のシールドトンネル。

運転手さんが確認するのであろう、モニターみたいなのが見えています。



まずはこちらの車内を見てみましょう。

一歩踏み入れて驚いたのが、床がカーペット敷きになっていること。

日本じゃ特急のグリーン車レベルじゃないかと思います。

 

一方で座席はプラスチック製。これは海外なら割とスタンダートです。

 

ドア上とロングシートの中央部に液晶ディスプレイが設置されており、情報が非常に見やすいです。

通常の座席は背もたれが白色なのですが、色がついていると優先席。

 

席数が多いだけでなく、ピンク色は妊婦さん用だったりと、種類が豊富です。

 

車輌端にも優先席があって、こちらは黄色。ここまで区別するとはちょっと違和感があります。

 

バリアフリーにも配慮されており、車椅子やベビーカーのスペースも設けられていました。

 

この車両はA000系。韓国を代表する鉄道車両メーカー、現代ロテムが製造しました。

 

使えるのかよく分かりませんでしたが、Wi-Fiを設置。防犯カメラもありました。

 

座席に座って正面を向いた様子。一席ごとに肘掛けが設けることで、区画を分けています。

 

乗降扉は片開きで大きめ。JR北海道の通勤電車みたいですね。



17:48 水西駅 発

列車は水西駅を出発。走行中の様子をじっくりみてみましょう。

 

地下路線なのではっきりとは分かりませんでしたが、SRTの線路「水西平沢高速線」へ。これによりSRTとの線路共用区間へ入ります。

 

車内の液晶ディスプレイを見てみると、未開業区間のソウルや雲井駅が、既に灰色で描かれていました。

 

列車は8両編成。各駅の階段案内などがされるのも、日本と同じです。

 

100km/hを超えると現在のスピードが表示され、151km/hまで上がりました。



5分ほどで次の駅、城南(ソンナム)駅に到着。

KORAIL京江(キョンガン)本線との乗り換え駅で、どちらの駅もGTX-A線開通とともに設置されました。

 

途中駅からのお客さんもそれなりにいらっしゃって、座席は3分の1くらい埋まる程度に。

 

ここから駅間距離が比較的長いところで、最高速度の170km/h目前まで達しました。

日本の在来線では京成スカイライナーの160km/hが最高。

 

地下区間なので分かりづらいとはいえ、ロングシートの通勤電車がこれほど高速で走っているなんて、信じ難い光景です。

また、床にカーペットが敷かれているためか、地下鉄とは思えないほど非常に静かでした。

 

6月に開業したばかりの、駒城(クソン)駅に到着。

非常に明るい色合いで、地下鉄の薄暗さを感じさせません。

KORAIL水仁・盆唐線と乗り換えられます。

 

駅停車前には、このような表示に。液晶ディスプレイの表示内容も、全体的に分かりやすいですね。

 

最後の区間でもしっかり速度を上げてくれて、遂に165km/hまで。

最高速度170km/hまでは見られませんでしたが、十分高速走行を堪能できました。

 

さらにさらに、途中の区間ではSRTとすれ違い!

地下鉄車両に乗りながら高速鉄道とすれ違うなんで、本当に未知の世界です。

 

徐々に速度を落としつつ、終点の東灘(ドンタン)駅に到着です。

島式ホームを挟んで向かい側がSRTのホーム、線路を共用してきたことがよく分かる構造になっています。



18:09 東灘駅 着

ソウル市から来た夕方の地下鉄にしては少ないですが、思ったよりは多くの方が利用されていました。とんでもなくガラガラという訳ではなさそうですね。

 

5分もしないうちに列車は、折り返しのため引き込み線へ回送されていきました。

ここは降車ホームで、乗車ホームと別になっています。

 

島式ホームの左側がGTX-A、右側がSRTの構造。改札を出るだけで簡単に乗り換えられます。

SRTは低床ホームなので、ホームドアの高さもかなり異なっている様子です。

 

入場した時と同様に、カードをタッチして出場。

改札機にはGTX-A線開業を記念して、花火が打ち上がっていました。

改札を出たところにはSRTの発車標が大きく設けられていたりと、SRTとGTX-Aが完全なる同じ駅です。

 

発車標を見てみると、18:31発に水西行きのSRTが来る様子。

 

線路を共用しているので、途中駅に停車するGTX-AはSRTの邪魔をしないようにダイヤを組む必要があります。

SRTの合間を縫っており、本数がどうしても少なくなってしまうのです。

 

ちなみに東灘駅のホームは地下深く、地上に出るのに一苦労。改札は地下6階にあって、3階分駐車場が設けられています。

どうやら地下1階部分に、京釜高速道路を地下化するためのトンネルがあるみたいです。

 

水西駅から東灘駅まで21分、平均85km/hで走っていたことになります。

2026年には雲井駅まで全線開通予定、ソウル駅を通るようになってかなり便利な路線になりそうです。

 

首都圏広域急行鉄道「GTX」A線に留まらず、他にもB線、C線が計画されています。

高速地下鉄が広大なソウル都市圏を作り上げる未来が非常に楽しみです。

 

今回もご覧いただき、ありがとうございました。

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