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1912年から歴史を積み重ねている東京駅、ここからは国鉄の特急列車が発着しています。
今回乗車するのはそんな特急列車、踊り子号です。
185系によって運行されており、2021年春で定期列車としての運用を終了することが決まっています。
185系に乗るのはムーンライトながらに乗った以来。せっかくなら国鉄特急から昼間の景色を見よう、そして空いているグリーン車から窓を開けて車窓を楽しもうと思い、乗車を決めました。
色々ペタペタと貼られたであろう跡が残っていますが、踊り子号の特急券券売機がホーム上にあります。
今後は『湘南』が貼られ、『自由席』が消されることでしょう。
列車紹介
さて、ここからは踊り子のグリーン車に乗車しまして、静岡へ向かいます。
号車番号を差し込んでいたであろう所をはじめとして、この列車には古くからの様子がそのまま残されているのが魅力です。
車内へ入ったところすぐにあるのはくず物入れ。字体はもちろん、『たばこのすいがらは入れないでください』と書かなければならない時代から走っていたということが伺えます。
グリーン車のデッキには様々な部屋があります。
特に車販準備室は今となっては必要なくなってしまいました。ここにワゴンを入れて多くのお客さんに提供する用意をしていたのです。
もちろんお手洗いなどの設備もあります。
もともとは和式だったのですが、無理やり様式のものをはめ込んだということがよくわかります。
向かい側には洗面台もあって、滑りづらいカーテンで目隠しもできます。
グリーン車に入る扉の窓は曇っていて、室内の様子はよく分からないようになっています。取っ手がついていてなんだか手動ドアに見えますが、書いてあるように自動です。
しかしセンサー式ではなく、足元にあるこの四角い部分を踏むと開く機構になっています。これもまた時代を感じさせますね。
グリーン車座席
座席はそれなりの幅がありますが、やはり豪華さには欠けるもの。しかしそれが悪いとは思わず、昔はこうであったのだと言うことを実感できます。
リクライニングはぱっと見以上に倒れてくれるので、十分ゆったりした移動が可能です。
フットレストは土足面のみとなっています。また、背面テーブルはありません。
さすがにインアームテーブルはありますが、少々小さめ。国鉄特急はグリーン車ですらこのレベルであり、車内設備の進化が感じられました。
出入り口の上部分、今なら電光掲示板で案内がなされるところには伊豆にちなんだ絵が掛けられていました。昭和の家庭のような様子が感じられます。
座席のポケットには2021春のダイヤ改正で踊り子が大きく変化することをお知らせするパンフレットが入っていました。
迫力ある列車の走行
今回端っこの座席にしたのは、窓を開けた列車の走行を楽しむため。東京駅から乗ってこられた方はお1人、端っこ同士だったので橋梁やトンネルなどに気を付けながらいきましょう。
9時ちょうど、特急踊り子は東京駅を出発しました。
まず流れるのは鉄道唱歌のオルゴールのチャイム。出発時に流れるこの音楽を聞き逃せません。
しばらくすると左手に東海道新幹線が現れます。国鉄特急の窓を開け、日本を代表する高速鉄道と並走する光景は大迫力です。
朝日はきらきらと川を照らすとともに、長年使われた窓を目立たせます。
東京から横浜では首都圏らしく、たくさんの列車が横を走っていきます。多くの人たちを輸送するこの様子を直に楽しめる体験ができるのは本当に貴重なものです。
さらに左手にはライバルの大手私鉄、京急もやってきました。
横浜駅に到着。運よく離れたところとはいえ、お客さんも数人お乗りになったので窓開けは遠慮がちに。撮影時のみということにします。
藤沢駅周辺では215系が回送されるところが見られました。
大きなモーター音をBGMにしばらく眠っていると、海が見えてきました。
特に根府川駅周辺では東海道本線でも一番の景色が見られます。
実際にはこれからも景色は変わりませんが、この空間から見られるというのが重要な点。
大きな音を立てながら走る国鉄特急から眺められるのは、ノスタルジックな雰囲気がいっぱいです。
湯河原駅に到着。駅前後には温泉街を含む街が広がっています。
お隣の熱海駅に到着しました。
熱海駅では伊豆急下田行きと修善寺行きの切り離しが行われます。
今後は自由席がなくなりますから、この案内表示も過去のものになることでしょう。
平日でも結構な人数がここに集まっていました。
先に発車するのは伊豆急下田行きです。
さて、熱海からは修善寺行きのほうに乗り換えます。
こちらにはグリーン車の設置はされておらず、普通車のみです。
普通車座席
普通車の座席はグリーン車よりも横幅がやや狭いですが、正直快適性は違い無いように思います。
こちらには背面テーブルが設置されています。この黄色くなっているのがまた良いですね。
テーブルの大きさはやや小さめ。最近のテーブルは畳んだとき座席と幅が同じくらいですが、こちらは一回り小さくなっています。
座席下にはいろいろ設備を入れる必要があった時代なので、足を伸ばすことはできません。
熱海駅を出発
うっかりしていたのですが、左手には伊豆急ロイヤルエクスプレスが停まっていました。
列車は長い丹奈トンネルへ。窓に映る座席の様子はムーンライトながらを思い起こさせます。
三島駅に到着。僅かな時間でしたが、もうここで降りてしまいます。
車内では鉄道系動画投稿者の謎のちゃんねるさんに声をかけていただきました。
ここから伊豆箱根鉄道へ旅行のお客さんたちを連れていきます。これほど乗っていて非常に楽しい列車、ぜひとも乗っていただきたいものです。
今回もご覧いただき、ありがとうございました。
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