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【函館〜長万部 路線バス3時間の旅】函館本線が廃止されるとこうなります

2022年9月1日

 

函館から小樽・札幌を経由して函館までを結ぶ函館本線。ここ函館駅は始点の駅です。

 

2030年の北海道新幹線札幌延伸により、並行在来線の函館本線(函館〜小樽)は経営分離。そのうち貨物の走らない長万部〜小樽は廃止が決まっています。

 

新函館北斗〜長万部については貨物線として残すと考えられる区間です。全体からの割合としては小さいですが、青函トンネルを通って北海道と本州の物流を支えます。

 

鉄道が無くなった場合、路線バスで代替されるのが殆どです。函館〜長万部では、既に函館バスによる路線バスが走っています。

 

本数は1日9本で割と多い印象。かなり長い行程ですが、函館本線と並行する運行の様子を見てみましょう。



この路線バスは函館バスセンターから出発しています。

4つ目の停留所がここ函館駅前。地元の利用者さんも5,6人程いらっしゃしました。

 

函館市電や函館バスではICASnimocaを導入しており、全国相互利用交通系ICカードを利用できます。

JR北海道の函館地区には一切導入されていませんが、こちらは長万部までそのエリアです。



07:28 函館駅 発

JR北海道と深い関わりのあるデンマーク国鉄と、共同で設計された函館駅。2階建ての平べったい駅舎で、駅前には独特なモニュメントがあります。

 

2022年9月で引退する、281系の特急北斗が停車中。特急北斗の始発は6:02発でかなり早い時間。

それでも札幌に着くのは9:50、北海道新幹線が開通すれば1時間ちょっとで結ばれる予定です。

 

車両基地にはカラフルなキハ40が特徴的な、第三セクター道南いさりび鉄道が停まっていました。

また、写真では映せませんでしたが、函館本線上にはTrain Suite四季島がいました。今日は北海道ルートの日で、朝の函館にて観光を楽しまれます。

 

ホテルが林立していた函館駅前を出まして、小さなお店が立ち並ぶように。

 

五稜郭駅が近くなると、コンテナを連ねた貨物列車が現れます。これから道南いさりび鉄道に入って、本州へ向かうのでしょうか。



五稜郭駅前を通過しました。

五稜郭に行くには函館駅からバスや函館市電が便利。ここから歩くと30分くらいかかります。

 

片側二車線の道路が続いており、車はまあまあ多い印象。

 

しかし、自動車専用道の函館新道へ分かれますと、その数は減りました。路線バスは国道5号を走り続けます。

 

やきとり弁当で有名なコンビニ、ハセガワストア。函館には頻繁に来ていますが、中々食べられません。

焼き鳥と言っておきながら豚肉ですが、ジュワッと焼き立てのお肉は格別です。

 

こちらは何の変哲もないミスタードーナツ。しかし、函館市内のミスドは1個60円と破格です。

函館地区のミスドは人気ベーカリー「キングベーク」がフランチャイズ契約をしています。キングベークは2000年、本部に価格引き下げを申請し、特別価格で販売できることが決まりました。

 

桔梗駅近くにある桔梗バス停、ここからは高速バスはこだて号も発着していて、札幌まで長距離バスで行けます。

 

桔梗バス停が函館市の境になっており、バスは七飯町に入りました。カントリーサインは大沼公園、函館本線は新函館北斗駅で北斗市に寄り道しますが、七飯町はそれより北の範囲も含まれます。

 

函館本線は大中山駅まで国道5号と並走、ここから新函館北斗方面へ徐々に離れます。



バスはちょっとした丘を登りまして、七飯町の中心部へ向かっているところです。

左手に注目していると遠くには函館新幹線総合車両所、そこから北海道新幹線へつながる高架線が見えました。

 

七飯駅から右の丘を登っていくと、七飯高校に突き当たります。

新函館北斗~函館はアクセスを担う途中に位置するため、鉄路は第三セクターで残される予定。七飯町と函館市は強い結びつきがあり、結果的には利便性が保たれて良かったです。

実際函館から乗車されていた方々も、七飯町内でほとんど降りていかれました。

 

函館本線は七飯駅から二手に分かれます。

貨物列車の走っているのが見えますが、こちらは新函館北斗駅を経由しない藤代線です。

 

ちょうど正面に続く国道を越えていきました。

 

もうしばらく進むと、東横インを目印に新函館北斗駅が見えました。

今バスの走っている地域が藤城と呼ばれる地域のため、新函館北斗駅を通らない線路は藤城線と呼ばれています。

ただし、函館~長万部が貨物線として存続したとしても、この線路は継承しないと朝日新聞が報道しています。元々勾配緩和のために敷設された線路ですが、線路維持と機関車の燃料を天秤にかけた結果、廃止した方が良いと判断されたのでしょう。

 

自動車専用道の函館新道が合流してきまして、ラッキーピエロ峠下総本店が見えました。夜にはイルミネーションも行われて、派手さに拍車をかけます。

 

北海道新幹線開通後、2018年にオープンした道の駅なないろななえ。まだ開店前でありながら多くの車が停まっていました。

函館市近くには長らく道の駅が無かったため、国道5号を走る方には非常に助かるスポットでしょう。



現在路線バスはこの通り、新函館北斗駅から離れたところを走っています。

新函館北斗~長万部の旅客鉄道が廃止された場合、この路線バスも新函館北斗駅を必ず通る必要があるでしょう。

函館~森~長万部のバスは七飯町ではなく、新函館北斗経由になりそうです。

 

大沼トンネルでもって、山の中を貫きます。

地方ではよくあることですが、ナトリウムランプの中を路線バスで走っていくのはどうしても違和感です。

 

函館本線からは左手に見える小沼。国道5号線は西岸沿いを走るため、右側に見えます。



森町に入りまして、赤井川駅周辺です。

再び現れたラッキーピエロ、ロードサイドにいくらでもありますね。

 

大沼公園ICが現れまして、ここから道央自動車道が始まります。

札幌を経由して、現在は宗谷本線沿いの士別剣淵ICまでつながっています。

 

右手の森の中に敷設された函館本線。まるで野生動物のように貨物列車が走っていました。

 

大きな駒ヶ岳の麓を、長いコンテナがずっと続きます。北海道の鉄路は頻繁に貨物が行き交っていて、なんだか頼もしく感じるもの。

この状況を見ていると貨物まで廃止とは考えられませんが、どうなるんでしょうか…。

 

次の停留所は姫川駅。2016年に廃止され、現在は姫川信号場になっています。

 

バスは国道5号から少々外れまして、森町の中心街を走っているところです。



バスは特急北斗も全停車する、森駅前に到着します。

ここでは8分ほどの停車時間がありました。

 

丁度やってきたのは特急北斗4号函館行き。281系での運行でした。

 

森町と言えば駅弁のいかめしが有名です。駅前にはその販売所がありますが、営業は9時からになります。

 

森町は北海道新幹線が来ると、新幹線駅も無ければ、特急どころか旅客輸送も無くなる可能性が濃厚。函館や八雲への公共交通を十分に整備する必要があります。



函館本線は森駅から先、内浦湾沿いを走ります。

これは路線バスも同じ。線路もすぐ横に敷かれていまして、ほとんど同じような景色です。

 

バスは国道5号に戻って来ました。部分部分に港町が広がり、それぞれの町に普通列車停車駅が位置します。

 

そんな普通列車停車駅ですが、駅の廃止が相次いでいます。石谷駅は2022年春に廃止して信号場に降格されたばかりです。

全く秘境駅ではなく駅舎も立派。しかし、無情にも窓や入口は全て板で打ち付けられています。鉄道はこの地域の人々にとって、本当に利用されることが無いのですね。

 

バス車内も完全にローカル路線バス。お客さんもまばらです。

 

それにしてもこの内浦湾の景色は本当に素晴らしいもの。どうしてもキハ40から窓を開けて感じる旅情が恋しいですが、それも永遠には続きません。

 

2022年3月に廃止された本石倉駅。ここも出入り口部分はロープで塞がれていました。

 

ちょうど後ろからは貨物列車が通過して来ます。

 

函館本線の上を越えたところ、海岸沿いを駆けていく貨物列車の雄姿は勇ましいものです。

 

後ろを振り返りますと、渡島半島のカーブと亀田半島の突き出しによって、海に浮かぶ駒ケ岳をわずかに見えました。

 

セイコーマートもあって特に大きな集落の落部駅周辺、ここからは5,6人くらい乗車されます。

 

港町が広がる中では各バス停で乗ってくるペースになりまして、野田生駅を出た時点で座席が大分埋まります。

八雲町の中心街へ買い物や通院、通学などの需要でしょう。それにしても落部駅や野田生駅からこれほど乗られるとは、鉄道よりもバスの方が選択されている印象です。

 

山越駅の近くには江戸時代の関所跡があって、日本最北端の関所とされます。駅待合室もそれにちなんだデザインです。

 

奥には八雲町の市街地が見えてきました。人口は15,000人で、函館本線沿いではかなり大きな町になっています。

 

八雲総合病院では3人ほど下車。見た目からもかなり大きな病院であることが分かります。



八雲駅では高校生の生徒含め10人ほど下車。

八雲町では市街地から離れた位置に、北海道新幹線の新八雲駅が設置予定です。

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メインストリートにはたくさんのお店が立ち並んでおり、大都会っぷりを窺えます。

 

川を越えますと大分のどかな光景へ戻りました。

 

山崎駅の近くには「アウル」という喫茶店がある様子。こういった小さな駅の近くの喫茶店って、アクセスしやすいのに知られていない感があって面白いですね。

 

近くの山崎小学校は2021年3月に廃校になったばかり。まだまだ綺麗な状態で保たれているみたいです。

 

海岸には「神の石」を意味するシュマカムイがありまして、大漁と海難防止を願って祠が建てられています。

 

途中にはロコツなバス停も…。

 

函館本線を越えまして、国道5号の西側を並行する道へ。

 

ご覧の通り、わざわざ凄い田舎道を走っていきます。

元々この区間も国道5号だったのですが、こちらの町道の方が住宅が多いため、経路変更によってここを走るようになりました。

 

大きなトラックも走る国道5号、その向こうには静かな海が広がっています。

 

2016年に駅から降格された、北豊津信号場に続く道です。

経路変更した結果か、次の中豊津では1人乗ってこられたので利便性は上がったのでしょうか。

 

函館本線を越えて、再び国道5号に戻ります。

 

国縫にて1人下車。雪の中でも待てるように待合室が設置されています。

 

近くの国縫駅からは日本海へ向かって、国鉄瀬棚線が伸びていました。長万部~瀬棚には路線バスが整備されています。

 

左手の函館本線では、もうすぐ長万部駅に到着する特急北斗5号が追い抜いていきました。おそらく森駅で見た列車の折返しでしょう。

 

長万部駅の1つ手前、中ノ沢駅です。北海道でよく見る貨車を転用した待合室で、青くカラフルに塗られていました。

 

長万部町と言えばカニ弁当が有名、国道沿いには古くからありそうな沢山の店舗があります。

 

かつてはこのようなドライブインなど非常に栄えたそうですが、道央自動車道の開通によって国道5号沿いも衰退。これらのお店も大きな影響を受けました。

 

線路の向こう側には、東京理科大学北海道・長万部校舎があります。

2020年までは基礎工学部が1年次に全寮制教育を行っていましたが、改組によって、国際化のための教育拠点に変わりました。



函館駅から3時間かけまして、奥には長万部駅が見えてきました。

お店があるのは右側とはいえ、ちょっと寂しい感じ。北海道新幹線の駅が開業すれば生まれ変わるのでしょうか。

 

函館駅前~長万部駅前の料金は1900円。函館本線だと普通列車で2420円となっており、路線バスの方が安いです。



10:29 長万部駅前 着

実は函館~長万部は、普通列車で移動しても所要時間は3時間ほど。路線バスでもそんなに変わらず、デメリットは快適性ぐらいでしょうか。

 

函館本線の8年後を体験してみて改めて思うのは、今の鉄道旅を堪能しつくしておこうということ。旅情のための鉄道存続は決して望めませんから、後悔しないようにしたいです。

 

今回もご覧いただき、ありがとうございました。

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