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列車内が工芸品だらけ 山陰地方を走る観光列車あめつち乗車記

2021年12月16日

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ここは鳥取県、関西からの特急スーパーはくとの終着駅としても知られる、倉吉駅です。

 

今回は山陰を走る観光列車、あめつちをご紹介します。

 

この列車は2018年夏季に行われた山陰デスティネーションキャンペーンに合わせ、運行を開始しました。

ほとんど観光列車がなかった山陰地方ですが、鳥取から出雲市を結ぶ列車として便利に利用できます。

紺碧色をした列車が入線してきました。

高級感のある深い色合いで、荘厳な雰囲気を漂わせています。

 

座席配置は2人掛けや4人掛けのボックス席、窓側を向いたカウンター席など様々です。

 

9:48、倉吉駅を出発します。

 

早速車掌さんがやって来まして、オリジナルのスタンプを押してくださいました。

この列車は全車指定の普通列車グリーン車なので、青春18きっぷで乗車することはできません。

 

その他にパンフレットとして、あめつち手帖、車窓手帖が手渡されます。

 

山陰地方の神話に関連した観光案内や、車窓について詳しく紹介されています。

 

この車両はキハ47を改造して作られました。

 

そのため仕方がないことですが、このように窓枠が合わないところも出てきてしまっています。

 

由良駅では信号待ちのため、少しの間だけ停車。

北栄町は名探偵コナンの作者である青山剛昌先生のふるさと、コナン駅として有名です。

あめつち車内には工芸品を含め、かなり凝った装飾がたくさんあります。

工芸品としてまず目につくのは、テーブルにはめ込まれているタイルでしょう。

これは石州瓦のタイルで、出雲で採られる来待石のうわ薬を使用した、伝統的な技法を採っているとのことです。

 

天井では因州和紙が車内を彩っています。

落水石と雲竜紙の2種類があり、前者は丸い模様がある手前の青いものです。

 

2号車の方は赤と緑色で、より鮮やかな印象をもたらします。

 

窓枠には島根県産の隠岐の黒松を使用した装飾がなされていました。

神話にまつわる絵柄が刻まれています。

 

各車両の乗降口付近には織物が展示されており、1号車には安来織・出雲織、2号車には倉吉絣・弓浜絣が張られていました。

 

洗面台の鉢には山本教行氏による岩井窯が使用されています。

うわ薬を含ませた刷毛を器に打ち付ける打掛けという技法を利用、独特な模様が描かれています。

 

2号車の方には、智頭杉が使われています。

こちらも神話にまつわる絵柄ですが、特に鳥取を思わせる『因幡の白兎』に関連した、和邇とウサギが彫刻されていました。

 

カウンター付近では、煌びやかな神楽刺繍が存在感を表していました。

石見神楽衣裳を象徴する龍と渦巻き。日本海の荒波と千鳥、たなびく八雲、風に舞う松葉を取り入れた山陰の風情を織り込んでいます。



列車の中を見て回った後は、車窓へ目を向けてみましょう。

すぐ横にという訳ではありませんが、日本海が広がっています。

 

赤崎駅で特急スーパーまつかぜ6号と行き違いました。

 

左手には大山が見え始めています。雲には隠れていますが、むしろ神々しさを感じられました。

 

下市駅で、今度は特急スーパーおき3号が追い抜いていきます。

 

御来屋駅の駅舎は1902年に作られました。子の駅舎は山陰最古のものです。

 

海の向こうで平たい島のように見えているのは、弓ヶ浜半島です。米子から境港の方へ、ツノのようにして伸びています。

 

先ほどから左手に見えていた大山ですが、表情を変えて非常に綺麗な姿を見せてくれています。

この山は中国地方最高峰の標高1729mで、伯耆富士とも呼ばれます。

 

伯備線の分岐駅である伯耆大山駅に到着、少しだけ顔をのぞかせているのは貨物列車です。

ここから先は電化区間になりますが、引き続きディーゼル列車として走ります。

 

モクモクと白い煙が立っているのは、王子製紙米子工場。米子市に囲まれた日本で4番目に小さな村、日吉津村にあります。



2号車の物販カウンターでは、車内販売が行われています。

山陰や列車にちなんだ商品が揃っていました。

 

鋭く刻まれた列車のロゴマーク。列車に揺られ、ゆったりとした時間が流れます。

 

メニューはご覧の通り、軽食やグッズが中心です。

お弁当やスイーツについては、4日前までに事前の予約が必要になります。



米子駅に到着。

発車標には倉吉駅と異なったデザインの、あめつちの表示がされていました。

 

ここでは8分間の停車時間があります。

 

車両側面には山陰の山並みをイメージして描かれています。

 

書き下ろしたのは、ジブリ作品でも多く参画している吉田昇さん。車内には原画の一部分が展示されていました。

写真では表すことの出来ない独特のグラデーションが心を落ち着かせます。

 

ここから先の方が景色が良いため、非常に人気。お客さんも増えました。

 

広々とした車両基地に停まるたくさんの列車に見送られながら、米子駅を出発します。



島根県に入りまして、安来駅に到着です。

この駅では地元の方が、盛大にお出迎えをしてくださいます。

 

安来市というと安来節が有名。

どじょうすくいの恰好をされた方々が列車の横をゆっくり通って行かれます。

 

三味線による軽快な音楽も流れており、非常に楽しませていただきました。

 

安来市はWEST EXPRESS銀河の運行でも特に歓迎ムードにあった印象があり、観光振興に総力を挙げているのでしょう。

 

さて、その先で広がるのは中海。日本で5番目に広い湖となっています。

あめつちで最も魅力的なのは、この辺りの湖の景色でしょう。

 

中海と宍道湖は大橋川で繋がっています。

 

その川に浮かんでいるのが塩楯島、島全体が手間天神社の境内です。



島根県最大の松江駅では、11分の停車です。

向こうには岩見神楽ラッピングの列車が停まっていました。

松江駅では撮影クルーの方々が乗車。おそらく自治体の観光課のような所がいらっしゃったのでしょう。

 

松江市の町中を高架線で走っていきます。

 

それを抜ければすぐに見えてくるのが、宍道湖です。とにかくシジミで有名なこの湖、僅かに波打つ静かな景観で、荒々しい日本海とは違った楽しみ方ができます。

 

列車はこの辺りで徐行しており、その間かなり明るいテーマソングが流れています。この景色を音楽でも盛り上げてくれているのです。

 

来待駅のホーム上には、来待石の原産地という碑が立っていました。

かなり前に説明しましたが、来待石は列車のテーブルにはめ込まれた石州瓦のタイルに塗られた『うわ薬』の原料です。

 

かなり長い間楽しませてくれた、宍道湖ともお別れ。



信号待ちで停車している荘原駅は、湯の川温泉の最寄り駅。

因幡の白兎に登場する八上姫が温泉で旅の疲れを癒やしたと言われており、駅舎周辺にはモニュメントや壁画がありました。

 

斐伊川をゆっくり渡りまして、終点の出雲市へ。

 

高架線を走っていくと、一畑電車が停まっていました。

地方私鉄とは思えない新しそうな車体、非常に可愛らしい姿です。

 

そして単線のために、あめつちの到着を待っている特急やくも。国鉄特急らしい顔つきをしたこの列車を見ると、何だか安心感があります。



鳥取から乗車すると3時間半ほどかけて12:32、出雲市駅に到着しました。

しばらく停車しているとの放送があったので、撮影はしやすいです。

 

あめつちは観光列車の中でも、特に地域の魅力を感じられる列車に思いました。

山陰地方の工芸品や神話に親しむことができ、移動の間に地域の魅力に触れるという、観光列車の良さを発揮し尽くしています。

もちろんその行程には素晴らしい景色があって、手渡されるパンフレットには、その光景が詳しく紹介されていました

 

間違いなく楽しめる観光列車だと思いますから、山陰へ来られる際には、ぜひ乗ってみてください。

 

今回もご覧いただき、ありがとうございました。

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