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【超ローカル新幹線】鉄道ホビートレインで行く絶景の予土線[史上最長片道切符の旅(25)]
今回のルート 宇和島~窪川 宮崎のような南国風の駅前とは裏腹に、雪も降る極寒の宇和島駅です。 ここからはJR四国で一番奥地にあるローカル線、予土線に入ります。 ...
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窪川〜高知
予土線の普通列車で、高知県の窪川駅にやってきました。
香川県多度津市から四国山地を貫き、高知県までを結ぶ、土讃線の終着駅です。
ここから乗車するのはJR四国で運行される『ものがたり列車』のひとつ、志国土佐 時代の夜明けのものがたりです。
全車グリーン車の特急で、上り列車は「開花の抄」と呼ばれます。
※定期列車ではない便のため、予讃線での運行
同区間ではトロッコ列車の『志国高知幕末維新号』が走っていましたが、2020年に特急列車として生まれ変わりました。
新しくなった観光特急の姿をじっくり見てみましょう。
観光特急の装飾は、窪川駅の駅舎にも及びます。
レストランしまんとえきめしFORMが入居する横には、待合スペースが作られていました。
目を惹くのは、列車のシンボル「登りゆく太陽」を用いた照明ポール。列車両端に飾られているのと同じサイズとのことです。
列車は音楽を奏でながら、窪川駅に到着します。
1号車はKUROFUNE。これこそ龍馬が深く関わった、幕末を象徴する言葉ですね。
2号車はSORAFUNE。JR四国によると、『龍馬たちが水平の向こうに夢見た新しい時代の夜明けを連想させ』ています。
扉の前にはこのように、オリジナルのマットが敷かれます。アルコール消毒をしまして、車内へ。
この列車はキハ185系の改造車。そのため折戸に凹みがあったりと、多少の古さは見受けられます。
しかし、車内は『文明開化ロマンティシズム』をコンセプトとして、完全に生まれ変わりました。
こちら、2号車のSORAFUNEは宇宙船をイメージしています。
頭上には星空が広がっておりまして、非常に幻想的です。
一方で1号車KUROFUNEは蒸気船をイメージ、天井のくり抜かれた部分は明るくなっており、開放感を与えられます。
現在はコロナ対策でカウンターになっていますが、本来は「高知家の団らんシート」という向かい合った座席でした(1AD,2ABCD,3ABCD,5AD席)。
車両間にある貫通扉は、鏡張りでピカピカです!
全体的に金属を使ったキラキラ系が多い印象を持ちます。
2号車は普段からカウンター配置となっていまして、今回は海側座席です。やっぱり1人ならこちらの方が気楽ですね。
椅子は下のレバーで回転せられ、座面もフカフカです。
テーブル上にはランチョンマットやパンフレットなど、すでに色々置かれています。
JR四国の観光列車は、団体の観光列車を思わせるほどの特別感があるのです。
各座席にはコンセントの他、ディスプレイが設置されており、前面展望も楽しめます。
車両端にカメラが設置されておりまして、ここの映像を映しています。
1513 窪川駅 発
JRのホームだけでなく土佐くろしお鉄道の駅舎からも、社員さんがお見送りしてくださいました。
更に駅舎と反対側では、カラフルな風船で華やかに手を振ってくださいます。まるでデビュー初便かのようなお見送り、これが毎回なんて本当にすごいことです。
列車は田んぼの中を駆け抜けますと、トンネルを通って山をぐんぐん登っていきます。
2号車にはカウンターを設置。
結構コンパクトな作りですが、ここで車内販売が行われています。PayPay等での支払いも可能です。
メニューはご覧のとおり。
予め予約が必要な食事は乗車日の3日前〜2日前正午、メールにて受け付けています。
伊予大洲駅にてこれで駅弁でも、と頂いた支援がありましたので、車内販売で取り扱っているカツオデニッシュを。オレンジジュースとのセットで1000円です。
中には鰹の身、鰹ラー油、じゃがいもが入っており、食べごたえがあってとても美味しいです。
乗降可能な途中停車駅は、土佐久礼駅だけ。
ホームには狐さんがいらっしゃって、中々驚かされます。
駅舎では中土佐町のマーケット、久礼大正町市場さんが出店。カツオを中心とした様々な商品を取り揃えていました。
山がちな区間を過ぎますと、太平洋が広がってきました。
安和駅にて一旦停車。
弓なりの砂浜を作り上げる、安和海岸を眼の前にします。
その先、コンクリート橋が連なる第二領地橋梁にて徐行が行われます。
ここでは太平洋を一望できまして、突然果てしない水平線が現れるのは、とても面白いです。
下を覗き込むようにして海岸を見るのもおすすめ。こちらもまた迫力を感じられます。
素晴らしい太平洋の景色、これこそが一番の見所でしょう。
須崎駅に到着しました。
ここでは地元の方々のおもてなしとして、色々手渡してくださいました。
こちらは手編みのコースター、おばあちゃんの温かみのような優しさを感じます。
更に須崎市で多くの農家が栽培している、きゅうりも貰いました。長旅なので、この夜すぐに食べてしまいましたが(笑)
須崎といえば、こちらのゆるキャラが有名。
ハチャメチャなキャラで人気の『ちぃたん』…ではなく、こちらは『しんじょう君』です。
このキャラクターたちは色々揉めたので、あんまり交わらせてはいけませんね(笑)
ここでは特急あしずり12号と行き違いました。
すべての列車が高知駅を発着し、窪川駅から土佐くろしお鉄道へ乗り入れます。
車内ではカウンターだけでなく、ワゴンによる車内販売も行われています。こちらはグッズが中心の印象、こういう時は必ずマスキングテープを買います。
左手に見えてきましたのは、白石工場土佐工場です。
その外観から『ハウルの動く城』と言われたりもします。
ここでは製造されているのは炭酸カルシウム。
材料である石灰石を山の上で加熱し、水と合わせて石灰水にした後、下へ流します。さらに二酸化炭素を加えて炭酸カルシウムとした後、谷間に吹く風で自然乾燥させるのです。
この工場は山の地形をうまく利用するため、このような構造になったことが分かります。
佐川駅ではお隣の日高村の方がお出迎えしてくださいました。
JR四国の妖精こうちれっちゃくんも来てくれています。
段々と太陽が隠れていくようになり、観光列車の旅も終盤に近づきます。
日下駅がある日高村は、JR四国で唯一村にある駅です。
こちら仁淀川は水質が日本一とされており、水面が深い青色をした「仁淀ブルー」と呼ばれる淵や滝壺などがあります。
車内販売は17:30までとの放送が流れました。
最後に、いのいちごアイスを買いました。
べにほっぺを使っていて、いちごの甘酸っぱさを存分に味わうことができます。
伊野駅は運転停車ではありますが、扉を開けるようになりました。
これは、伊野駅が映画『竜とそばかすの姫』の聖地になっているからだそう。
ここでは普通列車と行き違いが行われました。
渡っておりますのは鏡川、坂本龍馬が泳いだとも言われています。
高知の市街地に入りまして、高架線を走ります。
地方の駅はどんどん高架化されてきて、街の様子を広く見渡せるものです。
家々に隠れやすいですが、奥には高知城の天守閣が見えています。
園内には板垣退助像もあり、日本を作り上げた人々がここから生まれてきたことがよくわかります。
1754 高知駅 着
2時間半に渡る観光列車の旅でしたが、高知駅にて幕が下ります。
JR四国の観光列車は高級感を感じられる上、地元の方々によるお出迎えが非常に印象的です。
観光列車でJR四国の状況を立て直すことは難しく思いますが、少しでも多くのお客さんが魅力に感じてもらえたら嬉しいです。
今回もご覧いただき、ありがとうございました。
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