本日は京阪電車で京橋駅にやって来ました。
京阪モールもある京橋駅、高架下の入り口には非常におしゃれな木目調のデザインです。
背後にはそれとは対照的に、工事中のベールに包まれたJRの京橋駅。
大阪環状線で次々進んでいるリニューアルですが、ここでもその工事がなされているところです。
さて、そんなJR京橋駅は大阪環状線の他、JR東西線、片町線の乗換駅です。
今回ご紹介するのはかつてJR東西線が開業する前の様子が分かる場所になります。
やってきたのは先ほどとは反対側の西口です。
改札からは線路に沿って長い長い歩行者通路が設置されており、途中にはJR西日本のホテル、ヴィアイン大阪 京橋もあります。
ここから直結している長い通路は広い空き地の上に作られており、お店が立ち並ぶ場所へ向かいます。
そんな歩道橋から駅の方向に見えているのが解体中の建物。こちらはダイエー・イオン京橋で、2021年秋には解体が完了する予定です。
その反対側には何やら不思議な物体が残っています。
それがこちら、不自然に切り取られた鉄道の分岐器です。
ここにはかつて留置線があったそうで、木の枕木で錆びた分岐器は左側の現役のものと比べてはるかに古びています。
そしてそのすぐ先にあったのは、かつての片町線の終着駅、片町駅です。
それでは下に降りて近くまで行ってみましょう。
先ほどの分岐器は駐車場からすぐ近くで見ることができます。
反対側にある駅の跡は一掃され駐車場になっており、周囲の建物が集まっている光景とは対照的です。
イコちゃんの看板も見えており、JR西日本らしい様子もうかがえます。
片町駅はかつて木津駅から伸びる片町線の終着駅でした。
しかし1997年にJR東西線が開業すると同時に、廃止。
これはJR東西線が地下路線として開業する上、京阪や地下鉄、大阪環状線へ乗り換えられる京橋駅がすぐ近くにあったためです。
そんな片町駅ですが、現在別の駅に生まれ変わっています。すぐ近くにありますので、歩いて行ってみましょう。
歩いている途中にありました交差点の名前は片町。
やはりこの周辺の地名が片町であるということがはっきり分かります。
しかし、やってきたのは大阪城北詰駅。これこそがJR東西線の開業と同時に片町駅の代替として設置された駅となります。
駅名にもなっている大阪城は、近くの交差点から遠くに天守を見られました。
しかし元々なじみのあった片町が駅名から消えてしまったのは少々疑問。実際、駅名が決まった時は片町を残してほしいという声もかなりあったそうです。
一体なぜ片町駅で無くなってしまったのでしょう?
JR東西線はJRだけでなく他団体も出資した第三セクターが建設・保有しています。
一説に過ぎませんが、もし片町駅にしてしまうと片町~京橋は完全にJR西日本のものとなり、出資されない可能性がありました。
そこで片町ではない別の駅名にする必要があり、大阪城の名前を入れることで、地元の人でなくでも分かりやすくしたと言われています。
またかなり昔には京阪本線にも片町駅が存在しましたが、こちらも京橋駅に機能を集約するため1969年に廃止。
片町は完全に鉄道駅から消えてしまいました。
さて、せっかくなので新しい片町駅、もとい、大阪城北詰駅から列車に乗り込みましょう。
発車するとすぐにカーブしながら地上へ。
左の草が生えている辺りが先ほど分岐の取り残された場所です。
解体中のイオン京橋を見ながら、京橋駅の地上ホームに到着しました。
新たな鉄道が作られたことで無くなった片町駅。特に路線名として残っているのに駅名が消えてしまったというのが悲しい所です。
駅自体の遺構は全く残されていませんが、ポツンと残された分岐、そしてその横を地下へ向かって走るJR東西線は廃駅の楽しみ方そのものです。
歩道橋から少しだけでも顔を向けてみてください。
今回もご覧いただき、ありがとうございました。
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