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【特急&高速バスに淘汰】急行みささ/みまさかルートの因美線&姫新線乗車記[史上最長片道切符の旅(36)]

2022年6月22日

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今回のルート

鳥取〜姫路

 

鳥取駅前より、おはようございます。

高架駅のため線路による南北分断はされていませんが、比較的裏側の南口からスタートです。

 

現在、関西圏と鳥取を結ぶ特急列車として、特急スーパーはくとが走っています。

 

かつて関西〜鳥取には急行みまさかが走っていました。途中津山駅までは急行みささも連結しており、後者については更に東の中国勝山方面へ走っていたのでした。

 

姫新線に並行して中国自動車道が開通し、1989年に急行みささ・みまさかは廃止。

そして上郡〜智頭において第三セクター智頭急行が開業し、スーパーはくとがデビューしたのは1994年のことです。

 

今回は、鳥取から関西方面へ急行列車のルートをたどることになります。

 

使用されるのはJR西日本のキハ47形。

 

因美線の鳥取〜智頭では、智頭急行HOT3500形気動車が使われることが多いです。実際この区間をJR車両で乗るのは初めてになります。

0722 鳥取駅 発

非電化単線の高架橋が真っ直ぐ続く山陰本線、因美線はここから分岐してきました。

 

途中、郡家駅からは第三セクター若桜鉄道が走ります。ここで乗り換えていくお客さんも結構いて、1両編成では立ち客も出そうでした。

若桜鉄道は鳥取〜郡家に乗り入れるため、鳥取〜智頭は益々第三セクターだらけになります。

 

だんだん標高が高くなってきて、雪がこんもりと積もります。

 

この列車が走る鳥取〜智頭は、現在でも特急列車が走るため、現在でも多くの鉄道需要を支えています。

 

しかし、千代川の上を駆け抜けているのが、ライバルである鳥取自動車道。

いくらスーパーはくとが関西まであっという間に結んでも、料金の安い高速バスも人気です。

0810 智頭駅 着

歴史ある赤茶色の瓦をまとったJR駅舎の隣に、智頭急行の建物がありました。

 

因美線の智頭〜東津山は特急が走らず、廃線の危機にも瀕する区間です。2019年の輸送密度は179人/日、いつ廃線について本格的な議論が行われてもおかしくありません。

鉄道というのは本来長距離輸送を担うもので、それが置き換えられたら、一瞬で需要は消えてしまいます。

 

この区間で使用されているのは、もはや見慣れたキハ120です。



0816 智頭駅発

特急停車駅ということもあって、現在も使われる非常に長いホームから1両の汽車が出発です。

 

特急スーパーはくとはこの渡り線を通って、智頭急行線に入ります。

 

PC枕木の高規格な智頭急行と、木製枕木の因美線。この2つを並べるとその差は歴然です。

 

違いがより分かるのは、植物が繁茂する夏でしょう。

JR側は緑化事業に勤しんでおり、まるで廃線のように植物に侵食されているほどです。

 

因美線にマウントを取り終えた智頭急行線は中国山地をトンネルで突っ切るため、まっすぐ関西方面に向かいます。

 

鳥取方面には厚い雲が低いところに固まっており、まるで山が浮いているようでした。

 

因美線にはカーブや崖区間でよく見られる、線路の整備費用を抑えるための25km/h制限も多くあります。

 

全長3077mにも及ぶ物見トンネルを抜けまして、鳥取県から岡山県へ。

 

右奥からは姫新線が合流してきました。

 

津山線と姫新線の乗換駅となっているのは、東津山駅です。

 

今回はルートを一区間だけ寄り道しまして、吉井川を渡ります。



0925 津山駅 着

急行みささは津山駅で中国勝山からの急行みまさかと連結し、関西方面へ向かっていました。

 

1番線ホームには、急行列車発着時代のグリーン車乗降口の案内が残されていました。

これは岡山〜鳥取を結んでいた急行砂丘のものです。

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急行列車は無くなってしまった津山駅ですが、4方向へローカル線が発着します。

ここから乗車する姫新線は、またキハ120系での運行です。

 

0956 津山駅発

各方面への案内が分厚く、フォントも非常にノスタルジックです。

 

東津山駅からルートに復帰し、先程乗ってきた因美線が分かれていきました。

 

冒頭にもお話しましたが、ここから先の姫新線では急行みささ/みまさかが走り、津山〜大阪の輸送を担っていました。

 

現在では中国自動車道を走る高速バスが非常に充実。特に津山〜大阪では朝夕の時間帯30分に1本も走ります。

 

中国自動車道に勝央SAがある勝央町、勝間田駅。

参勤交代の宿場町として栄えた『美作七宿』をモチーフにしたフレームが特徴的です。

 

上からは山の中から飛び出してきた、単線新幹線の高架が現れました。智頭駅でお別れしたはずの智頭急行線です。

 

架線も無い非電化路線ですが、見た目的には完全に新幹線ですよね。

 

1053 佐用駅着

向かいには特急列車も発着する智頭急行線ホームがあります。

駅名標もJR西日本と似ていますが、ピンクの細いラインが引かれており異なっていました。



姫新線の上月〜姫路では、2007年より高速化工事が行われました。

高速化事業には沿線自治体も出資し、佐用町もその一つ。最高速度100km/hを実現したことで、キハ47形に変わってキハ127形が投入されました。

 

その後、智頭急行線ホームには特急スーパーいなばとスーパーはくとがやって来ました。この時間帯、佐用駅には全てのホームに列車が停車するようです。



1103 佐用駅 発

再び智頭急行線はトンネルへ向かい、山陽本線の上郡駅を目指します。

 

三日月駅には2019年まで、親子2代に渡って簡易委託として切符の販売をしていた方がいらっしゃいました。

常備券を販売していましたが、消費税増税を機に高齢のため引退されています。



1132 播磨新宮駅 着

1133 播磨新宮駅 発

ここでは対面でありながら1分乗り換え、姫路行きはすぐに発車しました。

 

たつの市の中心部に位置する本竜野駅。

高速化事業に合わせて利用促進に取り組んでおり、2010年にオープンした橋上駅舎にはお土産屋さんやカフェが入居しています。

 

一方で、太市おおいち駅の2021年にJR西日本が建てた駅舎はコンクリート枠だけ。

そこで地元の運送会社「関西陸運」は駅に隣接したオフィスを建て、レストランまでオープンしています。

一民間企業がここまで地域交通に協力的な例は、見たことがありません。



1203 姫路駅 着

プラットホームからは額縁のような四角い枠の中に、姫路城を見ることができました。

姫路駅からまっすぐ続く大通りの正面に構えており、何度見ても素晴らしいロケーションですね。

 

播但線・姫新線ホームと東海道本線ホームの間には、コンコースで中間改札が設けられています。

自動改札機に通せない120mm券の使用だったので、有人改札に見せて通ることになりました。

 

姫路駅と言えば駅そばが有名ですが、この先の乗り換えが迫っているので今回は諦めます。

 

新快速近江今津行きに乗車しまして、加古川を渡りました。

 

今回もご覧いただき、ありがとうございました。

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