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【100円稼ぐのに15000円】関東のトンデモ赤字路線・久留里線へ 廃線の可能性は?[天北宗谷岬線(6)]

2022年8月2日

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今日は千葉県木更津市、木更津駅に来ています。

 

東京アクアラインによって房総半島までの高速バスが便利で、鉄道は苦戦を強いられています。

 

先日JR東日本は、赤字線区の収支状況についてデータを公表しました。

東北地方のローカル線を中心に数多くの路線が対象になっていましたが、関東地方で一つ突出して成績の悪い路線があります。それが、ここ木更津駅から伸びる久留里線です。

 

100円を稼ぐのに必要な経費を示す営業係数という指数では、木更津〜久留里駅は1200、久留里〜上総亀山駅が15546という数値。

また、久留里〜上総亀山駅の運輸収入は200万円、営業費用は3億4400万円です。

今回は最近話題に上がっている久留里線をご紹介します。



久留里線は、木更津駅から上総亀山駅まで内陸方面へ結ぶ路線です。

木更津〜久留里駅の輸送密度は1425のため当面維持されるだろうと思いますが、そこから先は85でJRでもトップクラスの低さです。

 

時刻表を見てみると、久留里駅までは1時間に1本。そこから先は一気に本数が減ります。

それでも1日8本運行されているため、輸送密度などを考えれば十分な本数に思います。



木更津駅に隣接した車庫から、4番線へ列車が連れて来られました。

使用されているのはE130形気動車、久留里線には2012年に投入された新しい列車です。

 

1両あたり3つの扉がついていて、結構多め。通勤通学時間帯には利用者さんが増えますから、スムーズな乗降を可能にしているのです。

 

2013年には自動列車停止装置として、ATS-Pを導入。

これは、停止しないといけないポイントより手前の時点で、どこまで減速していないといけないかを計算し、速度が超過していた場合自動的に十分な減速をさせる装置です。



木更津駅発

すでに草が線路を覆い尽くしている大きな駅、これからの道のりが楽しみになってきます。

 

電化されている内房線を横目に、久留里線は内陸方面へ分岐していきます。

 

いきなり田んぼ一面の中を走り出し、北側ではローカル線の幕開けを感じさせました。

 

しかし国道がある南側には住宅街が広がっており、沿線人口は多いようです。

 

最初の駅は祇園駅です。木目調の小さな待合室で、ローカル私鉄みたいな雰囲気になっています。

 

国道は北側へ移りましたが、こちら側は小櫃川が迫っています。そのため住宅街は引き続き、南側に広がっていました。



しかし、上総清川駅のプラットホームは住宅地側に無く、国道側だけです。

この結果、ホーム反対側の道路から柵を乗り越えたり、踏切から線路上を歩いてホームへ向かう問題が発生していました。

「JR久留里線清川駅のホームに向かう歩行者が、車道の踏み切りからこの軌道に入りまして、線路の真ん中を歩いているんです。今までも高校生が線路を歩く光景は目にしたことはありますけれども、よく見てみると、ほとんどの方がこの線路上を歩いてホームに上がっています。中には腰の曲がったおばあちゃんも線路をゆっくりゆっくり歩いていました。さらに2メートル近くもある金網を乗り越える高校生、スカート姿で女子高校生が、まるで障害物競争のように乗り越えるというありさまだそうであります。なぜこのような危険で、しかも、みっともない状況になっているのか、それは議場の皆さんがご存じのとおりであります」

(木更津市平成17年12月定例会(第3号)本文 98 より引用)

 

木更津市はJRに対してホーム移設を求めていましたが、今のところ実現する見込みは無さそうです。



上総清川駅周辺には学校が多く、清和大学、木更津高専、木更津総合高等学校などが集まっています。実際ここで8人ほど降りられました。

その先では木更津東邦病院もありまして、通院の方も利用しているのかもしれません。

 

その後、東京アクアライン連絡道路の下をくぐります。これを北に進めば、海ほたるパーキングエリア、川崎方面です。

 

東清川駅の待合室はコンクリート製ですが、青色のペイントによって涼しげに感じます。

 

館山自動車道の下をくぐり、この辺りで袖ケ浦市に入りました。

 

久留里線は途中数々の鉄橋を渡りますが、こちらの川は小櫃川。久留里線に沿って蛇行し続けています。



横田駅に到着しました。

この駅は2面2線のホーム構造となっていて、割と大きな駅に見えます。

 

直営駅で有人のため、すべての扉が開きます。ただし、みどりの窓口は2017年に廃止されました。

 

ここで反対方向の列車と行き違い。久留里駅までの区間で唯一の交換可能駅です。

 

北側山の向こうには東京ドイツ村があります。

東京アクアライン開通によって東京と近くなったことから、訳が分からない名前をつけられました。

 

東清川駅は貨車駅舎を利用していましたが、新しい待合室になっています。



馬来田まくた駅では再び木更津市に入りました。

7人ほど降りられて、横田駅と同じような大きい駅であることが分かります。

ホームより低い所に、木造駅舎が建てられていました。

 

1995年に単線化されており、現在では交換不可。右の駅舎側に伸びているのは引込線です。

左には交換可能だった頃の名残で、ホーム跡が見られました。

 

お客さんも大分減ってきて、2両編成に10人ほどです。

 

神奈川県から千葉県までぐるっと迂回する、首都圏中央連絡自動車道と交差しました。



下郡駅に入る直前で、君津市へ足を踏み入れたことになります。

駅舎のように見えるコンクリート駅舎は、公園にあるみたいな公衆トイレです。

 

先程川の名前にもなっていた、小櫃駅。

かつては相対式ホームの2面2線でしたが、現在は単式ホームになっています。草むらで分かりませんが、一応ホーム跡らしき構造は残っているようです。

 

俵田駅の駅舎は2008年に火災で消失しており、こちらは翌年建設されたものです。

 

住宅は段々減ったものの、久留里駅まで田園風景の中を走り続けていました。

 

千葉県立君津青葉高等学校の真横を走ります。

 

最後の最後で山の中へと入り、これからの末端区間を予感させるものになりました。

 

線路が分岐していきまして、久留里駅に到着です。

 

久留里駅は久留里線の中で一番の主要駅です。

向こうには木更津方面の列車が出発を待っており、お互い5分ほどの停車時間があります。

 

みどりの窓口は無くなりましたが、有人駅です。

 

久留里線では全駅に乗車駅発行機が設置されており、整理券は出てきません。また、久留里線は東京近郊区間でありながら、Suicaを全線で使えません。

 

木更津方面の列車を見送った後、上総亀山行きのこの列車も出発します。

 

ここからは山の中へ入っていき、これまでの風景とは一線を画します。

 

川についても木が生い茂る自然っぽい感じです。

 

一方で面積は小さいものの、相変わらず田園風景は楽しめました。

 

平山駅の2006年度の乗車人員は48人/日。輸送密度の割に多いと思いますが、15年以上経って相当減っているのでしょうね。

 

平山駅の花壇も綺麗でしたが、上総松丘駅でも鮮やかなサルビアが咲き誇っていました。

2006年度の乗車人員は81人/日。駅周辺の君津市立松丘中学校は2020年3月で廃校になっており、過疎化の深刻さが伺えます。

 

ここから先は芸備線などと間違えてもおかしくない、ローカル線っぽい光景です。

 

ここまでトンネルを一本も通っていませんでしたが、かなり短いものの三本松トンネルを走ります。

 

次の名殿トンネルは比較的長い方です。

 

トンネルを抜けると一気に下っていきました。トンネルの出口が明らかに上へ向かっています。

 

久留里駅から3区間で、終点の上総亀山駅に到着です。



上総亀山駅まで利用された、生活利用者らしき方は4,5人ほど。

乗りに来ただけの方もいらっしゃいましたが、まだまだ少なかったです。

 

かつて線路は引込線など伸びていたみたいですが、完全にポイントが分断されて、もう1本でやっていくぞという意気込みを感じさせます。

 

シャッターの仕舞った窓口に、薄汚れた白い板張りの壁…。ローカル私鉄感が漂っています。

 

上総亀山駅という山中まで開通している久留里線ですが、なぜここで途切れているのか不思議なものです。



久留里線は元々、内房線の更津駅から外房線の大駅まで結ぶ木原線の一部として建設されました。

(地理院地図を改)

久留里線の木更津〜上総亀山駅に加え、東側はいすみ鉄道の上総中野〜大原駅が開通。しかし、途中の上総亀山〜上総中野は線路が繋がることがないまま。福井県の越美北線と岐阜県の長良川鉄道越美南線の関係に似ていますね。

上総亀山駅は本来、一時的な終着駅だったのが、永遠の終着駅になってしまいました。

 

上総亀山〜上総中野駅については、現在バスでも結ばれていません。

個人的には鉄道は久留里駅までにして、久留里駅から上総中野駅まで路線バスを設定してもらえば、新たなルートができあがって良いのではとも思いました。

 

久留里駅で系統分離している中、利用者がガクンと減る上総亀山駅まで運行しているのは、明らかに非効率です。

JR東日本のローカル線見直しにおいて、必ず対象になるでしょう。

 

今度は木更津からいすみ鉄道へ抜ける、そんな旅もできたらと思います。

 

今回もご覧いただき、ありがとうございました。

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