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【大阪ひだ】前面展望でもう一つの東海道本線・新垂井線を観察[大阪ひだ(8)]

2021年9月11日

 

今日はJR東海エリアで一番の観光地と言っても良いでしょう、岐阜県の高山駅に来ています。

飛騨高山からは名古屋へ特急ワイドビューひだ号が走っています。

 

そんな中で1日1往復だけ違う方向へ行く列車も設定されています。

それが通称『大阪ひだ』と呼ばれる、大阪駅発着のひだ号です。

 

ワイドビューひだといえば前面展望を楽しめるパノラマ席。

今日は最前列から大阪までの景色をご紹介します。

この列車は岐阜駅まで名古屋行きと大阪行きが連結して走ります。

大阪行きは先頭寄り、グリーン車は付いていません。

 

パノラマ席は自由席となっているので完全に早いもの勝ちです。

始発の高山駅で改札が始まるのを待っておいたほうが良いと思われます。

15:38、高山駅を出発します。

雨が降ってきてしまいましたが、そこまで眺望に影響は無さそうです。



今回は高山本線というより、大阪ひだだからこそ見られる東海道の前面展望をメインに注目することにします。

高山本線の前面展望については逆方向で乗車しました、パノラマグリーンの記事をご覧ください。

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鉄橋の先に見えるのは下呂温泉。古くからありそうなクリーム色の建物が立ち並んでいます。

 

高山本線は単線のため、途中駅では行き違いや追い抜きを頻繁に行います。

下麻生駅ではそれらを同時並行していました。



美濃太田駅に到着、ここまで来ればもう名古屋圏です。

この駅からはJR高山本線の他にJR太多線、第三セクターの長良川鉄道越美南線も出ていきます。

 

特急ひだは気動車としてかなりの高速、110km/hで走ります。

 

しかもY字分岐器によって、ポイント上でもスピードを落とさずに通過できるのです。

 

一部の特急が停車する鵜沼駅ですが、この列車は通過。

左には名鉄の新鵜沼駅があり、あちらは終着駅として重要な地点になっています。

 

ここから岐阜駅まで名鉄各務原線とJR高山本線が並走。地域輸送でお互いライバルとなる区間です。



岐阜駅に到着。

ここでは7分間の停車、名古屋行きと大阪行きで車両を切り離します。

 

大阪ひだが一度扉を閉め、少し前に進んで解結作業は終了。名古屋方面が進行方向を変えて先に出発します。

 

大阪ひだの車両はそのまま大阪方面へ向かいます。

東海道本線に入ると最高速度は120km/hにまで上げられました。

 

大垣駅に到着。新幹線駅は無いもののそれなりの街であるため、ここから大阪へ行くのにこの列車が利用されたりもします。



いよいよこの先は大阪ひだで一番の見所とも言える、新垂井線です。

大垣駅を出ると南荒尾信号場にて線路が分岐し、色んな方向へ向かうようになります。

 

まず、一番右へ分かれていったのが東海道本線の支線、美濃赤坂支線です。

そして今走っている線路から左へ行くと、垂井駅を通る東海道下り線(垂井線)になります。特急列車や貨物列車以外は垂井駅に停まるので、すべてこちらの線路です。

特急列車である大阪ひだはそのまま真っすぐ行き、垂井駅を通らない新垂井線を走ります。正式な東海道下り線はこちら側です。

 

両側から東海道本線が複線として集まってきて、関ヶ原の急勾配に向かいます。

一方新垂井線は山を緩やかに越えるため右方向へ大回り。

 

この辺りの東海道本線とそこまで変わらない景色が続きますが、確かに勾配は緩やかになっています。

 

現在通過しているのは1986年に廃止された、新垂井駅の跡地です。

垂井駅に上り列車しか停車していなかった頃、下り列車を停めるために設置されました。

 

新垂井線を走る列車は下りの特急列車であり、サンライズ瀬戸・出雲、しらさぎ、大阪ひだになります。

その中でも前面展望を楽しめるのは唯一大阪ひだだけです。

 

関ヶ原駅手前で先の東海道本線と合流、複線のところへ戻ってきました。

 

ここから先は通常の東海道本線へ戻ります。



米原駅に到着し、いよいよJR東海エリアを飛び出すことになります。

ここで運転士さんが青い制服の、JR西日本の方へ交代されました。

 

琵琶湖線を走っていると日がだんだん落ちてきて、夕焼けがオレンジの座席を照らします。

 

向かいからは223系、西日本に来た実感が強くなります。

車内にいると分かりませんが、今乗っているのはこの辺りでは珍しい、オレンジの列車なのです。

 

近江八幡駅手前はあまり特急らしくなく、駅を通過する時もかなり速度を落として走るようになりました。



次の停車駅、草津駅に到着。

端っこのホームには草津線の列車が停まっているところでした。

 

お隣の南草津駅からは西明石駅まで日本一長い複々線区間です。

 

気動車は110km/hほどのスピードを出して、東海道線の普通列車を追い抜いていきます。

 

湖西線の117系と共に走っていると、ライトアップされた京都タワーが見えてきました。

 

幾何学的な駅舎と東海道新幹線のホームに挟まれた京都駅の在来線ホームに到着します。

 

京都駅を出ると桂川の鉄橋へ。前面展望で見ると迫力があります。



特急ひだは複々線の外側を走ります。

内側には普通 西明石行きがいるのですが、なかなか追い抜けません。

長岡京付近でジリジリと近づいてきました。

 

山崎駅辺りで停車するため向こうが速度を落とし、ようやく追い抜いた形です。

 

東海道新幹線と交差する新大阪駅に到着しました。

 

そしてすぐに終点の大阪駅へ向かいます。

淀川を渡る頃にはワイドビューチャイムが流れ、大阪に到着する放送。

 

華やかな梅田のビル群に囲まれながら、真っ赤なHEP FIVEの観覧車にぴちょんくんが出迎えてくれます。

 

大屋根の下へ入線し、終点の大阪駅に到着です。

 

到着する頃関西圏の帰宅ラッシュ時間帯。お隣には大阪環状線が停まっています。

 

大阪環状線が同じオレンジ色なのであまり違和感がありませんが、JR東海の車両が一本だけ停まります。

 

大阪駅に停車すると方向幕を回していきます。

途中では南紀やシュプールの幕も見られました。

 

発車標には1日1度だけ表示される『特急ひだ当駅止』。

フォントなどからもやっぱり珍しさは感じられるものです。

 

そんな大阪ひだも新型車両HC85のデビューと同時に廃止されるのではと言われています。

なるべく日の長い時季に乗車し、特に新垂井線の区間をご覧になることをオススメしたいです。

 

今回もご覧いただき、ありがとうございました。

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