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先日福井新聞が衝撃的なニュースを報道しました。
JR西日本は秋にダイヤ改正を実施、福井県を走るローカル線、越美北線の列車を8割減便するというのです。
越前花堂〜越前大野は18本中12本、さらに越前大野〜九頭竜湖は全列車が運転取りやめとなります。
先行きが怪しくなりつつある越美北線、今回は実際に乗車していきます。
九頭竜湖線の発車標には1日数本だけの列車が案内されています。
こちらは1,3番線ホーム。金沢方面の北陸本線が発着します。
そして越美北線の列車がやって来るのは切欠ホームの2番線です。
使用されている車両はJR西日本のローカル線でよく使用されるキハ120系。
福井市、大野市の観光をアピールするラッピングがなされています。
ラッピングの種類は天空の城 越前大野城、九頭竜湖 夢のかけはし(箱ヶ瀬橋)、太古のロマン 恐竜と化石の3つあります。
ラッピング以外にも自治体が支援し車両を改造、ロングシート部分に仕切りをつけたり、お手洗いを整備したりと快適性が向上しました。
列車は福井駅を出発。
北陸本線へ合流していきました。
北陸新幹線、そして途中には貨物駅の南福井駅も見られました。
北陸本線から分岐。
越前花堂駅に到着しました。
奥に北陸本線のホームがあり、こちら側に越美北線。完全に別の構造となってます。
元々は越美北線だけの駅だったのですが、北陸本線にもホームが開設。これによって北陸本線からの分岐駅が福井駅から越前花堂駅へ変わったのです。
越前花堂駅からはお一人乗車。
ドアをボタンで開けるのに苦労していらっしゃったので、あまり乗らない方なのかなと思います。
次の駅は六条駅。
いきなり目の前に田んぼが広がる、ローカル線らしい棒線駅になっています。
駅を出発してすぐにくぐるのは北陸自動車道です。
1kmほど東には福井ICがあります。
足羽駅の周囲は田んぼに囲まれていますが、中学校がありました。
次の越前東郷駅は、かつて1面2線だったことがホームの構造や線路の形から分かります。
この駅の周辺は街となっていて、3人下車していきました。
1日の乗客は85人と多く、2008年春までは業務委託駅でしたが、現在は無人駅です。
列車は一乗谷駅へ向かいます。
右手には道の駅 一乗谷あさくら水の駅が見えてきました。
しばらくすると現れるのは、2022年の開館に向けて工事が進む一乗谷朝倉氏遺跡の博物館です。
この地は織田信長と朝倉義景の争い、一乗谷城の戦いで有名になっています。
駅からのアスセスも良く、これから減便されればその影響は大きそうです。
列車は足羽川を渡ります。
愛称は九頭竜湖線となっているものの、九頭竜川の近くを入るのは半分くらい。
しかし、この足羽川もまた九頭竜川の水系です。
越前高田は福井随一の観光地、永平寺からの直線距離が一番短いJR駅です。
アクセスとしては福井からのバスやえちぜん鉄道が便利なのですが、かつてJRが出す広告には越前高田駅が付されていました。
市波駅に到着。
昭和30年に美山町が成立する以前、旧足羽郡下宇坂村の中心部にありました。
そのためある程度の町っぽい感じが出ています。
こちらは小和清水駅。利用していた訳ではありませんが、駅で列車を見送っている方もいらっしゃいました。
街に出てきまして、ここは公民館や文化ホールも集まる場所です。
美山駅は交換可能駅になっています。
駅舎は美山観光ターミナルと一体化されています。
現在は営業していませんが、JR西日本金沢支社はローソンを誘致。
今ではセブンイレブン一択でしょうから、かなり珍しいことのように思います。
美山駅を出るとここまで並走していた足羽川は西側へ離れていきます。
新たに近づいてきたのは同じ九頭竜川系の羽生川です。
越前薬師駅
そういえばそれぞれの駅でどれだけ乗降があったのかしばらく書いていませんでした。
これは書くべきものが無かったためであり、つまり乗降が0人だったからです。
越前大宮駅
この列車は完全な日中の便。
夕方に乗った時は利用が無かった2、3駅でも利用者がいました。
計石駅に到着しました。
ここで福井市は終了し、大野市へ入ります。
牛ヶ原駅の周囲は完全に田んぼに囲まれています。
しかし単純に田んぼが広がっているだけではなく、圃場整備事業についての看板も立っており、かなり力を入れているようです。
次の北大野は利用客も多く、1日に16人となっています。
北大野〜越前大野の1区間は大野市街になっており、この2駅は利用客が多いのです。
線内で最も大きな駅、越前大野駅に到着しました。
交換可能駅であり車庫も置かれています。
みどりの窓口が設置されている直営駅ですが、今秋に窓口は廃止、みどりの券売機プラスに移行する予定になっています。
コンクリートの駅舎ですが2003年、駅前に木造の平屋が作られたことで生まれ変わっています。
越前大野駅では4人が下車、そして3人が乗車してきました。
真っ昼間にしては利用客はいらっしゃって、大野の中心部に買い物へ来た帰りの様子でした。
この先こそが秋に運行本数が0本になると報道された区間です。
街の中を出ると列車は真名川を渡ります。
川幅はかなり狭い一方で鉄橋の長さはものすごく長く、緑に埋め尽くされたところの上を走っていきます。
さて、越前大野駅を出て最初の駅は越前田野駅。
1日の乗客数は0人の駅が現れました。
越前富田駅
直線区間ですが動物でも出るのでしょうか、25km/h以下でノロノロと走ります。
下唯野駅は薄いプラットホームにくたびれた待合室。それが山の中にあって秘境駅感が漂います。
さて、遂に第一九頭竜川橋りょうで九頭竜川を渡りました。
渡ってすぐにある柿ケ島駅は再び1日の利用客0人の駅です。
高架のような構造になっています。
列車はいよいよ山の中へ、トンネルを多用した区間へと入ります。
このようにトンネルと鉄橋が連続するところ、一体どうやって作ったのかいつも不思議に思います。
勝原駅に到着しました。
ここは1972年に九頭竜湖駅まで延伸する以前は終着駅でした。
ここからは新たに作られただけあって、急に様子が変貌。
全長5251mもある荒島トンネルへ入ります。
直線的に山を貫いているため、入り口の光が相当小さくなってもまだ見ることができました。
トンネルを抜けてまさに下山を終えたところ、越前下山駅に到着です。
やや高いところに位置するので、田畑ののどかな景色を上から見られます。
1915mの下山トンネルを抜け、最後にカーブを曲がります。
結局越前大野駅から九頭竜湖駅まで乗降は全く無く、最終的に6人が残りました。
終点の九頭竜湖駅に到着。
休止の報道がされたためか、鉄道ファンの方も2,3人駅にいらっしゃいました。
しかしこの列車でやってきた人は地元の方ばかりの様子。
買い物のビニールを下げたおばあちゃんたちはここからバスに乗って行かれました。
九頭竜湖駅は簡易委託駅で、POS端末による営業ががされてます。
この窓口も秋で委託を終了するという報道がされました。
列車の発着の2,3分前後は窓口にいらっしゃいませんので、何か購入されたい方はお気をつけて。
駅舎はキャンプ場のウッドハウスのようなデザインです。
中部の駅百選にも選ばれています。
駅のすぐ横には道の駅 九頭竜が建っています。
ファミリーマートもあり、かなり便利なところです。
大野市では越美北線利用促進のため、市民は列車に安く乗ることができます。
しかし今回利用客の様子を見てみると、路線バスでも確かに十分に思える状況でした。
ただでさえ本数の少ないこの区間、果たして本当に運行本数は0になってしまうのでしょうか。
正式な発表は7月。
福井市、大野市からの本数維持の要望は通るのか、かつての新十津川駅のように書類上鉄道があるようなものになってしまうのか、気になるところです。
今回もご覧いただき、ありがとうございました。
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