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【西九州新幹線かもめ試乗会乗車記】博多〜長崎新ルートには何がある?途中下車して観光しよう![西九州新幹線開業(2)]
【PR】九州旅客鉄道株式会社 こちらは博多駅、停車中の列車は長崎まで行く特急かもめ号です。 2022年9月23日、西九州新幹線(武雄温泉〜長崎)が開業します。今日は開業前の西九州新幹線の ...
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こちらは長崎県第二の都市、佐世保です。
軍港の街として発展し、現在も自衛隊とアメリカ海軍の佐世保基地があります。
佐世保駅はJR最西端の駅であり、駅舎にはその看板が掛けられていました。
博多〜佐世保駅では、特急みどり号が走ります。
2022年9月23日に開業する西九州新幹線、その起点である武雄温泉駅を経由して佐世保を目指します。
これまで787系黒いみどりと783系ハイパーサルーンが使用されていた特急みどり。
博多~武雄温泉で運行される特急リレーかもめ号と特急みどり号が走る方向が同じであり、車両を共通化するためにも、885系の「白いみどり」号が運用に就きます。
その代わり、787系による特急みどり号は定期運用から離脱することになりました。
黒いみどりから白いみどりへバトンタッチする直前。今日は787系特急みどりのグリーン個室を楽しみます。
787系電車は、いまだに鹿児島本線の特急つばめのイメージが強いもの。
1編成に1室だけあるグリーン個室は、非常に人気です。定期運用離脱の1週間前になっているので、埋まっているかもと思っていましたが、直前でも普通に取れました。
とにかく広々したこのグリーン個室。個室を備えた列車の中で一番快適と言って良いかもしれません。
特急みどりにおいてグリーン個室付きの787系が投入されるのは以下の通りです
・佐世保方面
1号(博多07:29→09:27佐世保)
29号(博多21:33→23:28佐世保)
31号(博多22:34→00:18佐世保)
・博多方面
4号(佐世保07:08→09:06博多)
6号(佐世保08:06→09:53博多※土休日09:54)
10号(佐世保09:42→11:34博多)
9:42 佐世保駅 発
最西端の終着駅、立派な高架駅である佐世保駅を出発します。
佐世保線は市街地の中を高架線で抜けていきます。佐世保の港は進行方向右手なので、それを見ることはできません。
正直、個室側の車窓はそこまで綺麗でなく、佐世保線に関しては反対側の方が良いですね。もっとも、特急にちりんシーガイアや特急かもめを考えれば、グリーン個室側が海なので、この配置は間違っていないのですが。
グリーン個室であれば、食事も気兼ねなく楽しめます。
セブンイレブンでベーコンエッグバーガーを買ってきました。ちゃんと佐世保の味と書かれていて、佐世保バーガーを意識したものだと分かりますね。
お茶は長崎そのぎ茶。西九州新幹線を撮影していた時、長崎文化放送の方が東彼杵町や嬉野市のお茶を取材にいらっしゃっていました。
長崎を南北に結ぶ大村線との分岐駅、早岐駅に到着です。
ここには車両基地が併設されていて、豪華レストラン列車の或る列車が停まっていました。
早岐駅では進行方向を変えるため、4分ほど停車します。
今度は右側の線路に入りますので、より車両基地に近い側です。
佐世保~早岐では国道沿いを走っておりロードサイド店舗などで栄えましたが、ここからは田んぼの中へ。
三河内駅にてしばらくの停車。
特急ハウステンボス・みどり号と行き違いました。この辺り佐世保線は単線なので、特急であっても待ち合わせが生じます。
割とすぐに長崎県から佐賀県に入っています。長崎県北部は非常に狭いので、こういうことになる訳です。
佐世保から平戸を経由し、ぐるっと回ってきた松原鉄道が左からやってきます。
有田駅が近づくと、特徴的な煙突がたくさん生えてきました。有田と言えば有田焼、焼き物が主要産業であることを感じさせる街の光景です。
貨物列車は来ないのですが、有田オフレールステーションが隣接。佐世保線を走る貨物列車はありませんが、JR貨物によるトラック輸送が行われており、その拠点です。
ホーム上には有田焼のパネルが置かれていました。
有田駅から次の上有田駅にかけて、煙突のある街並みはピークに達します。
令和の日本の光景とは思えない、独特な街並みですね。
こういった景色は左側の方がよく見られるため、わざわざ個室から出てくる価値があります。
毎年ゴールデンウィークの時季には有田陶器市が開催され、臨時列車も設定されます。普段特急が停まらない上有田駅にも臨時で停車、このイベントには毎年100万人以上が訪れます。
上有田駅では普通列車と行き違い。commute train(通勤電車)を意味するCTの文字が貼られています。
特急みどりの由来は、「爽やかな感じのする色」の「緑」と、「太陽と緑の国」と呼ばれる九州にちなんでいるそう。個室の中から、みどりの車窓が映って来ます。
室内は写真の状態よりも暗くすることができまして、特にトンネルに入った際には寝台列車のような雰囲気も楽しめます。
グリーン個室で一番のメリットと言えば、こうして寝っ転がれること。これ以上に快適な車内の過ごし方はありません。
まもなく西九州新幹線の乗換駅となる、武雄温泉駅に到着です。
奥からは西九州新幹線の高架橋が近づいてきました。
武雄温泉へ入線するときには、隣接する新幹線ホームを見られます。タイミングが合えば、N700Sが停まっているでしょう。
武雄温泉駅では3分ほど停車します。
この日は西九州新幹線の試乗会を行っていたようで、対面乗り換えホームにはお客さんがいました。
個室から新幹線ホームにお客さんがいる状態を見るというのも、結構レアな光景だったのかもしれませんね。
西九州新幹線の高架橋は、武雄温泉駅を出て1kmほどでぷつんと途切れます。ここから先、建設までの道のりは遠そうです。
高橋~大町駅は、2022年2月より複線化しました。
これは西九州新幹線開業後、佐世保線の肥前山口~武雄温泉駅が博多~長崎ルートの一部になるため。最高速度も95km/hから130km/hに引き上げ、なるべく速達性を高めようとしています。
このように向かいから来た特急列車とも行き違い可能。
博多~佐世保の特急みどりは、最速1時間43分から1時間34分に短縮されます。
複線区間は大町駅にて終了。元々は肥前山口~武雄温泉駅を複線・高速化する予定でした。
しかし、西九州新幹線(博多〜武雄温泉)の計画が在来線を使用するフリーゲージトレインやスーパー特急方式から、在来線を使用しないフル規格新幹線に切り替わったことで、同区間の高速化の必要性が弱まり、一部複線化に留まっています。
右側から近づいてきました、長崎本線と合流。
乗換駅である肥前山口駅に到着しました。
向かい側には特急かもめが停車中。あちらも787系電車で運行されており、黒いかもめと言われます。
特急かもめは廃止されますが、博多~肥前鹿島を結ぶ特急かささぎが設定され、長崎本線の電車特急がこれからも残る予定です。
そして、この肥前山口駅も所在地の江北町に合わせて、江北駅に改称されます。佐世保と長崎の分岐点として重要な駅であり、ここの駅名が変更されるのは大きなできごとです。
長崎本線に入ってしまえば、これからも特急リレーかもめ(博多~武雄温泉)、特急かささぎ(博多~肥前鹿島)でグリーン個室に乗れる区間です。
カラフルにペイントがされた鉄橋を渡っています。
毎年秋には佐賀バルーンフェスタが開催され、アジア最大級の熱気球国際大会です。
近くには臨時駅のバルーンさが駅が設置されていて、開業していない時もホームが残ります。
県庁所在地の佐賀駅に到着。佐賀〜博多は通勤需要も大きく、特急で移動する方も多いです。
平べったい佐賀平野を抜けまして、鳥栖駅に到着。
鹿児島本線に入りまして、博多を目指します。
西鉄との交差地点では、ちょうど列車がやって来ました。
九州新幹線の高架が近づいたところで、博多駅に到着です。
11:34 博多駅 着
佐世保〜博多の所要時間は1時間52分で、十分に個室の旅を楽しめました。一方で、西九州新幹線関連の記録をするなら良いですが、車窓的には個室とは逆の方が良いのも事実です。
長崎本線は肥前浜〜長崎で電化設備が撤去されるため、この区間は物理的に787系電車が入れなくなります。一方で、佐世保線については今後も臨時運用で入ったり、運用に復帰したりということも考えられ、かもめに比べれば重要性は低いです。
それでも今後乗れなくなったら…ということで、今回の乗車は良かったと思います。西九州新幹線の開業直前の様子と絡めて、非常に面白かったです。
今回もご覧いただき、ありがとうございました。
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