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2022年秋の西九州新幹線開業に向け、今日から新幹線車両の試運転が始まりました。
長崎の市街地を赤いN700Sが走り、半年後の開通がいよいよと感じさせられます。
現在長崎に向かって伸びている長崎本線ですが、2020年春に浦上駅〜長崎駅が高架化されました。
連続立体交差事業により踏切を廃止する目的ですが、もちろん2年後に迫る新幹線開業も関係していたはずです。
今回は新幹線が開業する前、2020年3月に高架化された2つの駅を見ていきます。
浦上駅
浦上駅は長崎市内で第二の駅として機能します。
平和公園や浦上天主堂、原爆資料館など、観光客が訪れる場所も多く集まる地域です。
長崎駅の隣ですが、特急かもめが停車する便利な駅となっています。
今後バス乗降場なども整備され、2022年秋には完成予定です。
路面電車の浦上駅前停留所も目の前に設置。長崎電気軌道は長崎〜浦上〜西浦上で部分的に並行します。
駅前にはファミリーマートがオープン。
旧駅舎にも入っていたJR九州の売店は元々am-pmでしたが、ファミマに吸収されました。
仮駅舎時代にもファミマはありましたが、新駅舎開業後は駅前に作られた形です。
旧駅舎は高架の手前、工事中に使用された仮駅舎は更にその手前に建っていました。
駅舎はガラス張りと白いパーテーションが2:1となったデザイン。最近の新幹線駅と似た印象をもたらします。
長崎に原爆が投下された1945年8月9日、国鉄浦上駅は爆心地から1kmほどの地点にありました。
駅前には甚大な被害を受けた駅の様子が写真で残されています。現在の駅周辺からは想像できない惨状ですが、この解説があるだけでも学びがあるものです。
それでは駅舎を見ていきましょう。
高架橋の下には美容院のような、焦げ茶にガラス張りの建物が入っています。
みどりの窓口や待合スペースなどがあり、ちょっと暗めの色合いを用いながらも、居心地の良い空間です。
コンコースにはエレベーターがあり、よくある新しい高架駅。島式ホームなのでコンパクトにまとまっていますね。
ホームに上がると、両端が少々簡素なものになっています。
階段などがある手前側は床のデザインにも気を配っており、しっかりとした鉄骨。
それに比べれば奥はホームも屋根も簡単な作りです。
その訳は西九州新幹線開業後、在来線特急かもめが廃止され、浦上駅に長編成の列車が停まらなくなるから。
赤い文字で記された特急列車は無くなりまして、普通列車が停まるだけの駅になります。
ホーム端は高架化してから2年半で役割を終えるため、撤去も可能な構造にしています。
反対側についても同じ構造。本当に撤去されるかは分かりませんが、その可能性が高そうです。
新幹線開業後に来る列車は、2〜4両編成。恒久的に使用される中央は4両分となっています。
また、乗車位置案内についてもホームにシールを貼るのではなく、撤去しやすい看板方式です。
長崎駅
坂の上に広がる住宅街から、新長崎トンネルを通ってきた西九州新幹線の高架がやって来ました。
西九州新幹線は6両編成なので、8両編成に対応した在来線ホームと対して長さは変わりません。
ホームは完全に隣り合っており、間に壁も無いのでお互い見やすいです。
行き止まりで高架の終着駅ということを活かして、ホーム端には展望スペースがあります。
ものすごく景色が良いとは言えませんが、駅の良さを活かした構造というのは嬉しいものですね。
在来線については展望スペースに向かって上り坂。
新幹線ホームについても同様のものが作られるようですが、あちらは下り坂です。
こちらと同じ高さに向かっているということでしょうか。
新幹線ホームには丸みを帯びたホーム柵が設置されています。
発車標や乗降確認モニターも設置され、準備は着々と進められているようです。
新幹線の駅名標ですが、九州新幹線の青地に白文字とは異なり、在来線と同じ白地に赤い三角。
理由はあまり分かりませんが、こっちの方が目立って読みやすいですよね。
在来線ホームにはちょうど特急かもめが到着しました。
西九州新幹線が開業すると、長崎本線は肥前山口(江北)〜諫早が上下分離方式による運行へ移行し、肥前浜〜諫早の電化設備が撤去されます。
諫早〜長崎については電化が維持されるようですが、諫早駅から伸びる大村線は非電化区間という点から考えると、効率性を考えても電車は走らせず、ディーゼルのみ走る運行になりそうです。
コンコースでは西九州新幹線のアピールがされていました。
N700Sの座席も展示中。こちらは指定席の3号車と思われ、唐草模様です。シートデザインは各号車ごと異なっています。
一方で、まだ使用車両が分かっていなかった頃からのポスターも。どうしてもこれは不自然ですよね(笑)
自動改札が並ぶ現在の改札口と垂直方向に、乗り換え改札が設置されるスペースがあります。
まだ改札機は設置されていませんが、3列分くらい置かれそうな様子。
秋には調整中とだけ表示された新幹線の発車標へ、かもめが移っていきます。
在来線改札と新幹線改札は隣り合っています。今のところ在来線改札のほうが立派な印象です。
案内にはまだ開業していない西九州新幹線のりばが堂々と書かれています。
ラインが3つはいったN700Sデザインのピクトグラムです。
一方で隠してある部分に何が書いてあるのか、気になりますね。おそらく2023年秋に完成するJR九州の駅ビルの名前が書いてあると思われます。
こちらが新幹線改札、結構コンパクトな印象を持ちますね。
改札口は割と狭そうで、自動改札は2台程度の設置と予想されます。
グレー掛かったデザインの指定席券売機は2台。お客さんの発券方法が窓口からシフトすれば、台数も増えそうです。
改札横には奥から観光案内所、待合所、売店が並ぶ予定です。みどりの窓口は在来線側にあります。
構内についてはご覧の構造となる予定です。
改札の正面には2022年3月18日にオープンしたショッピング施設、長崎街道かもめ市場があります。
沢山のお土産屋さんやレストランが入っており、駅ビルみたいな感じです。
通常、新幹線ホームは用地の余っている裏側に作られます。しかし駅自体が完全に移転した長崎駅は、新幹線改札を表側に作ることができました。
新駅舎からは駅出口に向かって、臨時の通路が作られています。かつて車両が留置されていた広大な鉄道用地だったのですが、完全に無くなってしまいました。
最後に、地上駅時代と高架化後の長崎駅を比べてみましょう。
こちらは2020年3月に撮影した、高架化直前の様子。
2階建てのコンクリート駅舎とアミュプラザ長崎が大屋根で渡されており、この一体化している様子は駅を立派なものに感じさせられたものです。
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そして現在、2022年5月に撮影した同じ角度の写真。
駅舎が撤去されただけでなく特徴的な屋根も無くなって、その面影は殆どありません。
少し目を右にやれば、奥には移転した高架駅舎が構えています。
完成イメージはご覧の通りで、新駅舎から駅前まで広場で見通しが良くなります。その横には駅ビルも立ち並び、特徴的だった大屋根も復活、新しく生まれ変わる長崎駅前が楽しみですね。
今回もご覧いただき、ありがとうございました。
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