JR東日本は5月11日、みどりの窓口を2025年までに約7割の駅で廃止すると発表しました。
現在みどりの窓口が設置されている駅は、首都圏で231駅、他の地域で209駅。これをそれぞれ約70駅に絞る計画です。
窓口が残されるのは、利用者が特に多い他、各地域の中心駅だけに集約されます。
みどりの窓口廃止は有人駅の無人化とは別物で、7割の駅から駅員さんがいなくなるという意味ではありません。
窓口を廃止した駅では、オペレーターと遠隔で会話することになる、『話せる券売機』の導入などを進めます。このような券売機では従来窓口でしか購入できなかった学割乗車券や、株主優待券を利用した切符等も購入できるため、その点は問題ありません。
また、インターネット予約サイト『えきねっと』のリニューアルを6月に控えており、チケットレスの利用を促進しようという動きも出ています。
窓口廃止の理由として、JR東日本は新型コロナウイルスの感染予防と経費削減を挙げています。
しかしおそらく後者が理由の大部分を占めていると考えられ、新型ウイルスの影響はそれを後押ししたに過ぎないでしょう。
新幹線や中長距離列車の切符は、現在8割のお客さんがみどりの窓口以外(券売機やチケットレスサービス等)で購入しているとのことです。
更にJR東日本は新型ウイルスの影響で、21年3月期連結決算が5779億円の最終赤字に陥っています。
深沢祐二社長は記者会見で「コスト構造改革を考えないといけない。より効率的な駅の体制を進めていきたい」と述べました。
みどりの窓口廃止の流れはJR各社で進んでいます。
2020年12月16日にはJR西日本が「みどりの窓口」の設置駅を約340駅から22年度末までに約180駅に半減させると発表しました。
現在積極的にみどりの窓口の廃止と並行して『みどりの券売機プラス』の設置を進めているところです。
一部窓口では並行して営業時間の短縮も実施し、22年度末には年間約15億円の人件費削減効果を見込んでいます。
一方で各駅の券売機利用者がオペレーターに集中することで、お客さんが待つ時間が増える問題も発生しているのも現状です。
経費の削減は厳しい状況に置かれた鉄道会社にとって非常に大切なことですが、この点については窓口廃止の弊害が大きくなりすぎないよう、人材を十分に確保するべきだと思います。
また、鉄道ファンにとって一番気になるであろうポイントが10時打ちでしょう。
窓口廃止と共に指定席の予約方法も今後変わっていくのか、注目していかなければなりません。
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