日本には5つの近郊区間(東京,大阪,福岡,新潟,仙台)があります。
この範囲内ではA駅からB駅まで行くのに経路を指定する必要はなく、最も安くなる経路で運賃が計算されます。このルールを発展させた乗車を俗に大回り乗車と呼びます。
一方で名古屋には近郊区間が設定されていません。そのため、通常は隣の駅へ行くのに大回り乗車をすることは不可能で、経路を指定したきっぷを購入することが必要です。
しかし、唯一許されているのが、ICカードによる大回りです。
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ICカードのエリア内では、最も低い金額の運賃で計算されることになっています。
ただし普通のきっぷでは許されておらず、その場合は経路を指定して購入しなければなりません。
今回は名古屋から尾頭橋まで行きます。
岐阜から高山本線、太多線を経由し、多治見からは中央線で金山、ゴールの尾頭橋駅へ行くルートです。
それでは改札にタッチして、名古屋地区大回りのスタート!
まずは東海道本線で岐阜駅へ向かいます。
岐阜からは高山本線へ乗り換えです。
乗り継ぎの良い普通列車があったのですが、それはあえて見送ります。
しばらく待ちまして、乗車するのはこちら。
特急ワイドビューひだです。大回り乗車でも特急券を購入すれば特急列車にも乗車できます。
しかも今回乗車したのは、ただの特急ワイドビューひだではなく、お客さんを乗せたまま車庫に入れられるという面白い体験が出来る列車です。
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岐阜から美濃太田までの自由席特急券は330円。ホームライナーの価格で特急に乗車できるのはポイントが非常に高いですね。
途中では自動放送による沿線の案内がなされ、英語での放送もされるので外国人観光客の方々にも喜ばれることでしょう。
最初に紹介されましたのは国宝の犬山城。
犬山への観光は名鉄のほうが便利ですが、高山本線から山の上にそびえるお城は立派です。
鵜沼駅に到着。名鉄の犬山線と各務原線の乗換駅になっています。
2001年まで名鉄名古屋から犬山線を経由し、この付近から高山本線へ乗り入れて行く、名鉄の北アルプス号が走っていました。
続いて放送で紹介されたのは木曽川です。
日本ラインと呼ばれるこの川沿いを走っていき、日本の森林が多いという特徴がよく表れています。
美濃太田駅で下車。
多治見駅からは太多線の普通列車に乗り換えます。
太多線は非常に立派な設備が充実していて、木曽川を渡る橋梁も大きなトラス橋でした。
高山本線の美濃太田〜岐阜が走れなくなった時には特急ひだが太多線を走ります。
他にも行き違いの有効長が非常に長いのも特徴的でした。
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多治見駅では中央本線に乗り換えです。
湘南カラーと呼ばれる211系は313系と共に中央本線を走ります。
多治見から高蔵寺までは左手に渓谷の景色が見られ、流れるのは名古屋へ注ぐ庄内川です。
名古屋のベッドタウン、春日井市を経由し、名古屋の市街地へと入ります。
金山駅で下車。最後に乗車する東海道本線の普通列車に乗り換えです。
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ゴールの尾頭橋駅に到着しました。
名古屋駅と金山駅の間にある駅ですが中央線のホームは無く、東海道本線のみ停車します。
それでは改札にICカードをタッチ。
たった150円でこれだけ楽しい移動が出来るのは非常に魅力的です。
大都市近郊区間ほど自由な動きは出来なくても、特急にも乗車可能で、ビル群から渓谷まで様々な景色が見られます。
ぜひ、きっぷではなくICカードで乗車することに気をつけながら大回り乗車を楽しんでみてください。
今回もご覧いただき、ありがとうございました。
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