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【新型やくも試乗会】 グリーン・セミコンパートメント・普通席の全設備紹介!乗り心地は[2024ダイヤ改正(18)]
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2015年春に北陸新幹線が長野〜富山で開業するまで、名古屋から北陸を結ぶ特急しらさぎ号は名古屋・米原〜富山で運行していました。
北陸新幹線金沢延伸に伴い、特急しらさぎ号は全て金沢止まりに。名古屋から富山は東海北陸自動車道を通る高速バスが主流になっています。
そして2024年春。北陸新幹線敦賀延伸に伴い特急しらさぎ号は全て敦賀止まりになり、鉄道で北陸へ行く場合は敦賀駅での乗り換えが必要になります。
その一方で目的地が富山駅ならば、乗り換え駅が金沢駅から富山駅へ変わっただけ。しかも敦賀駅は乗換に特化した構造。新幹線部分も距離が長くなったことで、所要時間は短縮されています。
今回は名古屋〜富山を2時間35分で結ぶ、最速の移動手段を実際に利用してみました。
高速バスと鉄道どちらの方が便利なのか、その比較を含めご紹介します。
まずは高速バスと、鉄道乗継ルートを比較してみます。
名古屋〜富山の高速バスは、名鉄バス・名鉄観光バス・富山地方鉄道の共同運行便です。
7時〜20時台の1時間に1本の14本運行しています。
料金は、平日4,300円、土祝日5,300円、最繁忙期5,800円が目安です。所要時間は3時間37分でした。
鉄道利用の方法で一番メジャーなのは、名古屋〜敦賀(特急しらさぎ)+敦賀〜富山(北陸新幹線)です。
名古屋発の特急しらさぎ号は1,2時間に1本の7本。
乗車券+指定席特急料金で9,560円です。所要時間は平均3時間14分でした。
渋滞で前後するとはいえ、高速バスと比較して20分の短縮に過ぎず、料金面からしても高速バスに分がありそうです。
続いて速達性を重視して、名古屋〜米原(東海道新幹線)+米原〜敦賀(特急しらさぎ)敦賀〜富山(北陸新幹線つるぎ)です。
特急しらさぎ号の半分は米原発着のため、この乗継ぎを選べば1時間に1本の13本。
料金は乗車券+指定席特急料金で11,100円です。
なお、e5489のEXサービスで「乗継きっぷ」が発売されており、米原〜富山が5,530円。名古屋〜米原の乗車券+新幹線自由席特急券の3,100円と合わせて8,630円となり、こちらがお得です。
所要時間は平均2時間44分でした。
これなら高速バスより50分の短縮、乗継きっぷを使えば料金面の差も縮められ、これなら張り合えそうです。
それでは実際に、名古屋〜富山を鉄道で移動してみましょう。
東海道新幹線+特急しらさぎ+北陸新幹線による最速便は、終電に設定されています。
まず乗車するのは21:15発のひかり661号新大阪行きです。
最新型N700Sではなく、N700Aが充当されていました。
そのためコンセントは全席に備わっておらず、窓側のみとなります。
21:15 名古屋駅 発
とはいえこの時間帯のひかり号は最繁忙期でなければそれほど混雑しないため、自由席でも窓側に座れます。
ひかり号の自由席は1〜5号車です。
名古屋〜富山の乗車券に加えて、今回使用している特急券がこちらです。
名古屋〜米原は自由席、米原〜富山は指定席を利用します。
米原〜富山に関しては、在来線特急券と新幹線特急券を一緒に買うと特急料金が安くなる制度となっており、米原〜富山の特急券が1枚になります。米原〜敦賀、敦賀〜富山の2枚は指定席券であり、どの座席を予約したか示すものです。
岐阜羽島駅で、後続ののぞみ87号広島行きに追い抜かれました。
東海道新幹線の最高速度285km/hで、岐阜県から滋賀県へ関ヶ原を越えていきます。
21:40 米原駅 着
米原駅では、北陸方面の特急しらさぎ号へ乗り換える方が降りられます。
東京〜福井でも東海道新幹線+特急しらさぎの方が速かったのですが、北陸新幹線敦賀延伸により北陸新幹線一本の方が速くなりました。
そのため乗換え客は少々減りましたが、名古屋から北陸の移動で利用なさる方はそれなりにいらっしゃいます。新幹線のりかえ改札を通って、在来線改札内へ。
米原駅のセブンイレブンは21:30までで終了済み、食料調達は名古屋駅で済ませておきましょう。
乗り換えるのは特急しらさぎ63号敦賀行きです。
こちらの始発駅は名古屋駅ではなく米原駅。50km足らずで完結する短い特急列車です。
特急しらさぎ号で使われているのは681系電車、大阪からのサンダーバード号より一世代古い車両です。
そのためコンセントはどの座席にも備わっていません。
特急しらさぎ号は全車指定席で、自由席はありません。かつて自由席だった5,6号車も、案内が指定席に変わっています。
21:50 米原駅 発
車両あたり10人足らずのお客さんを乗せて、米原駅を出発しました。
車両ごとに見てみると、お客さんは大分減りましたね。
米原駅から敦賀駅まで途中停車駅は一切なく、車内表示器での案内も「停車駅は、終点 敦賀です」のみ。
一部の特急しらさぎ号は、途中の長浜駅にも止まります。
琵琶湖の東側を北上し、滋賀県の山間部へ。
この先の近江塩津駅で、大阪から特急サンダーバードが走る湖西線が近づいてきます。敦賀駅に先着するのは、特急サンダーバード49号の方です。
敦賀駅では、特急しらさぎ号と特急サンダーバード号両方からのお客さんを、一本の北陸新幹線つるぎ号に乗せます。
JR西日本としては、名古屋〜北陸より大阪〜北陸の所要時間を短くしたいので、サンダーバード号を後着させるのが基本。しかし、最終に関しては特急しらさぎ号から新幹線つるぎ号の乗継時間を短くしています。
敦賀駅での乗り継ぎ時間は8分。特急しらさぎ号から新幹線つるぎ号へ一番のりかえ時間が短くなっています。
おそらく名古屋〜北陸の最短所要時間の広告を打ち出すため、一本だけこのダイヤを組んでいるのでしょう。最終列車で多少変則的なダイヤを組んでも、他の列車への影響も小さく済みます。
かつて金沢方面へ特急が発着していたホームを見下ろしつつ、新幹線高架下の在来線特急専用ホームへ。
敦賀駅で下車される方より、新幹線のりかえの方が多いはず。
到着前から通路には列ができていました。
22:20 敦賀駅 着
到着専用ホームである、31・32番線ホーム。
お隣にはおそらく特急サンダーバード49号として先着した、683系電車が停まっていました。あちらには車端部にコンセントが設置されています。
到着ホームなのでエスカレーターは両方とも上向き、なるべくスムーズに乗換できるようにしています。
床面にはオレンジラインで特急しらさぎ、青色ラインで特急サンダーバードと書かれています。
北陸新幹線から在来線特急へ乗り継ぐ際は、このラインに沿って乗り換えることになります。
そして新幹線のりかえ改札の上に表示されています、つるぎ50号富山行き。こちらが北陸新幹線の終電です。
「乗車券」と「新幹線特急券」と書いてあるきっぷを自動改札に通して、新幹線改札内へ。
在来線改札内のセブンイレブンも22:10で閉まっているので、乗り換え時間関係なく買い物も難しいです。
一応ホーム上では、駅弁や飲み物の自動販売機が稼働していました。
12番のりばに停車中の、つるぎ50号に乗車。
敦賀駅から富山駅まで各駅に停まり、82分で結んでくれます。
15秒単位なので詳細は分かりませんが、22:28の発車時刻中に無事出発しました。荷物の多い方が集中する最繁忙期では分かりませんが、割と皆さんスムーズに乗り換えできていたようです。
22:28 敦賀駅 発
敦賀駅を発車しますと、列車はすぐに新北陸トンネルへ。
在来線の北陸トンネルでは電波が通じませんが、北陸新幹線では全線において携帯電話の電波が通じるようになりました。
トンネルを抜けると越前たけふ駅に到着。
新幹線単独駅ではありますが、この車両からも4,5人ほど降りていかれました。
向かい側ホームの発車標を見てみると、越前たけふ駅に2往復だけ停車する、かがやき号の文字。
東京発着の始発と終電が停車することになっています。
22:48 福井駅 着
名古屋から1時間33分、福井駅に到着しました。
つるぎ号には特急サンダーバード号からのりかえて来られた方も多くいらっしゃるので、より結びつきの強い大阪〜福井でのお客さんが沢山降りられている印象でした。
ちなみに大阪・名古屋〜福井の最終列車は、東海道新幹線で米原駅まで行き、臨時快速に乗り換え、敦賀駅でハピラインふくい快速へ乗り換える方法です。
0:01に福井駅着となり、こちらに関しては以前記事でご紹介しています。
福井駅を出発しまして、発車標に出ているのは敦賀方面のかがやき号とつるぎ号1本ずつのみ。
福井市街の夜景を眺めながら、北陸地方を東へ進みます。
22:57 芦原温泉 着
福井県最後の新幹線駅となります、芦原温泉駅に到着。
ちょうど敦賀行きの最終新幹線、つるぎ61号とすれ違いました。
23:05 加賀温泉駅 着
昼間には結構多くのお客さんが降りられる加賀温泉駅も、流石にこの時間帯ではほとんどいらっしゃいません。
敦賀方面の新幹線も終わり、発車標も深夜テンション状態でした。
加賀温泉駅〜小松駅の駅間距離は14.5kmと、北陸新幹線では最短です。
北陸新幹線の最高速度は260km/hですが、福井〜金沢は駅間距離が短いためか、200km/hちょっとに留まっていました。
23:13 小松駅 着
加賀温泉駅からはわずか8分、小松駅に到着です。こちらは小松製作所の企業城下町であり、ビジネス利用らしい方もこの車両から2,3人降りていかれました。
金沢延伸時から使われている、白山総合車両所を通過。
金沢市内の夜景を見渡しながら、まもなく金沢駅に到着です。
23:25 金沢駅 着
さすがは北陸地方最大都市であり、観光地の金沢。こちらで降りられる方が一番多かったです。
2分ほど停車したのち、金沢駅を出発。
特急しらさぎ・サンダーバードの特急車両が沢山止まっていた車両基地もかなり寂しくなり、特急車両は金沢〜和倉温泉を結ぶ、能登かがり火号だけです。
倶利伽羅峠を越えまして、石川県から富山県へ。
23:41 新高岡駅 着
敦賀方面の新幹線は終わったと思ったら、向かい側に新幹線が到着しました。
富山〜金沢の2区間においては、最終のつるぎ63号が設定されているのです。金沢駅には23:56着となります。
新高岡駅でもこの車両から7,8人ほど降りられました。
つるぎ号は速達型含め全て停車しているので、やはり需要が大きいのでしょうか。
神通川を渡りますと、その先には富山市街地が広がります。
ガラスの向こうに駅前広場を眺めつつ、終点の富山駅に到着です。
23:50 富山駅 着
金沢駅よりは少ないとはいえ、多くのお客さんが下車。
やはり大阪〜北陸の結びつきは強く、最終列車としても重宝されていることが分かります。
名古屋駅から2時間35分、深夜の富山駅まで最速でたどり着くことができました。
どうしても米原駅と敦賀駅で2回の乗り換えというのは、落ち着きがないもの。
一方で敦賀駅から富山駅まで新幹線一本で行けるのはありがたく、金沢駅で乗り換えていた頃より、後一歩なのに…という残念感は大分薄れました。
この深夜時間帯なので、路面電車はもう運行を終えています。
在来線についても、富山駅に到着する列車のみです。
富山駅から動くのは少々難しそうなので、その点だけはお気をつけて。
今回もご覧いただき、ありがとうございました。
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