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【深夜フェリー2時発】さんふらわあカジュアル18時間の旅 大洗→苫小牧乗船記[2309北海道廃線]

 

今回ご紹介するのは、関東から北海道を結ぶ長距離フェリーです。

トラック輸送の繋ぎ役としての役割が大きく、大洗〜苫小牧を結ぶ航路。東京の港へ入港すると房総半島を大回りするため、大洗港からの出入港になっています。

 

この航路を運行するのは三井商船フェリー。トラックドライバーが主な需要ですが、近年旅行者向けの新造船も増えています。

 

レストランや豊富な種類の船室がある昼行便に対して、深夜便は完全にトラックドライバーに特化。

なんと深夜1時45分に出港します。

一般の徒歩客としてこちらに乗船し、北海道まで行ってみることにしました。



東京から大洗へ行くには、まずは水戸駅まで。

水戸駅から大洗フェリーターミナルへ直行するバスも設定されており、水戸駅21:40発/大洗フェリーターミナル22:03着です。

 

今回はもう一つの手段、鹿島臨海鉄道大洗鹿島線で行くことにします。きっぷは4,5番の券売機で購入でき、大洗駅までは330円です。

 

交通系ICカードは利用できないので、注意が必要。8番線ホームから発車する普通列車に乗ります。



14分で大洗駅に到着しました。

先ほどご紹介した水戸駅から大洗フェリーターミナルへ行くバスは、近くの大洗駅入口バス停から乗車することもできます。

水戸駅から乗車する場合は620円なのですが、大洗駅まで鹿島臨海鉄道、駅入り口からバスに乗れば計520円です。

 

しかし、ここからなら十分歩けるくらいの距離なので、徒歩にてフェリーターミナルへ向かうことにしました。

 

途中道路の一角に、線路の描かれた石畳と、停留所みたいな建物の広場が現れました。

 

こちらはかつて水戸から大洗を経由して那珂湊町に至った路面電車、茨城鉄道水浜線を今に伝えるものです。

 

先ほどの広場で左に曲がると、ファミリーマートがあります。乗船前の買い込みにもぜひ。



20分ほど歩きまして、大洗フェリーターミナルに到着です。

ほとんどの人はトラックか車、数少ない徒歩客もバスで来るため、文字通り徒歩でここまで来る人は本当に少ないはずです。

 

ターミナル1階で受付を行います。支払いを終えていなかったので、自動チェックイン機ではなく、有人カウンターへ。

 

こちらで水色の乗船券と深夜便の案内を数枚いただきました。

 

今回乗船するのは、さんふらわあ だいせつ。深夜便には少々古い船が充当されています。

2025年にLNG燃料フェリー2隻が竣工し、こちらも新たな船に置き換えられる予定です。

 

乗船開始は22:30から、放送が流れたら乗客自身で、西乗船口よりフェリーへ乗り込みます。

 

ボーディングブリッジを渡ったところで、職員の方にバーコードを読み取っていただきます。



合っているのか不安になりますが、階段を登っていきます。

こちらに案内所がありまして、スタッフの方にお部屋の場所を示していただきました。

 

今回利用する「カジュアル」は4人部屋になっていまして、自分の番号が書かれたドアのところまで進みます。

 

今回は59番個室、重ための扉を開きます。

 

室内には4台のベッドが並んでいます。利用するのは扉に近い方です。

 

奥の方には旅館の広縁みたいな区画、テーブルと椅子が置かれていました。

 

ここから景色も楽しめそうで、窓下にはコンセントも備わっています。

夜間は光が漏れて航行に影響を与えてしまうかもしれないので、閉めておいた方が良いかと思われます。



1日お世話になります、ベッド周辺をご紹介。

十分に幅が取られているので、寝返りもうてて普通のベッドの感覚で良さそうです。

 

シーツは予め敷かれていますが、掛け布団のシーツは自分で掛ける形です。

 

パタンと持ち上げる形で荷物棚を展開、35kgまで乗せられるみたいで結構広いので、キャリーバックでも大丈夫そうです。

 

電気はスケルトンになっていて、古さの印象を強めます。

 

点灯する時やや時差があり、じんわり灯るのもまた昭和レトロ感です。

 

ネットですがちょっとした小物置きもあって、携帯や飲み物くらいは置けるかと思います。

 

両側からカーテンを閉められまして、真ん中をマジックテープで留めます。

 

それなりのプライベート空間は保たれていますが、端っこに少し隙間があるので、気になる方はいらっしゃるかもしれません。

 

シーツは袋状ではないので、おそらく挟み込む感じで使えば良いのかなと思います。



乗船時に来ました、案内所があるエントランスホールへ戻ってきました。

乗船中行き来できるエリアはAデッキ・Bデッキと名付けられていまして、今いるのはAデッキ。

 

上へ上がってきまして、こちらはBデッキのホールです。

船内レストランはありませんが、食事をとったり、本棚の漫画を読んだりできるスペースになっています。

 

こちらには様々自動販売機が設置されています。

酒類は夜間販売されないので注意、案内所を兼ねた売店にて深夜2時まで購入することができます。

 

レストランが無いので、メインの食事はこちらの冷凍食品。スーパーマーケットなどで見慣れた商品が並んでいます。

 

冷凍食品専用のほか通常の電子レンジもあるので、あらかじめ購入したものを温めることもできます。

 

牛乳なども販売されており、お風呂上がりにもピッタリです。



そう、このフェリーには浴室もあるのです。

営業時間は乗船時〜2:00、8:00〜下船時。早速入ってきました。

かなり広い展望浴室に、サウナまで備わっている充実っぷりです。

 

レンタルバスタオルは510円。事前にこの情報を得ていたので、コンビニでタオルを買っておきました。

 

浴室の近くには、フェリーでおなじみゲームコーナー。この船は2001年から運航しているのですが、その当時からの平成前期を思わせるゲームが多かったです。

 

アルコールメニューはご覧の通りです。種類は自販機の方が豊富ですが、十分色々揃っています。

 

今回はクリアアサヒをいただきました。お風呂上がり船で飲むキンキンのビールは最高ですね!



1:45 大洗フェリーターミナル 発

そろそろ出港という頃、甲板へやってきました。

 

埠頭からどんどん離れまして、黄色く照らされた海から漆黒の海上へ旅立ちです。

 

大洗のぽつぽつとした夜景に見送られつつ、本州を発ちました。

 

歯磨きをしまして、船室へ戻ってきました。最終的には4台のベッド全て埋まっており、金曜深夜の出航ですが利用者は多めみたいです。

 

深夜2時、シーツを被せた掛け布団に包まりまして、おやすみなさい…。



おはようございます。9:30頃に起床しました。

すでに気仙沼を過ぎており、岩手県のリアス式海岸中腹あたりを航行しています。

 

船内では通過する灯台が紹介されていたのですが、金華山灯台は過ぎてしまいました。

 

おそらく大船渡市あたりを通っていると思われます。この通り陸地が近めなので、岩手県沿岸部では電波状況が結構良かったです。

 

大洗のファミリーマートで買ってきた、ミニつぶあんぱんで朝ごはん。

コーヒーと共に潰れたパンを口に入れつつ、電波状況が良いうちに作業を進めます。

 

10:38釜石市と山田町の境界あたり、本州最東端の駅である岩手船越駅が近いです。

 

11:05魹ヶ崎灯台が見えました。

ここは本州最東端の地、結構アクセスに難があって、かなり訪れるのが難しかったと記憶しています。

 

案内所・売店も営業を再開しました。

営業時間は乗船〜2:00、10:00〜13:30、18:00〜下船です。

 

トラックドライバーメインの深夜便ですが、さんふらわあグッズも取り扱っていました。

 

12:00になった頃、相変わらず断崖絶壁の三陸海岸が続いています。さすがは日本最大級のリアス式海岸です。



早くもお昼ご飯の時間、冷凍食品をいただきましょう。

ご飯もの、カツサンド、パスタの大きく3種類あります。

 

ここではカルボナーラをチョイス。漫画で作り方を分かりやすく教えてくれます。

 

冷凍食品専用電子レンジで温めます。それぞれ商品のボタンを押すだけなので、非常に簡単です。

 

濃厚な卵にクリーミーさが合わさって、とても美味しかったです。ただの冷凍食品なのに、何故か船上だとおいしさ倍増しますね。

 

14時ごろ灯台はちょっと分かりませんでしたが、鮫角を通過。

JR八戸駅にも鮫駅がありますが、まさにその辺りとなります。ウミネコがたくさん集まってくる、蕪嶋神社が有名です。



お昼寝をしていたらあっという間に夕方17時。

めちゃ雨が降っていて、デッキは洪水状態になっていました。

 

陸地が離れて電波も悪くなってしまったので、旅行雑誌を読んでいました。

特にフェリーは詳しくないので、船旅雑誌は色々興味を惹かれます。

 

1時間ほど経ちまして、夕暮れが見られる天候に。函館から30kmほど東の辺りです。

 

深夜は開いていませんでしたが、自販機があったホールのお隣にはサロンと言われる区画があります。

 

展望ラウンジとして位置付けられており、ホールよりも落ち着いた空間です。

8:00〜下船で開放されています。



あっという間に夜ご飯の時間です。

カップヌードルもありますが…

 

やっぱり冷凍食品、キーマ&トマトカレーにしました。

程よい辛さのルーでボリュームを感じられ、もち麦ご飯に給食的な懐かしさも。

 

18:48、辺りは真っ暗。遠くの方にタンカーの明かりだけが、ぽつぽつと浮かんでいます。



19:30、苫小牧港が見えてくると、眩いほどの光が飛び込んできました。

港に重工業のコンビナートと元気な沿岸部。風に運ばれる煙まではっきりしています。

 

海に映る光を揺らがせつつ、苫小牧西港へと近づいていきます。

 

お世話になりましたベッドからもお別れ、いよいよ北海道へ接岸です。



19:45 苫小牧港フェリーターミナル 着

観光客の方はデッキに集まりやすく、4,5人ほどいらっしゃいました。

奥には八戸行きのシルバーフェリーが停泊中です。

 

ボーディングブリッジが連結されまして、乗船時と同じエントランスホールから下船します。

 

結構分かりづらいのですが、徒歩客の案内矢印に従って降りていきます。

 

鉄道の発車標と変わりない出港案内。乗ってきたフェリーは折り返し苫小牧港発の深夜便として運航します。こちらも深夜1:30発とかなり遅い時間です。

 

苫小牧西港フェリーターミナルから苫小牧駅までは、4kmちょっと離れています。

 

札幌行き高速バスや苫小牧駅行きの路線バスもこの時間では無くなっているので、タクシーは自分で手配する必要があります。



1時間ほど歩けば着けるので、今回は自分の足で。

そんなに辛くないので、基本的にこの間は歩くことが多いですね。

 

コンビニに寄ったのでちょっと時間がかかりましたが、20:49発特急北斗札幌行き、21:09発普通札幌行きに乗れます。この日は大雨で遅れていたので、時間を過ぎても表示されていました。

少々使いづらい深夜便でしたが、とてつもなく不便ということもありませんでした。初心者には昼行便をオススメしますが、旅行に慣れた方ならこちらも是非お楽しみいただけたらと思います。

 

今回もご覧いただき、ありがとうございました。

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