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【白子行き特急】F1日本グランプリ臨時 近鉄アーバンライナーネクスト(next)の違いは?
2023年9月23,24日の週末、三重県鈴鹿市の鈴鹿サーキットではF1日本グランプリが開催されています。 これに伴いJR、伊勢鉄道、近鉄では多くの臨時列車が設定されています。 今回注目するのは桑名駅か ...
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F1日本グランプリ開催により、帰りの近鉄特急は多くが満席になっています。
そんな中、白子→近鉄名古屋駅で追加の臨時列車「楽」が運行されました。
団体旅行に対応すべく、1990年に登場したこの列車。2020年にリニューアルしまして、一層楽しめる車内空間となりました。
特別に運行された近鉄特急の団体専用車両、こちらに乗車してその内部をお届けします。
楽が出発するのは夜ですが、朝の白子駅へやってきました。
乗車のためには、当日朝8時から白子駅で手売り販売される、列車券が必要です。
料金は大人400円・小人200円。他に乗車券が必要ですが、特急料金920円に比べてかなり安く移動できます。
座席の指定はできませんが、 1号車5Cが割り当てられました。
駅周辺はだんだんと混雑を見せており、F1日本グランプリ協賛企業として、そこらじゅうでRed Bullが配られています。
ここから鈴鹿サーキットまではバスが出ており、三重交通が大量の車両を用意していました。その人気ぶりを知らしめられます。
夜になりまして19時ごろ、再び白子駅へ戻ってきました。
ホーム上はこの混雑、満席の特急列車に多くのお客さんが乗って行かれます。
特急列車は全車指定席であり、座席を確保できていない方は急行列車へ集中。完全な満員列車で名古屋まで向かうようです。
そんな中で混雑を回避し、ラクラク移動できる臨時列車「楽」。
発車標に「貸切」と表示されているこちら、4番線ホームに入線です。
しばらく停車していた普通列車出発後、津駅方面より「楽」がやってきました。
特徴的な八角形をしたフロントガラス、角張ったカッコいい見た目でありながら、ここからでもはっきり見られる車内は非常に優しい印象です。
4両編成で客席は全てハイデッカーとなっており、両先頭車の1,4号車は2階建てです。
元々車両外観は近鉄っぽいレモンイエローとパールホワイトだったのですが、日本古来の漆をモチーフにした「漆メタリック」へ。
大阪、奈良、京都、伊勢志摩、名古屋の沿線5地域の魅力を、伝統色と和柄で表現しているとのことです。
列車が到着するとすぐに発車、各号車では駅員さん方がプレートをお持ちになって案内しておられます。とりあえず一番近かった4号車より乗車しました。
19:49 白子駅 発
ハイデッカーよりホームを見下ろしつつ、白子駅を発車しました。広々した快適な車内で、近鉄名古屋までの優雅な移動です。
列車券は完売しているため満席のはずですが、結構空席が目立っていました。
もしかしたら特急列車のキャンセルが取れたり、バスが遅れていたりで、乗らなかった方も多いのかもしれません。
ちょっと空席をお借りして、座席をご紹介します。
様々な色と和柄のモケットにより、そこにいるだけでワクワクさせてくれる車内です。
こちらは特急列車と異なり、転換クロスシートです。
リクライニングなどはできませんが、長時間でも疲れなさそうな座席でした。
簡単に座席を転換できるので、この通りグループで向かい合う事ができます。
中間車両については大きなテーブルが備わっており、シートピッチも広めです。
2,3号車はハイデッカー構造で、この車両間にはデッキがありません。
高い位置に貫通扉が設けられており、こちらは両開きの扉です。
2号車を通り抜けまして、1号車の方へ。カーペット敷きの高いところから階段を降りていきます。
1号車のデッキ部では、階段が上下両方へ分かれています。
下の方は後ほどご紹介するとして、上の客席へ向かいましょう。
こちらが今回割り当てられた座席。後から窓側の方も来られました。
転換クロスシートのため背面テーブルはありませんが、窓側にはテーブルが取り付けられています。
中間車両より細いのがお分かりいただけるでしょう。
通路側座席にも肘掛けから出てくる、小さめのテーブルがありました。
つまみを引き出してくるんと回す方式。0系新幹線などでも採用されていた、近年の車両ではあまり見ないものです。
これら座席はリニューアル時に新製されています。
大きな窓からは、前面展望も楽しむことができます。
こちらにはフリースペースがあるので、後ほど行ってみましょう。
車両中央部には下へ降りる階段があります。
先程ご覧に入れたデッキから降りる階段の先と、同じところに繋がっています。
そこにあるのはフリースペース、靴を脱いでのんびり寛げます。
ヨギボーの人間をダメにするソファが置いてありました。お客さんがいらっしゃらない時を見計って撮りましたが、たくさんの方がダメになっています。
窓枠にはクッションが貼られており、取り外して床に敷いて使う事ができます。
近鉄四日市駅に到着です。
途中駅は降車専用駅となっており、ここからの乗車はできません。10人くらい降りていかれたかと思います。
ここでしばらく停車しており、近鉄特急ひのとりに追い抜かれました。
扉は閉じるとこの通り、わざわざ窓を2つに分けているのが、デザイン的に面白いですね。おそらく小さいお子さんでも景色を見られるよう、低い位置にも窓をつけたのではと思います。
こちらは3号車の4号車よりにあるデッキです。
全車ハイデッカーの列車ということで、車椅子スペースが設けられています。
こちらには折りたたみ式の座席も用意してありました。
おそらく添乗者の方が、お座りになるのを想定していると思われます。
コンセントも設置されていました。ご紹介できていませんでしたが、通常座席にもコンセントが付いている箇所があります。
こちらにはバリアフリー対応お手洗いが備えられました。
かなり薄い色の木目調が特徴的。ちょっとピクトグラムが見づらく、茶色にしても良いのではと思います。色盲の方には辛いです。
車椅子の方でも利用できるよう、広くスペースが取られていました。
開閉ボタンが縦長八角形になっているのも、楽のフロントガラスを彷彿させます。
ウォシュレットのボタンもかなり新しめ。洗浄ボタンとSOSボタンを押し間違えにくい配置です。
壁面にはオムツ交換台が備わっており、この部分のガラスはわざわざ分けられています。
手前へ開く形で、転落しないようベルトと窪みがあります。
号車表記の背景にも和柄が用いられていました。フリーWi-Fiもあります。
続いて4号車へ向かいます。
1号車から2号車、3号車から4号車の貫通扉は、ハンドルを握ると開く自動扉です。
1,4号車デッキ部にはコンパートメント座席があるので、おそらく普通の自動扉にするとセンサーが感知して開閉してしまうのでしょう。
握ると開く方式により、その鬱陶しさから解放してくれます。
4号車階下にもフリースペースがあって、1号車とは少々異なります。
こちらは中央部に、バームクーヘンのような丸いソファが置かれています。ひとつひとつ切り離して動かすこともできるようです。
1号車へ戻ってきたところで、到着したのは桑名駅。こちらも降車のみ可能な駅となっています。次は終点の近鉄名古屋駅です。
そして1号車先頭部、前面展望を楽しめるフリースペースへ。
真上から見ると五角形のソファが4つ並び、リラックスして展望を楽しめます。ここからは前面展望を楽しませていただくことに。
木曽三川のトラス橋を渡りまして、三重県から愛知県に入りました。
臨時列車用のスタフが入っており、各駅での停車時刻などが記載されています。
富吉の車両基地には、伊勢志摩への観光特急しまかぜも眠っていました。
近鉄蟹江駅でポイントを越え、副本線へ入りました。どうやら後ろから来ている特急を待避するようです。
7分の停車時間中、通過していったのはアーバンライナーでした。
JR八田駅のホームを見つつ、その先の近鉄八田駅を通過します。
向かいからはおそらく回送の近鉄特急ひのとりがやってきました。
そして正面には名駅のビル群が見え始めたところです。
右手にはJRの車両基地が隣接しており、HC85系が止まっていました。
JRでも特急南紀を鈴鹿サーキット稲生駅に臨時停車させたり、HC85系の快速を走らせたりと、かなり忙しい週末です。
左手の留置線にはアーバンライナーネクストが停車中、おそらく白子駅で見かけたのじゃないかなと思います。
列車はいよいよ地下へ潜って行きます。
ホームの明かりが見え始め、ポイントをわちゃわちゃ越えていきました。
特急列車はまっすぐ先の4,5番線ホームに止まりますが、楽は2番線ホームへの入線でした。
行き止まりの頭端式ホームということで、正面には多くの方がカメラを向けておられます。その人気ぶりには驚かされるものです。
20:44 近鉄名古屋駅 着
現代に合わせてデザインまで一新した上で、リニューアルされた「楽」。フリースペースを始めとして、とにかく楽しませてくれる列車でした。
近鉄における名車の一つとも言える、ビスタカーの仲間。その中でも突出して普通の列車との違いを押し出していました。
臨時列車用の車両のため乗れる機会は少ないですが、また長距離乗ってみたいと思わされました。
ぜひ近鉄のホームページなど確認していただき、乗車してみて下さい。
今回もご覧いただき、ありがとうございました。
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