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基本的に郊外に位置する車両基地。都市部のターミナル駅との間は、からっぽの回送列車として行き来します。
この回送列車にプラスいくらかで通勤客を乗せてあげよう、これがホームライナーの始まりです。
近年では回送のついでというより、通勤時間帯に狙って走らせる場合も増えてきました。その結果、客単価を上げるため、ホームライナーの特急化が進んでいます。
これによりホームライナーが残るのはJR東海とJR北海道だけです。
今回のダイヤ改正で、JR北海道のホームライナーは全車指定席化されました。今回はこれにより生まれたJR北海道の普通列車グリーン席に乗車、どのような変化が生まれたのか、ご紹介します。
やってきたのは函館本線手稲駅です。
札幌駅から10kmほど離れたところに位置し、札幌中心部へのベッドタウンとして発展しています。朝のラッシュ時間帯には混雑する駅です。
そして手稲駅〜稲穂駅には札幌運転所があり、特急列車で言えば785系(すずらん)、789系(ライラック・カムイ)、261系(とかち・おおぞら)が入っています。
今回ご紹介するホームライナーは、手稲→札幌で片方向朝のみの運転。261系気動車の札幌駅送り込みを兼ねています。
改札内、発車標下にはホームライナー専用の券売機が3台並んでいました。
食券方式の乗車整理券100円を購入すれば、グリーン車含めどの座席に座っても良かったのです。
それが全車指定席化に伴い、普通車指定席530円(こども260円)、グリーン車指定席780円(こども同額)になりました。
ただし、えきねっとチケットレス座席指定券で購入すると、普通車指定席210円(こども100円)、グリーン車指定席310円(こども同額)になります。
また、青春18きっぷで利用される方に気をつけていただきたいのが、普通列車でもグリーン指定席では別に乗車券購入の必要があることです。乗車できるのは普通車指定席のみで、この点これまでと異なります。
時刻は以下の通り。途中停車駅は無く、札幌までノンストップです。
ホームライナー1号…手稲駅7:24発-札幌駅7:40着
ホームライナー3号…手稲駅7:51発-札幌駅8:08着
ホームライナー5号…手稲駅8:22発-札幌駅8:40着
今回JR北海道がホームライナー全車指定席化と値上げに踏み切った理由、それは収益向上であることに間違いありません。
他JRで特急化されているライナー列車ですが、手稲〜札幌を特急にできなかった理由は2つ。
まずは手稲〜札幌の所要時間が微妙であること。運行時間は16〜18分と、ホームライナーの中でも短い乗車時間です。一方で、前後に列車が詰まっているため速度を出せず、普通列車と所要時間は同じ、特急と言える速達性は担えていません。
続いて、既存の特急料金体系では、あまりに高額になってしまうこと。手稲発着の特急にした場合、手稲〜札幌は自由席特急料金320円、指定席特急料金850円とかなり高いです。いくら客単価を上げても、それで乗ってくれなくなったら意味がありません。
普通席なら100円から210円にちょっと上がったくらいで、乗る人は引き続き乗るレベル。少なくとも利用者半減はしないでしょう。ホームライナー独自の全車指定席化は、客単価向上とそれによる利用者現象のバランスを取った結果です。
また、独自の発券方法ではなくマルスに入れこむことで、システムの統一化を図り、専用券売機の維持費用を抑えられます。それに加え、それまで乗降口にて整理券を回収していた係員の人件費削減も可能です。
昨年には快速エアポートのuシート指定席券を530円から840円に値上げしており、JR北海道にとって儲かる路線における客単価向上は必須です。収益を高める上でも、十分納得できる変更でした。
また、JR北海道の通勤電車の路線図には、ホームライナーの表記が加わっていました。かなり無名な列車でしたが、少しでも認知度を上げようとしているのかもしれません。
ホームライナーは4番線ホームからの発車です。
今日が運行初日とあって、案内のため多くの駅員さんが配置されていました。
7:17ごろ、函館本線横から札幌運転所を繋ぐより入線してきます。
これまでは2号車のところに1列で並び、係員の方に乗車整理券を渡して順番に乗り込む方式でした。それがもう並んでおく必要はなく、好きな時に乗るだけです。
乗車位置案内が新たに貼られまして、グリーン車の四葉マークもついています。
それではぼんやりベールに包まれました、先頭のグリーン車内へ入りましょう。
乗車する261系グリーン車は、1+2配列。1人座席が進行方向右側のA席、2人座席が左側のCD席です。
グリーン席については1人座席が全て埋まっているくらいの乗車率でした。
座席は革張りシートでいながらも、ふかふかで座り心地が良いです。
テーブルは折りたたみ方式で、パソコンも十分置ける広さ。
コンセントも備わっているのは非常にありがたいですね。
ちなみにこちらは普通車、1両あたり10人座っているぐらいでした。
ちなみに電源だけほしいという方は、1・2号車間のデッキに充電スペースがあります。
先行する普通列車はご覧のように、ホームいっぱいになるほどの混雑。1区間15分と短いのにどうなの?と思ってしまいますが、やはりホームライナーの需要は高いようです。
7:24 手稲駅 発
「札幌までごゆっくりお過ごしください」という、ホームライナーならではの放送を聞くことができます。
車内のLEDでは「全車指定席」「ホームライナー札幌行き」が繰り返し表示されていました。
最初の通過駅は稲積公園駅。駅前にはその名の通り、稲積公園が広がっていました。
雪を被った手稲の山々に見送られ、非常に優雅な朝です。
発寒駅を通過しまして、札幌市営地下鉄東西線と並行する区間に突入します。
全体的にゆっくり40〜50km/hの走行ですが、特に発寒中央駅を過ぎて琴似発寒川を渡るときは、自転車レベルです。
運転席からはATSのジリリリキンコン音が聞こえています。これはラッシュ時で前後に列車が詰まっているためです。
列車は琴似駅を通過。
快速エアポートも停車するため、通過するのはこのホームライナーと夏の臨時特急ニセコくらいでしょう。
その先には札幌市中央卸売市場。
白くて立派な生鮮食品を取扱い、札幌に限らず道内各地へ運ばれます。
左手からは学園都市線が合流してきまして、桑園駅を通過します。
桑園駅を通過するところで、札幌駅到着放送が流れました。
「札幌から特急列車に使用いたしますが、車両整備を行いませんので〜」という専用のアナウンスです。
7:16 札幌駅 着
非常に名残惜しいですが、放送の通り座席は戻しておきましょう。
ヘッドマークは既にとかちの幕。特急とかち1号として準備が進められています。わずか15分のグリーン車の旅ですが、ぜひ皆さんも乗車してみてください。
今回もご覧いただき、ありがとうございました。
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