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大幹線の一端を担う第三セクター 肥薩おれんじ鉄道乗車記

 

ここは熊本県八代市の中心駅、八代駅です。

八代は、い草と製糸業のまちであり、駅前には大きな工場が建っています。

 

ここまでは起点となる門司港駅から鹿児島本線を南下していきました。

 

そんな鹿児島本線はここから先第三セクターとなります。

2004年、九州新幹線の開通によって並行する八代〜川内は肥薩おれんじ鉄道となったのです。

JR八代駅の駅舎は熊本地震の影響もあって、2019年にリニューアル。

和風デザインの駅舎に入居するファミリーマートも、一緒に茶色くなっています。

 

隣接した建物が、肥薩おれんじ鉄道の本社と八代です。

 

自動券売機を見てみると、長距離のきっぷは段ボールでカバーされていました。

 

これは1dayのれる切符というフリーきっぷが発売中だったため。

八代〜川内の片道で2670円という中、1500円で1日乗り放題という破格のきっぷです。

 

肥薩おれんじ鉄道の駅名標は白にパステルカラーを使った、さわやかな印象があります。

 

肥薩おれんじ鉄道線のホームは0、1番線です。

 

九州新幹線と乗り換えられる鹿児島本線の新八代駅から1両のディーゼルカーがやって来ました。

八代駅を出発。

全区間乗り通すと2時間半〜3時間かかります。

 

八代駅から伸びるもう一つのJR線、肥薩線の錆びた線路が横を走ってます。

肥薩線は2020年の豪雨によって八代~吉松が不通、復旧の目処は立っていません。

 

一度離れていった肥薩線ですが、トンネルを抜けると直角して交差。

列車が走っていないので草が蒸しています。

 

その直後にあるのが球磨川を渡る橋梁、赤茶色の鉄橋からはローカル線らしい雰囲気を感じます。

 

肥薩おれんじ鉄道は一部が単線での運行、そのため途中駅には行き違い設備が備えられています。

特に貨物列車が走る幹線としての役割もあるため、有効長が長いです。



列車は日奈久温泉駅に到着。

九州新幹線の開通前、ここは特急も停まっていた有人駅です。

 

向かいには、くまモンのラッピング列車がやって来ました。

 

列車は不知火しらぬい海とも呼ばれる八代海沿いを走っていきます。

 

干潮の時には干上がった浜がドロドロになっていたりするのも特徴です。

 

レンガ積みのトンネルなどになっています。

肥薩おれんじ鉄道の区間は1927年に全通、たしかに昔ですが、幹線としては新しい方です。



それまでの鹿児島本線は、現在の肥薩線を経由する山側ルートでした。

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その理由として、海に近いと外国から鉄路を攻撃されやすい点について、海軍が反対したからということがよく挙げられます。

 

こちらは2005年に開業した新駅、たのうら御立岬公園駅です。

駅名の通り御立岬公園の最寄り駅であり、芦北町の観光施設である道の駅たのうらなどに向けて設けられました。



トンネルを抜けると真っ白なコンクリートの壁が出来ていました。

2020年に九州を襲った令和2年7月豪雨、多くの鉄道が被害を受けましたが、肥薩おれんじ鉄道についても同じです。

 

この場所は復旧と共に防災面で改良された模様で、枕木やバラスト含め、全体的に新しくなっています。

 

芦北町の中心駅である佐敷駅で行き違い。

かつては一部の特急も停まる駅であり、佐敷から天草へのフェリーもありました。

肥薩おれんじ鉄道は八代海に沿って各町を結んでいましたが、山の中を突っ切る九州新幹線の高架が交差してきました。

 

肥薩おれんじ鉄道は単線区間もありますが、複線区間も残されています。

 

速度も85km/hほど出ており、非電化の幹線に沿ったスピードです。

 

津奈木駅手前では再び九州新幹線の高架が現れます。もちろん新幹線側でなく、おれんじ鉄道がカーブしているためです。

 

線路は再び単線となり、山を切り開いた鬱蒼とした森を走っていきます。



九州新幹線の乗換駅である新水俣駅に到着。

水俣市中心部の水俣駅は九州新幹線のルート上から外れていたため、両線路が接触するところに駅が設置されました。

 

九州新幹線は山に向かっておれんじ鉄道から離れていきます。

その近くで建設されているのは南九州西回り自動車道。この辺りでは水俣IC~出水ICが繋がっていません。

 

水俣駅に近づいたところで並走するのが、1988年に廃止された山野線の廃線跡です。

 

水俣駅の駅舎は2015年にリニューアルしており、水戸岡鋭治さんによってデザインされました。

 

袋駅~米ノ津駅で熊本県から鹿児島線に入りました。

第三セクター鉄道は県境で会社が変わるのが普通ですが、肥薩おれんじ鉄道に関しては1つの会社にしてくれているので、非常に便利です。



新幹線乗換駅の出水駅に到着しました。

出水で『いずみ』と読むのは、かなりの難読です。

 

反対方向からやってきたのは観光列車のおれんじ食堂。

おれんじとは反対色である青色の車両で、その名の通り食事をメインとした列車になっています。

 

新幹線の駅舎を見ると、ガラス張りで立派な印象ですね。

西出水で行違った列車には夕焼けが映っていました。この曇り空では見られませんが、晴れていればさぞ綺麗なのでしょう。

 

九州新幹線から大きく離れて、この先は海沿いを走ります。



次の大きな町、阿久根駅に到着。

柑橘系を半月切りした椅子が置かれていて、駅にはキンカンっぽい木が生えています。

 

特急が停車していた阿久根市には新幹線が来なかったため、遠くからは少し行きづらくなってしまいました。

 

牛ノ浜駅には肥薩おれんじ鉄道に復活した旅客特急、36ぷらす3がおもてなし停車を行います。

 

この海で夕陽を見れたら本当に良かったですね。またの機会を楽しみにすることとしましょう。

 

そうかと思ったら山と山を橋渡す鉄橋を走っていました。

 

この辺りは景色がコロコロ変わるので、車窓が忙しいです。

 

薩摩高城駅は秘境駅の一つとして数えられる駅。

そこまで閉塞感はありませんでしたが、たしかに家は少ない印象でした。



肥薩おれんじ鉄道には全線に渡って、電気を摂る架線があります。

しかし今走っている車両は気動車、電気は使いません。

 

それでも電化設備が残されているのは、貨物列車が走るためです。

しかし2020年に36ぷらす3が運行を開始したことで、旅客列車についても電車特急が走ることとなりました。

肥薩おれんじ鉄道はただのローカル線ではなく、長距離の貨物輸送に置いても重要な役割を担っています。

 

列車は薩摩川内市の市街地へと入りました。

 

渡っているのは川内川。

九州新幹線の大きなコンクリート橋とともに、赤白の鉄橋を走って行きます。

 

川内駅にはコンテナが積まれていました。この光景を見るのも久しぶりです。

 

肥薩おれんじ鉄道はここで終わり、車止めが付けられています。

 

しかしすぐ真反対にも車止めがありました。

 

ここから始まるのが鹿児島本線、川内〜鹿児島についてはJRでの運行が続けられています。

 

1両のディーゼルカーが行くローカル線ですが、大幹線としての鉄路の雰囲気を色濃く残す肥薩おれんじ鉄道。今では36ぷらす3によってその体験をできるようになりました。

九州の大動脈の一員を担う鉄道として、今後も楽しませていただけたらと思います。

 

今回もご覧いただき、ありがとうございました。

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