名鉄 愛知

公園に整備された三河海線廃線跡 碧南レールパークを歩く

2021年3月30日

 

名鉄三河線は知立駅から豊田・猿投方面へ向かう山線と、刈谷・高浜・碧南方面へ向かう海線に分けられます。

今日やってきたのは三河線海線の終着駅、碧南駅です。

海線・山線が正式に案内されることはありませんが、ナンバリングも”MikawaUmi”になっているので、暗黙の了解みたい。

 

この碧南駅は現在終着駅になっていますが、2004年までここから西尾線と蒲郡線の分岐駅、吉良吉田駅まで三河線が伸びていました。

 

現在では鉄道の廃止に伴って、バスに転換。本数は維持したまま一律200円となったことでより便利になったかもしれません。

 

そして碧南駅からしばらく、碧南市内の線路跡は碧南レールパークとして保存・活用されています。

 

今回は公園となった廃線跡、碧南レールパークを全て歩いてみました。

碧南駅は少し前まで1947年に建設された2代目駅舎を使用していました。

かなり雰囲気のある駅舎でしたが、さすがに老朽化が目立っていたのを覚えています。

 

そこで2020年に新駅舎がオープン。近現代的なデザインで、駅舎内には明るい待合室も備えられました。

 

そんな新しくなった碧南駅からは砂利の敷かれた廃線跡が伸びていきます。

 

名鉄お馴染みの柵は赤茶色に塗られ、列車が走らなくなったことで錆びてしまった線路を連想させます。

 

しばらくすると公園らしい遊歩道が現れてきましたが、こちらはまだ工事中。

 

しかし3月26日に工事が終わる予定になっており、この区間も楽しむことができます。

 

この中には当時使用していたと思われるキロポストも置かれていました。

それでは碧南レールパークのスタート地点へ。

こちらは大浜口広場(旧・大浜口駅)です。

 

1946年に廃止されましたが、ここからは三河線の貨物支線、大浜口支線が分岐していたのです。

 

この場所は碧南駅側から言って碧南レールパークの玄関口ということもあって、モニュメントや三河線の歴史解説などが充実していました。

 

2本の白い線路に沿って、どんどん歩いていきます。

 

途中には道路と交差している場所もあって、かつては踏切だったのだろうと想像が膨らみます。



次の駅、玉津浦駅に到着しました。

ここは現役時も1面1線の棒線駅。しかしここで線路が分かれていきます。

 

その理由はここから貨物線である大浜臨港線が分かれていたため。1959年の伊勢湾台風と同時に廃止されました。

 

そして旅客駅として晩年まで使用されていたのがこちらのプラットホームです。

 

真ん中に出入口があるという、かなり不思議な構造になっています。

 

新しく作られたプラットホームにはプレートが埋め込まれ、すごく立派な文化財みたいに見えます。

 

しかしスロープ状になった側から見れば、その当時の雰囲気が強く感じられました。

 

途中には遊具や健康遊具が設置されていて、公園らしい一面を見せています。



次は棚尾駅にやって来ました。

こちらは当時のプラットホームの様子がかなり残されています。

 

コンクリートで新しく整備された部分もありますが、元々のホームを下から見上げることも出来ました。

 

駅の出入口がこちら。ここまで新しく整備されると一体何の入口なのか、おかしな感覚がします。

 

またこの駅にもかなり大きな遊具が置かれていました。



次は三河旭駅、1面1線の駅ですが、元々は1面2線の島式ホーム。

その広い駅跡地を利用し、これまでの駅と比べて最も大きな公園として整備されています。

 

現役当時の写真がこちら。ホームに面するところは駐車場に利用され、舗装されていない場所が広くとられていました。

 

そしてこちらが同じカットで撮影した2021年3月の様子。

比べてみると明らかですが、新しい住宅がたくさん建てられたことがよく分かります。



また、この駅には非常に多くの遊具がありました。

園内にあるたくさんの遊具は”こんな遊具があったら良いな”という地元小学生の意見を元にできたのです。

 

レールパークは線路が天に向かっていくところで終点となります。

 

ここから先、三河線は矢作川を渡り、西尾市です。

 

碧南レールパークはただ廃線跡を残すだけではなく、市民にとって有効なランニングコースや子供の遊び場にもなっています。

 

鉄道の廃止跡は鉄道ファンにとってだけでなく、地元の人々にとっても利益のあるものでなければ残されていきません。

こちらの公園はその点において、とても良い残し方をされたなと思います。

 

今回もご覧いただき、ありがとうございました。

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