これまでこのブログでは羽越新幹線、四国新幹線についてご紹介してきました。
山陰新幹線構想は、関西から下関まで、日本海側を通る550キロの新幹線構想です。
主に現在の山陰本線のルートを走ります。
ルートは大阪、京都、小浜、舞鶴、鳥取、米子、松江出雲、新下関を経由することが考えられています。
鳥取市のHPでは北陸新幹線とともに日本海側国土軸を構成することで、太平洋側での災害発生時にバックアップができ、日本全体の経済発展にも役立つとされています。
また、地方創生の観点でも必要不可欠な路線ともされています。
山陰新幹線は四国新幹線と同様、1973年に基本計画線として設定されました。
しかしその後は進展が無く、具体的ルートや建設時期は決まっていません。
建設方法は?
平成25年、沿線府県を巻き込んで、山陰縦貫・超高速鉄道整備推進市町村会議が発足しました。この中で様々な建設方法、ルートの検討が行われています。
(Wikipediaより)
中にはリニア方式による建設も考えられました。
この場合、建設に100年かかるものの、最終的には建設費を上回る効果があるとされています。
一方でコスト軽減の策も考えられています。
新大坂ー小浜で北陸新幹線と共有することで建設費を削減。
他に、単線やミニ新幹線規格で建設することも検討されています。
主な所要時間の通常の新幹線として整備する場合、それぞれの所要時間は、
新大阪〜天橋立・城崎温泉 55〜60分(現在150分)
京都〜天橋立・城崎温泉 40〜45分(120分)
新大阪〜鳥取 80分(150分)
新大阪〜松江 90分(210分)
となり、山陰地方では大きな時間短縮が見込めます。
一方で通常の新幹線で3兆円以上、リニア方式で13兆円以上とそれなりの建設費です。
開業後10年目でGDPが3兆円拡大すると言う京都大学教授の試算もあります。
また、山陰新幹線とは別に、伯備線に沿って走る伯備新幹線(中国横断新幹線)も計画されています。
山陰新幹線の実現性は?
(Wikipediaより)
現在人口の減少が著しい鳥取、島根に新幹線を建設するのは過剰な投資だという意見もあります。
確かにGDPの拡大は考えられるものの、ストロー化現象や、沿線在来線の第3セクター化も考慮した、十分な議論が必要になりそうです。
いずれにせよ、新幹線の実現には整備計画路線への格上げが必要です。
550キロという長大路線のため、一度に全線開業は考えづらくなっています。
山陰縦貫・超高速鉄道整備推進市町村会議では、
1、新大阪〜小浜(北陸新幹線と共用)
2、小浜〜鳥取〜出雲市と岡山〜出雲市
3、出雲市〜新下関
の3つの工期に分けて整備するとされています。
実際に、このように分けて開業するのが考えやすいです。
先にも記しましたが、需要やコスト削減も考慮して、単線で整備することや、ミニ新幹線での開業を考えることも必要になります。
これから高速鉄道が広がるにしても、その土地に応じて、通常とは異なる形で整備されていくことでしょう。
今回もご覧いただき、ありがとうございました。
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