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北陸新幹線敦賀開業が1年以上延期へ?コロナのせいだけじゃない!

金沢―敦賀間の北陸新幹線は2023年春の開業に向けて工事が進んでいます。

 

この区間は2012年6月に建設が認可され、2026年春ごろ開業が決定しました。その後2015年1月には政府、与党の申し合わせによって開業が3年前倒し、2023年春開業を目指しています。
ところが福井新聞による複数の関係者への取材によると11月9日、国土交通省は建設工事の遅れを受け、1年以上延期する方向で検討していることが分かりました。

11日には与党整備新幹線建設推進プロジェクトチーム、自民党北陸新幹線整備プロジェクトチームの会合が開かれ、ここで報告するとされています。
先にお話したように与党は同区間の開業を前倒しさせたこともありました。そのため両プロジェクトチームは反発することが予想されます。

 

今回北陸新幹線敦賀開業が遅れるとされているのは新型コロナウイルスによるJR西日本への入札の不調だけが原因ではありません。
そもそも石川県境にある5.5kmの加賀トンネルや在来線との乗り換え設備を要する大規模な敦賀駅など、福井県内3カ所で工事が遅れていたのです。特に加賀トンネルでは地盤の膨張によって1キロに渡るひび割れが発生しており、今夏から固定用ボルトを打ち込む追加工事が進められています。

建設費は更に2000億円以上必要になると見られており、建設工事の負担はかなり大きなものでしょう。
同区間では2019年3月にも資材・人件費の高騰などを受けて、工事実施計画を変更し建設費を2263億円増額しています。

国土交通省は同区間の建設工事を巡って、9月24日の与党プロジェクトチーム会合で、一部工期がひっ迫していると報告しています。

10月9日、23年春の確実な開業を求めた福井県知事らの要請に対し、与党プロジェクトチームの細田博之座長がは「厳しい情勢にある」との認識を示しました。11月3日に自民党プロジェクトチームの高木毅座長、滝波宏文参議院議員らが問題の加賀トンネルを視察した際には、追加対策工事の進捗が2割程度であることが明らかになっており、開業遅れが懸念されていました。

 

北陸新幹線の工事は問題なく進んでいると思っている人が多い印象でしたが、実際には開業の遅れが示唆されるまでになっています。

 

沿線自治体では2023年春の新幹線延伸に向かってまちづくりを進めているため、反発されることでしょう。実際に福井県知事は「情報を出すのが非常に遅い。機構の執行体制や、国交省の監督体制がどうなっているのかを明らかにする必要がある」と批判しています。

与党プロジェクトチームは年末までに結論を出すとのことですから、これからの動向を注視して行きたいです。

 

今回もご覧いただき、ありがとうございました。

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