今日は武豊線の亀崎駅にやって来ました。
一見普通に見えますが、この駅には国内でも貴重なものが残されています。
それがこちらの木造駅舎。なんと現役の駅舎としては日本最古なのです。
まずはホームから見ていきましょう。
島式ホームの1面2線で、駅舎とは跨線橋で繋がれています。
しかし駅舎側も明らかにかつてはホームがあったことがわかる構造です。
線路は剥がされているものの、プラットホームの跡は駅舎を飛び出して、現在の自転車置き場まで達していました。
昔からの駅とはいえ高さも結構低いので、おそらく貨物ホームかと思わせる雰囲気です。
駅舎側には多目的トイレ含めお手洗いがあり、奥にはホーム上屋も建っています。
上屋の柱から屋根を支える木は真っ直ぐなだけではなく、少々カーブしているのが特徴的でした。
亀崎駅は武豊線内で最も利用者の多い駅とされています。
しかし窓口が廃止された無人駅で、簡易改札機が設置されています。
2013年10月から集中旅客サービスシステムを導入、券売機横にはインターホンが置かれていました。
さて、ようやくですが駅舎の方へ。
全体的に焦げ茶色の木造駅舎で、なかなか味のある建物です。
所々塗装が薄くなっていますが、綺麗にペンキで塗られているようでした。
建物資産標には明治19年(1886年)1月と記されており、武豊線開業時からの駅舎です。
これは現役の駅舎としては国内最古であり、駅舎内にもその紹介がされていました。
しかし実際には最古ではないのではという議論もされています。
というのも、1895年3月7日に亀崎駅で火災が発生し、翌年の鉄道局年報に焼失した本屋と駅長官舎を再建したと記録されているためです。
一方で焼失したのは官舎のみという証言もあり、駅舎は当時のままとも考えられています。
もし亀崎駅の駅舎が再建されていた場合、香川県土讃線の善通寺駅が1889年に建設されたため、現役最古の駅舎です。
しかし、レトロなJRの看板が掛けられたこの駅の素晴らしさは間違い無いことです。
駅舎横にはダストボックスが置かれていますが、ここにはキヨスクがありました。
キヨスクといえば普通駅舎内にありますが、外に建物が別で作られていたようです。
駅横の道を登って上から見下ろすと、駅舎裏にかつて井戸があったことが分かる跡が見えました。
白い布の被せられた丸いものがそれです。
駅舎本屋にはお手洗いがあり、奥は関係者以外立入禁止になっていますが、建物が続いています。
かつてはこの壁も無く、ここからも井戸の跡を見られたそうです。
また駅舎から続く奥の建物は駅員さんの当直施設だったそうですが、今では使われていません。
こちらの跨線橋は昭和40年辺りで建設されたようで、比較的新しいもの。
それでもあまり目立たない色合いになっています。
また、2014年2月にはバリアフリー化が完了し、エレベーターのついた跨線橋が設置されました。
駅舎の雰囲気がやや壊れてしまったのが残念ですが、茶色にしてなるべく色合いを合わせたのかなと思います。
武豊線に乗って次に目指すのは、日本最古の跨線橋が残る駅です。
愛知県で最も古い路線である武豊線、そこに残る様々な歴史的な建造物をぜひお楽しみください。
今回もご覧いただき、ありがとうございました。
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