早朝3時、人気もない会津若松駅です。
会津若松から新潟県小出駅を結ぶ只見線。
2011年7月の新潟・福島豪雨被害を受け、これまで会津川口〜只見が不通でした。
本日2022年10月1日、11年ぶりに只見線が全線で復旧します。
旧型客車による団体専用臨時列車「再会、只見線号」も運行。
今回はいよいよ運行が始まる只見線の姿をご覧に入れましょう。
朝4時半の時点で結構な行列です。
宿泊場所から、続々集まって来るみたい。
5時になると灯がパッと点きまして、改札内へと入ります。会津若松駅で小出の文字を見られるとは、感動モノですね。
ホームには多くの列車が入線しています。
只見線の始発が出る3番線ホームにも、喜多方行きのキハ110形気動車が停まっていました。
3番線ホームでは只見線全線運転再開記念の出発式準備中。
出発式は始発列車でなく、団臨「再会、只見線号」に合わせます。
5:43頃、3番線ホームに列車が入線。
使用されるのはキハE120系気動車です。キハ40系だったのが、新しい車両で戻ってくることになります。
2両目は只見線を走った、キハ45・52形をオマージュした車両です。
出発式こそありませんが、横断幕によってお見送りしてくださいました。
6:08 会津若松駅 発
たくさんの見物客に対して大きな汽笛で応え、列車は只見線を走り始めました。乗車率は200%、乗っているお客さんも大勢です。
会津若松駅を出るところでも、地元の方がお見送りしていらっしゃいました。
七日町駅近くの七日町通りは、大正ロマンを感じられます。蔵が建ち並ぶノスタルジックな通りで人気です。
西若松駅は会津鉄道の分岐駅で、赤べこを思わせる汽車が停車中。
会津鉄道はまっすぐ進み、只見線は180°方向を変えることに。
最初に渡る川は阿賀川です。トラスもなくスリルある橋になっています。
廃止されたホームの向こう、鮮やかな刈り終えた田んぼが広がります。
遠くには霧が溜まっていて、雲海のような幻想的な雰囲気。
白い朝日と共に、磐梯山の稜線もくっきりです。
印象派の絵みたいな、ぼんやり感が素敵!
真っ白な霧の中、若宮駅に到着。
ホーム上に駅員さんもいらっしゃいました。
会津坂下駅にて、会津川口駅から来た列車と行き違いです。
構内踏切やホームの改良工事を行っている様子で、より利用しやすい駅へと変わります。
ここまで霧が立ち込める盆地の中を走っていました。
ここからは山に入り、いよいよ只見線らしい線区になります。
塔寺駅では手作り感満載の看板も掲げてくださって、住民の方々からの想いも伝わりました。
普段通りの運行を続けていた只見線。
ところが6:55頃、列車はなぜか突然停車してしまいました。
急停車という感じではありませんが、謎の非常停車。
乗客の中でJRの方はいませんか〜という放送が流れ、4,5人くらいが運転席に集まりました。
ブレーキ不緩解(ブレーキが緩まらない)による停車とのこと。
7:26、何度かエンジンを再始動していますが、車両故障が治らないそうです。
7:33、JR係員を手配して、車両点検をすると放送が流れました。近くの道にはヘルメットを被ったJRの方々がいらっしゃいます。
7:49、JR東日本の車がやって来ました。
鉄道ファンの方はある程度理解していますが、慣れていない地元利用者の方は外へ出してほしいなどの要望を出します。
確かに気持ちは分かりますが、運行計画が立っていないまま線路上に出すわけにはいきません。
8:24、放送も車両を直すことから、運転計画の案内へシフトしつつあります。
8:25、列車の運転見合わせ・中止して、代行バスによる輸送が正式に発表されました。
最後部の運転室からはしごで降りることになります。
これから代行バスが来るのを車内で待つことに。只見〜小出、〜只見、〜会津若松それぞれのバスが手配されるようです。
周辺にはNHKなどテレビ局も集まってきています。
9:45、小出行きに続いて、只見方面へのバスが出ていきました。
10:04、僕はバスに乗らないので最後の方にしました。運転室からはしごで降りる番に。
荷物を預けて、後ろ向きに降りていきます。中々の特別な体験です。
ものすごく山深い訳ではなくて助かりましたが、こうして見ると中々のところ。
大きく開いた貫通扉から、はしごを降りてきました。実は最初の20人くらいで、1つ目のはしごが壊れています。
木々に囲われた線路上を歩いていきます。
まさか只見線の線路を歩くとは、思いもよりませんでした。
踏切の先で会津若松に戻るバスの列ができていました。
バスは4,5本走っていき、相当の方が乗っていたことが分かりますね。
さて、お客さんがいなくなった、只見線の列車。
10:45、会津若松方面に向けて動き出しました。
特に速度は遅くなく、塔寺駅を通過していきました。
そこで、列車の行き違いが可能な主要駅、会津坂下駅へ。
会津川口行きの普通列車が停車中、向かいから例の回送列車が来ました。ここで行き違いを行い、会津川口行きとして運行することに。
只見線を走破する記念すべき一番列車が運転取りやめは、当然ながら非常に残念でした。
自治体にとっては出鼻をくじかれた形だが、ぜひ只見線を活用した観光施策を発信していってほしいです。
今回もご覧いただき、ありがとうございました。
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