留萌本線の終着駅、留萌駅には国鉄だけで3方向へ路線が走っていました。
(他にも天塩炭礦鉄道、留萠鉄道がありましたが、コアすぎるので扱いません)
2015年12月まで留萌本線が増毛駅まで走っていたことは記憶に新しいでしょう。
1987年までは宗谷本線の幌延駅まで、日本海沿いに走る羽幌線も発着していました。
羽幌線は石炭輸送もありましたが、増毛と同じく海産物、主にニシン輸送に利用されてきました。
しかし炭鉱が閉山し、ニシン漁の不振等により、鉄道は次第に使われなくなっていきました。
また、今年3月に留萌本線とほとんど平行する無料の高速道路、深川留萌自動車道が開通することが決まっているのです。
そんな状況で、留萌本線の廃止はほぼ確実と言ってしまって良いかと思います。
留萌駅は相当大きな役割を果たしていた駅だということを今回のご紹介でお伝えできたらと思います。
留萌線の終着駅、留萌駅に到着
帰省時期だったこともあり、かなりの人がここで降りていきました。席はほどんど埋まっていたくらいです。
駅名標は2015年12月の一部廃線以降に新調されたようです。
通常、隣駅が廃止になった場合、シールを貼るなどして対応するのですが。
隣には観光案内板。
黄金岬は日本一きれいな夕焼けが見えるということで有名です。
もっとも、この決まり文句を使っている場所は全国にいくらでもありそうですが…。
手書き調の地図案内も分かりやすく、見てみようという気にさせてくれます。
早朝時間帯を除いて、列車はこの1番線から発車します。
ホームから見ても駅舎は中々古そうです。
利用客が少ないながらもこの駅には駅長さんがいらっしゃいます。
社員さんがいるスペースもかなり広そうです。
跨線橋への入り口には行灯式の乗り場案内が。
2度と点灯することはない『増毛方面』が寂しげです。
跨線橋内部はかなり無機質です。
早朝時間帯しか2番線は使わず、つまりこの跨線橋もほとんど使われないので、手を加える必要もないのでしょう。
また、後程お話ししますが、この跨線橋はかつて100メートルにもおよぶ長い跨線橋でした。
古くはあれどかなり立派な屋根のあるホームです。
2番線はほぼ使われませんが、なぜかこちらの駅名標も新調されていました。
屋根の無い部分なのにこれだけ綺麗ですから、新調されたのは本当に最近なのでしょうね。
さて、一番最初にお話ししましたように1987年まで羽幌線が延びていました。
そして、その羽幌線の線路があった場所がこちら。
フェンスが見える辺りまでではなくもっと奥にあったそうです。
また、芝生の広がる場所にも貨物などの線路が広がっていました。
現在の航空写真から見てみると、赤枠の部分はすべて線路のある場所だったのです。
今はその場所はほとんど公園とされています。
また、先ほどお話ししましたように、跨線橋はこの先100メートルほど延びていまして、だいたい点線のようになっていたそうです。羽幌線ホームはこれだけ離れていたんですね。
また、そのために跨線橋が斜めになっています。
そして、現在の跨線橋ですが、明らかにカットされていますね。
これがそのまま羽幌線ホームへ渡っていたのです。
改札は当然ながら有人改札です。
みどりの窓口もあり、硬券入場券を販売していました。(現在は売り切れています。)
待合室はかなり広いです。
というのもここには2008年までキヨスクがあったから。
当時の利用客は100人にも満たなかった気がしますが、駅を利用する人だけをターゲットにしていたわけではなかったようです。
もう町中にコンビニができましたからキヨスクの必要がなくなったんでしょう。
しかし、それでも駅そばが残っています。
留萌名産のニシンを使ったニシンそばです。
留萌の名産はニシンにとどまりません。
カズノコの生産は日本一だそう。
鉄道ファンの視点からすると留萌は暗いイメージが付きまとってしまうかもしれませんが、留萌市自体は素晴らしい町。日本海の恵みが盛りだくさんです。
最後に駅舎を。
THE・国鉄といっても良い、どっしりと構えた立派な駅舎。深緑の塗装が時代が止まったような風格をそのままにしています。
留萌市はすでに留萌本線廃止後、交通網をどのように整備するのかを考えているようです。
実際、留萌本線は不便であり、3月に開通する深川留萌自動車道の開通は留萌本線廃止の決定打と言わざるを得ません。
もし、留萌本線に乗っておきたいという方がいらっしゃるなら今のうちではないでしょうか。
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