2016年12月5日、留萌本線の留萌~増毛駅が廃止されました。
今回はその廃駅でまだ大部分が残っていた瀬越駅と、リニューアルされた増毛駅をご紹介します。
日本海が目の前に眺められる瀬越駅
瀬越駅跡へは留萌駅から徒歩25分で行くことができます。留萌駅から気軽に行けるのは良いですね!
赤線がかつて線路が走っていたところです。
留萌駅から歩いていると…
小さな港の景色が!
下にうっそうと草が繁っていますが、この辺りに線路がありました。
そして、瀬越駅に到着。
待合室に板が貼られただけで、ほぼ変わりありません。
元々は北海道によくある貨車を転用した待合室だったようですが、海が近く劣化が激しかったことから、こちらのコンクリート製のものになったそうです。
ホーム横には踏み切りがあったようですが最近整備されたのでしょうね、アスファルトが敷かれていました。
線路はホームの中盤あたりまで剥がされていて、まだ剥がれていまい所からは立ち入り禁止になっていました。
また、ホーム上も立ち入り禁止です。
入ってはいけない場所が現役時代と逆になっているのが面白いですね(笑)
駅と反対側もまだ線路が残っている部分が多かったです。
草がかなり侵食してきていますが、もともと植物は多く繁茂していたようです。
駅入り口は電気設備?の横に。
板張りホームではないので踏み切りの近くからスロープを上がるタイプではありませんでした。
駅裏の坂を上っていきます。
このときは雨も降っており、晴れ晴れとした海の景色は望めませんでしたが、廃駅を介してどんよりとした景色を見ると相乗効果で暗さが増幅します。
留萌駅のわがまちご当地入場券の写真ですが、
瀬越駅裏のこの坂から撮影したものだったのですね。
バスからも廃駅が…
留萌税務署前バス停から旧増毛駅へバスに乗車します。
途中左手には礼受駅の貨車駅舎が。
現在も留萌市内の廃駅はまだ残っている模様です。
駅が少し高いところにあるので貨車駅舎を日本海をバックに撮影できるようですよ。もよりバス停は礼受第1です。ちなみに増毛町内の廃駅は増毛駅以外すべて解体されています。
廃駅をリニューアル!?
終点の増毛駅
旧増毛駅バス停で下車すると、増毛駅が目の前に。
リニューアル前のものは見たことありませんが、明らかに違っているのがよくわかります。
駅舎の板張りが変わったため、印象がかなり変わったんですね。
早速ホームへ上がってみます。
なるほど、この辺りはなにも変わっていないのかな…?
と、思っていたら…
!?
なんだこれは…?なにやらモニュメントが建てられていました。
『テルミヌスへの願い』という作品名のようです。
要約すると、「駅の神様である『テルミヌス(駅:Terminalの語源)』に駅としての役割を終えた増毛駅の記憶を伝えるように託した」そうです。
正直、駅を残す上では邪魔な彫刻だと思われてしまいそうですが、増毛町に鉄道の記憶が残っていてほしいという思いは同じはず。
この彫刻が良い役割を果たし続けてくれればと思います。
こちらの駅名標はちゃんと現役時代からのもの。
廃止直前に駅名標が盗難にあってましたね…。
廃止が決まっている札沼線などでそのようなことが無いと良いですが。
そして、増毛駅と言えばホームを過ぎて駅舎近くにあった車止め。
車止めを同じ高さで、こんなに近く見られるのは珍しいですね。
2018年4月にリニューアルされた増毛駅ですが、それと同時に開業当時の姿に復元されました。
そのため、廃止時には車止めのあたりまでしかなかった駅舎も増築され、さらに蛍光灯も丸電球に変えられました。
駅のリニューアルは町民のなかにも、また、鉄道ファンのなかにも反対する方はいらっしゃったようです。
しかし、復元したことにより増毛町の観光産業に良い影響があることを願っています。
駅舎内には『老子屋(ここや)』さんが入っていています。ここでは増毛でとれた海老のおつまみなど、列車で食べられそうな軽食が売られていましたよ。
駅前には老舗旅館の『富田屋』さん、そして映画『駅 STATION』のロケ地にもなった『風待食堂』さんがあります。
こちらの風待食堂さんには観光案内所もあり、硬券入場券のレプリカが販売されているようです。
当然僕も購入しようとしたのですが…
営業時間は9:30~16:30。
ギリギリ間に合いませんでした。皆さんも営業時間にはお気をつけて。
さて、20分ほどの滞在時間はあっという間。こんどは増毛町の観光もしてみたいですね。明治時期に建てられた歴史ある建築物が多くあるようですよ。