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【コロナ禍でも大混雑の地方交通線】広島の都市路線となった可部線が優秀すぎる[年越し2022(2-1)]

2021年12月28日

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時刻表の路線図を見てみると、路線の色がの2種類あるのがお分かりいただけるでしょう。

黒は幹線青は地方交通線とされており、国鉄がそれぞれに対して運賃計算の方法を設定したことで生まれた分類方法です。

ザックリ言ってしまえば、幹線はお客さんがたくさん乗る重要な路線地方交通線はお客さんが少ないローカル線のようなものです。

 

そんな分類をされる地方交通線ですが、現在では大勢のお客さんを運ぶ都市路線として活躍しているものもあります。

地方交通線の中で最も輸送密度(路線1kmあたりの1日の乗車人数)が高い路線、それが可部線です。

都市部にある地方交通線は可部線の他、2020年に末端ローカル線部分が廃止された北海道の札沼線があります。

それぞれここ数年の輸送密度を見てみましょう。

可部線

2018年度 17868(人/日)

2019年度 18147(人/日)

2020年度 14454(人/日)

札沼線(桑園〜北海道医療大学)

2018年度 17957(人/日)

2019年度 17552(人/日)

2020年度 12555(人/日)

2018年度の輸送密度は札沼線の都市区間の方が、可部線より僅かに高くなっていました。ただし、この時は北海道医療大学〜新十津川が廃止される前だったため、1路線の地方交通線で輸送密度が最も高かったのは、可部線です。

その後、可部線沿線の宅地開発が進み、今では完全に札沼線を追い越しています。

 

さらに朝の混雑率は2017年度110%、18・19年度122%。2020年度は新型コロナウイルスの影響があったにもかかわらず、132%まで上昇しています。この混雑率は全国4位です。

 

今回は優秀な都市路線となった可部線をご紹介します。

まずは可部線の終点、あき亀山駅にやってきました。

駅の目の前では何やら工事をしている様子で、フェンスが閉められていました。簡易自動改札機の設置された無人駅となっています。

 

駅の看板には、可部線の線路配線が描かれていました。

 

駅前には大きな病院がどんと立っています。

それ以外は住宅街があるぐらいで、他所からの人が来て楽しめるものは殆ど無いでしょう。

 

たくさんの留置線を横目に、ホームへ向かいます。



あき亀山駅を出発しました。

あき亀山〜可部は2003年に廃止されたものの、2017年3月に復活した区間です。

 

可部線は広島と島根を結ぶ陰陽連絡線として計画され、途中の三段峡駅まで至る路線でした。

可部駅までは以前から都市路線として利用者が多かったものの、そこから先の輸送密度が壊滅的。

路線全体として見た時の輸送密度が低くなったため、地方交通線になった訳です。



路線の復活の過程で問題となったのが、踏切の設置です。

2002年、『鉄道に関する技術上の基準を定める省令』が施行され、この第39条に『鉄道は、道路と平面交差してはならない』とあります。そのためJR西日本は踏切を廃止する方針を立てていました。

 

しかし、この省令には『新幹線又は新幹線に準ずる速度で運転する鉄道以外の鉄道であって、鉄道及びこれと交差する道路の交通量が少ない場合又は地形上等の理由によりやむを得ない場合は、この限りでない』という例外規定があります。

この区間の踏切については、『やむを得ない場合』に含める解釈で、設置が認めらたと考えられます。

 

河戸帆待川駅はすぐお隣に設置された棒線駅です。2003年に廃止された河戸駅は、あき亀山〜河戸帆待川の間にありました。



可部駅に到着。

可部線は横川〜可部が電化区間、そしてその先が非電化区間でした。非電化区間の可部〜三段峡は、2003年12月に一律で廃止されたのです。

 

実質的に電車は可部駅が終点だったので、行き止まりの櫛形ホームに停まっていました。向こうに見えているのが現在は使われていないホーム跡です。

今では可部から先も電化復活を果たしたため、完全な相対式ホームに改良されています。

 

可部線は全線に渡って単線路線となります。

 

そのため棒線駅が存在しますが、それに似合わないほどのお客さんがホームで待っています。

 

太田川を渡るとき、遠くの山を見ると雪が積もって、雲と一体化しているようでした。

可部駅周辺では少しだけですが、雪が残っていました。

 

単線なので当然、途中駅で行き違いが行われます。

 

それにしても、可部線沿線には住宅が絶え間なく続いています。

 

七軒茶屋駅の前にも大きなマンションやアパートが。三軒茶屋の2倍以上なだけあります。



途中の主要駅である緑井駅に到着。

駅を越えた線路正面を山陽自動車道が交差しており、すぐ近くに広島ICがあります。

 

駅の目の前にはFUJI GRAND(フジグラン)緑井というショッピングセンターがあって、買い物に来る方もいらっしゃるのでしょうか。

 

その先、アストラムラインの高架が直交しており、オレンジ色のホームドアが見えています。

 

大町駅ではアストラムラインとの乗り換えが可能。この先、山陽本線の新白鳥駅まで並走することになります。

都市区間に入りまして、立ち客もたくさん出ている状態です。

 

次の古市橋駅からは全ての駅に行き違い設備が備えられています。



下祇園駅では改良工事が行われている最中です。

これまで駅舎は東口にしかありませんでしたが、西側にも出入り口と広場を設置。さらに東西自由通路まで整備される大規模なものです。

 

また、現在は島式ホームの1面2線の駅構内ですが、上下線それぞれにホームを新設し、相対式ホームの2面2線になります。

 

このホーム構造は、既に次の安芸長束駅で採用されています。

 

駅舎と手前側の島式ホームを繋いでいたのは、遮断器の無い警報機だけの構内踏切。

しかし2013年に女子児童が電車にはねられる事故が起きてしまいます。これに対応して、遮断器の設置と、新たな相対式ホームの建設がされたのです。

 

遠くに広島中心部を見ながら、河口に特徴的な三角州を形作る太田川と並走していきます。

 

三滝駅で2分ほど停車しまして、行き違いが行われました。

 

太田川を渡って、山陽本線との合流に向けてカーブ。



可部線の起点となっている横川駅に到着です。

山陽本線のホームは可部線ホームと離れて、山陽新幹線の高架下にあります。

 

この列車は広島駅まで直通します。すぐ先で複線の山陽本線と合流しました。

 

次の新白鳥駅は2015年、アストラムラインとの交差地点に開業した新駅です。

 

アストラムラインの方も同時に開業、美術館のような独特のデザインの駅舎が特徴的になっています。モグラ叩きしてみたいですね。

 

各方面への乗換案内を流しながら、終点の広島駅に到着しました。

 

エスカレーター前はこの状態。相当数のお客さんが乗られていたことがお分かりいただけるでしょう。

 

2022年春のダイヤ改正で、JR西日本は現在一部が2,3両となっている朝夕の両数を、4両にすると発表しています。

ますます発展する可部線沿線に合わせ、交通網もより利用しやすく、快適になることを期待したいです。

 

今回もご覧いただき、ありがとうございました。

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