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日本一大きい紀伊半島を各駅停車で行く!紀勢本線青春18きっぷの旅[前編][2021山陰・紀伊(4)]
紀伊半島は和歌山県と三重県から成り立っている、日本一大きな半島です。 その紀伊半島を縁取るようにして、紀勢本線は384.2kmに渡る線路が敷かれています。この長大路線には特急列車も走りますが、今回は普 ...
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和歌山市駅から普通列車を乗り継いで、新宮駅までやって来ました。
ここは和歌山県最後の駅、これによって和歌山県を海岸線に沿って完全に縦断したことになります。
2階建てで平たい昔ながらの駅舎。
非常に大きなものですが、みどりの窓口も無くなって、使われているのは1階部分だけです。
ここでしばらく時間があるので、おひるごはんを頂きます。
せっかく和歌山に来たので名物、梅おにぎりです。ちゃんと紀州南高梅と書いてあります。
駅にはWEST EXPRESS銀河の装飾がされていました。
夏から秋にかけて、夜行列車まで復活した紀南コース運行の最中です。
新宮駅はJR西日本とJR東海の境界駅です。
ホーム上には名古屋へ行く特急南紀の停車位置案内。JR西日本風の表記になっていました。
JR西日本エリアは電化されていましたが、ここからは非電化区間になります。キハ313、もとい、キハ25系による運行です。
パンダくろしおに見送られながら、新宮駅を出発します。
熊野川を渡りまして、和歌山県から三重県に入りました。
最初の駅は鵜殿駅です。
この辺りの鵜殿村は2006年に紀宝町と合併。これによって三重県から村は無くなりました。
紀勢本線の横を、同様に紀伊半島をぐるっと回る国道42号線が走っていきます。
紀勢本線の駅には多くの立派な駅舎が残されています。
一方でJR東海のローカル線の駅では駅舎の更新が行われており、こちらも新しくなりました。
駅に入線する途中には図書館が併設された立派な熊野市文化交流センターもあります。
ここからは熊野大花火大会開催時、名古屋まで夜行列車まで走ります。ぜひ一度乗ってみたいものですが、新型コロナウイルスの影響でお祭り関係の臨時列車は中々走りません。
波田須駅は紀勢本線で一番の秘境駅です。
『凪のあすから』というアニメの聖地巡礼スポットにもなっているそう。
また、近くには太平洋をバックに線路を見下ろすことができるポイントがあって、撮り鉄さんの名所になっています。
新鹿駅の近くには日本一きれいな海水浴場と言われる新鹿海水浴場があります。名所案内にもそう書かれるほどなので、相当立派なものだと思われます。
海のすぐそばに広がる集落という感じ、これこそが紀勢本線を良く表す光景でしょうか。
紀勢本線の全通は1959年と歴史は浅いです。最後の開業区間は新鹿駅~三里木駅で、この辺りからはトンネルなども多くなります。
尾鷲駅は日本有数の大雨の地でも知られる尾鷲市に位置します。台風の時にはよく注目される地点です。
そんな尾鷲市では2021年8月、熊野尾鷲道路の尾鷲北IC~尾鷲南ICが開通しました。
熊野尾鷲道路の全通によって名古屋~熊野の所要時間は2時間半に。ワイドビュー南紀は3時間以上かかるため、廃止は無くともかなり影響がありそうです。
1507 紀伊長島駅 着
ここは紀北町の中心駅で、紀伊国の玄関口でもあります。
運転系統がここで分かれるなど、紀勢本線の中でもかなり重要な駅です。
駅舎には平成初期感のあるワイドビュー南紀の広告が。
東京までのアクセスがどんどん便利になり、所要時間が書いてあっただろうところが白塗りになっていました。
ここでは1時間以上の滞在。徒歩圏内にスーパーマーケットのオークワがあるので、買い物もできます。
1620 紀伊長島駅 発
それまで寝息すら立てていなかったキハ25、突然エンジンがかかって、扉を開けられました。
海沿いを走っていた紀勢本線ですが、ここからは内陸へ向かいます。
まず越えていくのは丹坂峠、伊勢国との境です。
そんな峠を越えた梅ケ谷駅で、普通列車と行き違いました。
この辺りには大内山動物園という、全国でも珍しい個人経営の動物園があります。しかもライオンやトラまで飼育しているという、かなり立派なもの。
ここまで山中にあるということもあって、興味をそそられますね。
三瀬谷駅は大台町の中心駅で、2006年からは全ての特急南紀が停車になっています。
列車はかなり山奥を走り続けます。紀伊長島駅からは山登りの格好をした方々が乗り込まれており、途中で降りられました。
相可駅は初見で読むのがかなり難しい駅、多気町の中心部は多気駅よりこちらの方が近いです。
1728 多気駅 着
ここは伊勢・鳥羽へ向かう参宮線との乗換駅です。紀勢本線は長距離に渡る路線ですが、乗り換え路線は末端部に集中します。
1739 多気駅 発
今回最後の列車、亀山行きに乗車します。
途中いきなり雨が降ってきて、視界もかなり歪んでしまいました。
松阪駅には名古屋~伊勢・鳥羽を結ぶ、快速みえが停車中です。
雨雲の隙間からは夕日が顔をのぞかせており、JRのライバルともなる近鉄山田線の近くを走ります。
三重県の県庁所在地、津駅に到着。お互いの県都までかなり時間を要しました。
ここから名古屋方面へはバイパス線の第三セクター伊勢鉄道が分岐。特急南紀や快速みえはあちらを通ります。
線路を見てみると、非常に高規格であることが分かります。
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これによって津~亀山の紀勢本線は普通列車のみの運行に。
もし民営化の時、利用状況を路線ごとではなく正確に測られていたら、こちら側の路線は廃止されていたかもしれません。
1834 亀山駅 着
和歌山市駅を7:56に出てから10時間38分、紀勢本線起点の亀山駅に到着しました。
9月の初頭でありながら大分暗くなっており、その長さを分かっていただけるのではないでしょうか。
キハ25の向こう側には、紀勢本線の0キロポストが刺さっています。
日本一の半島をぐるっと回る、それだけでも十分楽しいものでしたが、今度は途中の地点にどんな魅力があるのか回ってみたいですね。
今回もご覧いただき、ありがとうございました。