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【まるで急行列車】特別快速きたみ石北本線の過酷な峠越え![2021北東パスローカル(2-1)]
今日は旭川駅から東へ、北見市を目指します。 乗車するのは1日1往復運行されている特別快速きたみです。 旭川から網走を結ぶ石北本線には特急大雪・オホーツクが走っています。 しかし需要の少な ...
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ここはオホーツクの中心地、網走駅です。
網走刑務所でも有名なこの地は札幌・旭川からの特急列車が至る、石北本線の終着駅となっています。
ここから先は釧網本線、道東を南北に貫くこの路線には豊富な観光資源があり、非常に人気です。
外観は一見普通でしたが、車内に入ると流氷をイメージしたかのような青いモケットが並んでいます。
モケットには沿線の風景や生き物のイラストが描かれていました。
今回はそんな人気のローカル線、釧網本線に乗車します。
いろんな生き物たちとともに網走駅を出発。
駅前には東横インを始めとしたチェーン展開しているホテルも立ち並びます。
お隣の桂台駅にかけて網走の市街地です。
夏休みということで、車内には旅行客が多い印象。
オホーツク海側はもちろん、窓側は全て埋まっています。
藻琴駅には『トロッコ』という喫茶店があります。
釧網本線の駅には飲食店が併設されたものも多く、グルメ路線としても人気です。
中でもお隣の北浜駅は目の前にオホーツク海が広がり、かなり有名になっています。
オホーツク海沿いを走る鉄道は、現在釧網本線の網走〜知床斜里の40km程しかありません。
以前は網走から紋別経由で北上する鉄路もありましたが、全て廃止されてしまっています。
海とは反対側にある濤沸湖の向こうには、平べったい藻琴山があります。
標高は1000mピッタリ、それでも登山はしやすいようです。
原生花園駅の目の前にはインフォメーションセンターがあり、近くでは野鳥観察もできます。
趣ある駅舎が残された止別駅、ここにも飲食店が入っており、ラーメン喫茶『えきばしゃ』として営業しています。
ここで美しい景色だったオホーツク海とお別れです。今度は寒い冬に流氷を見てみたいですね。
世界遺産にもなった知床半島の玄関口、知床斜里駅に到着しました。
まるで特急でも停まるかのような立派な駅舎は2007年にオープンし、観光センターとの複合施設です。
向こうからやってきたのはキハ40系の道北流氷の恵み。高校生の生徒さんも通学の時間帯になります。
左手に見えるのは標高1547mの斜里岳。
稜線に鋭い角をいくつか持つのが特徴です。
2021年に廃止されたばかりの南斜里駅を過ぎ、町の中心駅である清里町駅に到着。
昔ながらののっぺりした駅名板が残されています
こちらは非常にシンプルな名前の緑駅。
元々は上札鶴駅でしたが、清里町への改名で所在地が緑町になり、駅名が変えられました。
その緑町というのも「四面緑に囲まれて静かな土地である」ことが由来らしく、なんとも直感に沿ったものです。
列車は北見国と釧路国の野上峠に差し掛かっています。エンジンは急に唸り声をあげるようになりました。
ここには25 ‰の急勾配に、半径300 mの急カーブがあり、キハ54だけが走れます。
そんな峠道を貫くのが釧北トンネルです。
549mのトンネルが開通したことで緑〜川湯温泉が繋がり、釧網本線は全線開通を果たしました。
トンネルを抜けた先で右手にあるのが硫黄山(アトサヌプリ)。
アイヌ語で『裸の山』を意味しますが、確かに植物のないゴツゴツとした表面にはその名がピッタリです。
かつては貴賓室まであった川湯温泉駅、現在ではレストラン『オーチャードグラス』となっています。
美留和駅にはカラフルな貨車駅舎。
2019年9月に弟子屈町立美留和小学校の児童が描いてくれました。
2015年9月までの駅舎についても描いており、駅の維持に向けて花壇のお世話を含めた活動をしてくれているようです。
弟子屈町の中心駅、摩周駅からは観光でいらっしゃったであろうお客さんが増えてきました。もう立ち客も数人出始めているくらいです。
次の磯分内駅周辺には雪印メグミルク磯分内工場があります。
沿線には牛さんはいなくても牧場が見られ、ここから食卓へやってくるのかなと想像が膨らませられました。
続いて標茶町の中心駅である標茶駅。
ここからは更に東の中標津を経由し、花咲線の厚床駅へ至る標津線もありました。
茅沼駅に到着。
駅前にタンチョウがやって来ることで有名で、SL冬の湿原号とともに人気の駅です。
釧路湿原はここからスタート。北海道らしいのびのびとした景色が続きます。
湿原の中を釧路川が蛇行しており、列車の振動は水面に映る植物を揺らしていました。
塘路駅では快速しれとこ摩周号と行き違い。
赤と白のツートンカラーのラッピングがされています。
駅ではシカさんがこちらを見ていました。
はっきりと写真を撮れたのが1枚というだけで、実際にはもっと遭遇しています。
このような景色が流れているのが普通に思えてしまいます。しかし冷静に考えたらありえないほど広範囲に渡って、鉄道が湿原の中を走っているのです。
それに気付かされるごとにその素晴らしさを再認識させられます。
釧路湿原駅は細岡展望台の最寄り駅として1988年に開業。駅からは見渡せませんが、展望台に行けば雄大な景色が一面に広がっているのでしょう。
釧路湿原駅の目の前にはハンノキが生い茂っています。
この木は生命力が強く、釧路湿原の生物相を破壊するため駆除の対象になっていましたが、これも自然の流れの一部という考え方に変わりました。
駅を出発して右奥に見えるのは岩保木水門です。
釧路市街地の洪水を抑えるため河川の付替えとともに設置され、今では観光地のひとつにもなっています。
遠矢駅からは釧路市街地となり、住宅や店舗が増えてきました。
渡っているのは釧路川へ合流する別保川。花咲線と釧網本線と同じような形です。
釧網本線の起点に当たる東釧路駅に到達しました。
166.2kmの釧網本線を走破し、列車は釧路駅に到着します。
以前は中国人観光客を含め多くの方が来ていた釧網本線、今では観光需要が低下してしまいましたが、それでも沢山の人を魅了します。
2021年冬には新たなSL冬の湿原号が運行を開始、さらに観光客を呼び込もうと力を入れていることが分かります。
釧網本線は自社単独で維持することが困難な路線の対象となってしまっています。
何とかたくさんの人に足を運んでもらい、少しでも長くこの旅を楽しめたら嬉しいです。
今回もご覧いただき、ありがとうございました。
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