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北海道で走る第三セクター 地域住民が支える道南いさりび鉄道(7)

2021年5月24日

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今日は北海道鉄道の玄関口の駅、木古内駅にやって来ました。

この駅は北海道最南端の駅、駅舎内にはそれを示す記念碑が立っていました。

 

かつて使われてた三角形の駅舎、その先端部分がちょこんと飛び出しています。

 

駅前には道の駅やセイコーマートもあり、一連の整備は全国街路事業コンクールで優秀賞に輝きました。

 

さて、今回はそんな木古内駅から道南いさりび鉄道に乗車します。

元々JR江差線でしたが、新幹線開業によって第三セクターとなりました。

道南いさりび鉄道の駅舎は非常に新しく見えましたが、あくまで改装しただけ。

中身は古くからのイメージが残されています。

待合室には木古内町観光協会が入居しています。

かつてはキヨスクでしたが2015年3月に閉店、その後キーコショップという売店が新幹線開業直後の2016年3月まで営業していました。

 

また待合室の一角には道南いさりび鉄道や、かつての海峡線、江差線に関連する展示がされています。

江差線時代の木古内の駅名標には、お隣の知内駅が書かれていました。

 

他にも快速海峡のサボがあって、長い歴史の後に新幹線がやってきたのだと感じさせられます。

三セクの木古内駅は無人駅ですので、そのまま跨線橋へ入ります。

跨線橋の正面にはかつて海峡線ホームへ降りていた階段がありました。

 

その横にはわずかに『函館行特急列車』の文字が残っています。

 

1〜3番線のホームは撤去され、貨物列車を始めとするお客さんの扱いをしない列車がやってきます。

 

私達が利用するのに残されたのは4,5番線ホームだけ。

 

そこには1両の道南いさりび鉄道が停まっていました。

 

ホーロー駅名標はそのまま、横には未だに木古内駅開業の広告が貼ってあります。

しかも車両はH5系ではなく、当時のイメージ画像のままです。

 

道南いさりび鉄道の駅名標は明るい印象があります。

ロゴの配色をそのまま活かして枠は青色、ラインはオレンジです。

 

使われている車両はキハ40系。

元々はJR北海道と同じ萌黄色のラインでしたが、道南いさりびオリジナルとして、春夏秋冬を表すペイントがされました。

こちらは冬の配色です。

 

側面には函館山をなぞったラインが引かれています。

非常にシンプルでありながら沿線で見られる景色を表す、非常に良いデザインです。

 

ガラッと変わった外見の一方で、車内はおなじみのボックスシート。

青色モケットは北海道におけるローカル線のアイデンティティです。

 

また海側の窓枠には藻ちょこんと函館山が見えますよ、という案内が貼ってありました。



向かいから貨物列車がやって来て列車の真横に停車。

道南いさりび鉄道にとって貨物列車の存在は欠かせません。年間約13億円の線路使用料を得ており、これは収入の8割に及びます。

 

貨物列車が木古内駅に来たことで、こちらは五稜郭方面へ発車できます。

 

国道228号に沿って走行、大きな道に面した家や商店が並んでいます。

 

ローカル線の大敵、高速道路へつながる道路の下を潜ります。

建設中の道路は函館江差自動車道、その名の通り旧江差線を襲名するかのようなインフラです。



しばらくすると列車は速度を落として行きます。何があるのかなと思っていたら…

すぐ横には非常に美しい芝桜が広がってました。

 

一面の縞模様で、驚くべきことに個人のお宅が行っているのです。

今は新型ウイルスで入れませんが、通常ならば一般の人も中へ入って楽しめました。



最初の駅、札苅駅に到着。

道南いさりび鉄道はもちろん基本的に単線。

しかし貨物列車と行き違うため、有効長がかなり長く取られているのが特徴です。

 

泉沢駅は2面3線の千鳥式配置のホーム構造。簡易委託の駅員さんもいらっしゃいます。

 

また向かいからは観光列車にも使用される車両、ながまれ号がやって来ました。

 

次の釜谷駅は貨車駅舎。ペイントなどによってうまく手を加えられています。



だんだん海が近づいてきて、景色のきれいな区間へ。

上から函館湾を見下せるのは非常に壮観です。

 

キハ40のエンジン音がさらにその旅情を掻き立ててくれます。



渡島当別駅に到着しました。

一旦ここで下車することにします。

 

この駅は観光地のトラピスト修道院の最寄り駅。

駅舎もそれをイメージしたデザインになっています。

 

また郵便局も併設されているので、ちょうど郵便車もやってきたところでした。

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さて、再びここから五稜郭へ向かって行きましょう。

今度やってきたのは先程すれ違ったながまれ号。木古内駅から折り返してきました。

 

側面には夜空に星が輝き、函館山の麓で漁火の灯る様子が描かれています。

 

また車内には地元の人からのメッセージが貼られていました。

 

ながまれ号は日本一貧乏な観光列車としても知られます。

旅行商品として運行されるときには手作りの装飾が車内を彩り、途中駅では地元の人がおもてなしをしてくださるそうです。

 

しばらくして右手に見えてきたのは函館山になります。



続いては茂辺地駅に到着。

この駅の近くには北斗星広場があって、客車が保存されています。

 

列車は北斗市の中心部へ。

北斗市は新函館北斗駅がある大野と、こちらの上磯で構成される地域です。

 

そして上磯にはコンクリート工場があり、北斗の経済を支えます。

 

上磯駅は大きな駅となっており、道南いさりび鉄道の半分が上磯行きです。

 

次の清川口は『ながまれ』仕様の駅舎。

ちょっと見づらいですが、紺色に点々と描かれたデザインになっています。

 

フェリーターミナルの最寄り駅、七重浜駅で向かいからやってきたのは秋仕様の列車です。

 

この列車は函館まで行きますが、境界駅の五稜郭駅で下車しました。

会社間の駅名標は1社のデザインにまとめられるのが普通です。

しかし、こちらに関しては道南いさりび鉄道とJR北海道が合わさっています。

 

道南いさりび鉄道は沿線人口も減少傾向。厳しい状況に立たされているのも現状です。

しかし地元の住民が除雪に参加したりと地域に密着した鉄道でもあります。

 

本州と北海道の物流を支え、道南の地域輸送を担う鉄道です。

 

今度は是非とも観光列車の方も楽しんでみたいです。

 

今回もご覧いただき、ありがとうございました。

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