ホームライナーと言えば特急車両に乗車整理券だけで乗車できるのがひとつの強みです。
名古屋地区の中央本線ではホームライナーが多く運行されており、中には『特急しなの』の車両383系を利用するものもあります。
しかし、今回乗車する帰宅時間帯のホームライナー瑞浪は話が違います。
やって来たのは313系8000番台。普段は中央本線の普通・快速列車などでも走っています。
今回は一種のはずれホームライナーとも称される、313系のホームライナー瑞浪に乗車します。
名古屋駅に到着するとドアが開きます。
しかし開いているのは3ドアのうち両端の2つだけ。中間の扉は締め切られています。
なぜここだけ閉まっているのかはよく分かりませんが、それほど乗降をスムーズにさせる必要もなく、車内の温度を保つことが出来るためでしょうか。
こちらの車両は313系とは言え、かつては追加料金を徴収するセントラルライナーとして走っていました。
そのため背もたれ部分は大きく、シートピッチも広くなっています。
枕カバーの左下には何やら不思議な鍵がついていました。
こちらは乗車整理券を差し込むためのものです。
セントラルライナー時代からの名残を感じさせます。
また、最近は自由席となりましたが、指定席の時は車内で購入する人が事前発売されないセミコンパートメント式の座席に座っていました。
名古屋駅を出発しました。
現在この車両には8人程度。まだガラガラの様子です。
列車は金山、鶴舞に停車、各駅の乗車口には多くのお客さんが並んでいます。
しかし、乗ってくる人はほとんどいません。
一方千種駅では多くの乗車があって、ほとんどの座席ペアが埋まりました。
ホームライナーの利用者数的にはここが圧倒的です。
次は大曽根にも停車。名鉄瀬戸線、ゆとりーとライン、名城線から乗り換えられる主要駅ですが、ここではほとんど利用者はいませんでした。
大曽根駅を出発すると、次に停車するのは何と多治見駅。ぐんぐんスピードを上げて、90㎞/h近く出しています。
この先愛知県内の主要駅には停車しないことで、遠近分離もなされているのです。
しばらくすると列車はノロノロと走っていきます。
これは前方に普通列車多治見行きがいるためで、詰まってしまっていました。
しかし次の神領駅で普通列車を追い抜きます。
障害がなくなったホームライナーは遂に120km/h近くまで出すようになりました。
春日井市内の大ターミナルである高蔵寺駅まで通過してしまいます。
313系の車両で高蔵寺を通過するのは、本当に不思議な感じです。
通常の快速列車では110km/hが最高速度ですが、トンネル内では130km/hまで出していきます。
313系が本気を出してくれる、そんな体験ができるのはこのホームライナー瑞浪だけです。
名古屋から気軽に行ける秘境駅と呼ばれる夜の定光寺、古虎渓も闇の中を走ります。
多治見駅に到着しました。
多治見駅を出発すると、この先は各駅にポツポツと停まります。
土岐市駅は特急列車が停車しませんから、愛知県内を飛ばしていくホームライナーは重宝されそうです。
利用区間としては千種~多治見がかなり多く、そこから先はガラガラになっていました。
それでも終点の瑞浪駅では快速中津川行きと接続、こちらへ乗り継ぐ人たちも数人いらっしゃいます。
この列車は折返し普通列車名古屋行きとして戻ります。閉じられていた中間扉も開かれました。
このホームライナーは特急車両ほどの快適さを楽しむことはできません。
しかし元々ライナーのために製造されたため十分ゆったりしています。
確かに快適性は383系に劣りますが、決して悪い列車ではなく、313系が高速で走っていくのはむしろ面白かったです。
今回もご覧いただき、ありがとうございました。
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