先日は現役で最古の駅舎、武豊線の亀崎駅を紹介しました。
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『日本最古の現役駅舎』は本当?レトロな木造駅舎が残された亀崎駅
今日は武豊線の亀崎駅にやって来ました。 一見普通に見えますが、この駅には国内でも貴重なものが残されています。 それがこちらの木造駅舎。なんと現役の駅舎としては ...
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今回やって来たのは現存する最古の駅舎です。
そんな駅舎が残るのは北陸本線の長浜駅のすぐ近く。
長浜駅の旧駅舎です。
こちらの駅舎は木骨構造の石灰コンクリート造りで、外壁はコンクリート素面仕上げになっています。
入口部分には『現存する最古の駅舎』としてアピールされており、日本遺産にも認定されているようです。
現在こちらの旧長浜駅舎は鉄道資料館として活用されています。
駅前には北陸本線のトンネルに掛けられていた大事が展示されていました。
更にそれらの前に置かれているのは旧長浜駅で使われていた、29号分岐器ポイント部。
こちらは1882年の開業から80年使われた、現存する最古のポイントです。
レールと枕木の座金には『KOBE 1881 I.G.R MAKERS』と書かれています。
当時輸入品に頼っていた鉄道の部品でしたが、こちらは鉄道局神戸工場製、非常に貴重なものです。
駅舎の四隅には花崗岩の切石が積まれており、ちょっとしたアクセントになっています。
窓枠にはレンガがはめ込まれていて、ヨーロッパのパン工房みたいなイメージです。
入り口については一番上部に花崗岩、そこからアーチ状にレンガが積まれており、それも3段になっていました。
中へ入って資料館のチケットを買います。料金は大人300円です。
かつてのコンコースには八角形のベンチが設置されています。
左手に見えるのはきっぷが売られていた出札口、その前には荷物を運ぶ車や人形が飾られてました。
きっぷの窓口は現代と比べてかなり小さめ。今だったら真ん中にひとつ置かれるくらいのように思います。
駅舎内には当時の様々な部屋が再現されています。
最も注目すべき一等待合室にはストーブもあって、当時にしては立派なものです。
赤いモケットのベンチからも、相当上級のお客さんがいらっしゃったのであろう雰囲気が感じられました。
上からはランプが灯されていたようで、現代とは全く違う形です。
窓から外を少し見てみると、駅舎の壁が非常に厚いことがよく分かります。この厚さは50cmにも及び、本当に立派な駅舎であるということです。
館内には駅舎に関する資料がいくつか展示されていました。
こちらは1903年(明治36年)、長浜駅が現在地に移転する前の構内図です。
ポイントが沢山あって機関車の付替えが行われていたことが想像できます。
この図面は明治20年代中頃と推定されているようです。
こちらは貨物取扱所の基礎に使われていたと考えられているレンガ。
中央の『「は」の刻印』はレンガ職人の責任印で、JR草津線でも同じ刻印が見られているそうです。
全体的な資料館の展示としては北陸本線の歴史が中心に紹介されており、直流・交流の変化などが解説されていました。
北陸本線は特急街道として非常に多くの列車が活躍した路線。旧長浜駅には明治時代からの鉄道の歴史が刻まれます。
現在の長浜駅は旧長浜駅舎をモデルにされており、市民の鉄道に対する思い入れは昔から変わらないものです。
電化方式の改良によって新快速が関西から敦賀まで直通した現在、簡単に訪れやすくなった長浜。
ぜひこの機会にいらっしゃって下さい。
今回もご覧いただき、ありがとうございました。